木走日記

場末の時事評論

ブログの時代がやって来た?

今日の毎日新聞にこんな記事が載っております。
『ブログ:米国社会に急速に広がる 有料サービスも登場』(http://www.mainichi-msn.co.jp/it/coverstory/news/20050315org00m300045000c.html

 今、ネット先進国アメリカでは業界を巻き込むブログ旋風が吹き荒れているようです。記事によれば、アメリカでは、ブログのユーザー数は、昨年だけで58%増に達し、独自のブログを作成した米国人は800万人を超えたといいます。すでにブログを使った有料サービスの動きも出てきており、今年のネット業界でさまざまな話題を提供することになりそうです。

■■掲示板以上の影響力

 どこか草の根的な響きを持つブログだが、その影響力は決して馬鹿にできない。時にブログは個人を追いつめるほどの力を持つことになるからだ。たとえば、米国では新聞記者がブログの告発によって辞職に追い込まれるという事件が起きた。

 事件の当事者は、保守的なニュースサイト「タロン・ニュース(Talon News)」のジェフ・ガノン記者。彼は、ホワイトハウスの担当記者だった。そして、ブロガー(ブログに書き込みをする人を指す)達が彼をネット上でやり玉にあげた。

 ブロガー達はまず、同氏が記者としての資格を持っているのかといった疑問をネット上で取り上げ、追求していった。さらに、ブログ上には、同氏がポルノ・サイトに関与しているなどというネタも掲載されるようになった。

 ところが、この1件で、ジェフ・ガノンというのが偽名であることが発覚、さらに同ニュースサイトが共和党員によって運営されている事実まで浮上した。同件だけでも、オンライン・メディアの持つ隠れた影響力を知らしめるには十分だろう。

『ブログ:米国社会に急速に広がる 有料サービスも登場』より引用

 このジェフ・ガノンに関しては、依然こんな記事がライブドアニュースにありました。

ホワイトハウス、初めてブロガーに記者パスを付与ライブドア・ニュース 03月08日 東京】− AP通信によると、ホワイトハウスは7日、インターネットのブログでニュース報道している個人ブロガーに記者証を発行した。これまでは新聞やテレビなどの既存メディアに限られていた記者証の発行をブロガーに開放したのは初めての試みで注目を集めそうだ。

  記者証の発行を受けたのは23歳の若きブロガー、ギャレット・グラフ氏で、この日、ブロガーとして初めて、ホワイトハウスの定例記者会見に出席した。初めて記者会見室に入った印象について、同氏は「古臭くて狭苦しい」と述べ、また、定例記者会見は「驚くほど淡々としていた」と語った。

  グラフ氏は、ワシントンのニュースメディアをテーマとするブログ「フィッシュボウルD.C.」を運営している。最近、ホワイトハウスの閉鎖性や記者の定義が話題になったことから、ホワイトハウスに定例記者会見証を申請してみようと思い立ったという。そして、なんとわずか1週間の審査を経て同氏に記者会見証が与えられた。

  ホワイトハウスのスコット・マクレラン報道官は、「ホワイトハウスの記者会見には、あらゆるタイプの記者を認めるべきだ」と述べ、これまでも「既存のメディア、新しいメディアを問わず、右から左までさまざまな意見の持ち主を受け入れてきた」とホワイトハウスの懐の深さを強調した。だが、最近、ジェフ・ギャノンという偽名を使い、2年間にわたって、ウエブ上の右翼系新聞社、タロン・ニュースの記者として、ホワイトハウスから記者証を与えられていた本名ジェームズ・ガカート記者が、実はゲイポルノ・サイトを運営し、違法取引に関与していたことが暴露されるという事件が起き、ホワイトハウスの記者証の審査手続きが全国的に注目されていたところだった。

  朝の定例記者会見に出席したグラフ氏は、マクレラン報道官のオフィスに招かれて雑談を交わした。グラフ氏はブログに、「今朝の印象はどうかと言うと、華やかなイメージの割には、記者会見室は実に地味の一言。フランクリン・ルーズベルト大統領のリハビリ用プールを改修して建造されたという有名な記者会見室は、今ひとつ物足りない感じだった」と書いている。ちなみに、グラフ氏は、バーモント州AP通信記者クリストファー・グラフ氏の子息でもある。 【了】

http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1021085/detail

まあ、ホワイトハウスの記者会見にまでブロガーが出席することもすごいですが、オンライン・メディアの新境地を開拓するブログは、使い方次第でコミュニティーでも活躍し、一方で個人や企業に打撃を与えることもできる諸刃の剣と言えるわけであります。

 不肖・木走のこの日記もささやか微力ではありますが、個人で可能な範囲でメディアリテラシーしつつ、読者のみなさまのお役に立てるように努力していきたいと思っております。

 さて、「われわれのIT分野の考え方は、ブロードバンドとモバイル。ブロードバンドはコンテンツ配信実験もしているし、モバイルは先進的にコンテンツを作ってきた。テレビがインターネットを取り込むのであって、堀江さんが『テレビ局は何もやっていない』というのは何を言っているんだ、という感じだ」

 放送界に対する堀江社長の指摘に対し、フジテレビの村上光一社長は先月24日の定例会見で、強い口調でこう反論しています。

 一方、市場には新たなデジタル家電が次々投入されています。。HDD(ハードディスク)レコーダーの急速な普及で、CMを飛ばして録画する「CMスキップ」機能が問題となり、日本民間放送連盟は昨年から対策の検討を始めたそうです。

 昨年11月にはソニーが最高6チャンネルを1週間分まるごと録画できるAVレコーディングサーバーを発売し、事実上、地上波放送のオン・デマンド(見たい時に取り出して見る)を実現してしまっっています。これが普及すると「リアルタイム視聴を前提とした広告収入による無料放送」という民放のビジネスモデルが崩れかねないわけです。

 既存マスメディアのネットメディアに対するアプローチを全否定するつもりは毛頭ありませんが、時代の流れでとらえてみると、「テレビがインターネットを取り込む」発言には、木走としては違和感を感じてしまいます。

 ネットメディアに関わる新しいビジネスモデルの構築が日本でも早急に必要なわけですが、今回の騒動をきっかけに新しい動きが始まることを期待したいものです。そして新しいビジネスモデルにおいてもブログがしかるべき重要な役割を演じれるよう、ささやかにでも1ブロガーとして努力していきたいと思っておりますです。

<関連テキスト>
●ブログ雑感
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050317