木走日記

場末の時事評論

木走交友録(1)〜ネットで知り合った才人達

 自慢ではないですが、私はネット上の友人が多くはありません。論敵というか、木走を嫌っている方々は少なからずいらっしゃるようですが・・・(汗)

 さて今日は、日曜日ですし、少し時事ネタから離れて、木走のインターネット新聞JANJANで知り合ったステキな方々を読者のみなさまにご紹介いたします。

私は今でもインターネット新聞JANJANの市民記者登録をさせていただいておりますが、今日紹介させていただく方々はいずれも、そのJANJANを通じて知り合った個性派論客たちです。ブログサイトをお持ちの方々だけになりますが、以下順不同でご紹介です。

 ●恐怖の実証主義者 愛・蔵太さん

 徹底的にソース(情報源)の精度にこだわる驚異の情報収集能力を持ち合わせているすぐれた批評家であります。私がネットソース実証主義に傾斜したのも彼の姿勢に影響されてのことであり、その意味でとても尊敬できる人であります。知る人ゾ知る有名人であります。

 愛さんの鋭さを最近の話題から見てみましょう。話題は、本日付け読売新聞編集手帳でも触れられていた『ちびくろさんぼ』復刊の話です。

絵本の「ちびくろ・さんぼ」、来月復刊へ 黒人差別を助長するとの抗議を受け、1988年に絶版となった岩波書店発行のロングセラー絵本「ちびくろ・さんぼ」(フランク・ドビアス絵、光吉夏弥訳)が別の出版社から4月上旬に復刊されることが3日、分かった。新しい版元となる「瑞雲舎」(東京都港区、井上富雄社長)には書店からの注文が相次いでいるという。

 「ちびくろ・さんぼ」は、英国人女性ヘレン・バンナーマンさんがインド滞在中に執筆し、19世紀末に英国で出版。黒人の子どもが散歩中にトラに遭遇し、衣服を奪われるが、機転を利かせて取り戻す話。岩波版は53年初版、100万部以上売れた。ほかにも20社以上の版元から翻訳本が出版されていた。

 しかし「米国では『さんぼ』は黒人への蔑称」などと市民団体などからの指摘を受け、岩波書店は同書を絶版に。90年代にかけ、同書を出版していた日本のすべての出版社も絶版にした。井上社長は「何が差別的かをよく考える必要があると思う。インドでは『さんぼ』は一般的な子どもの名前。岩波版は次世代に残す価値があると思う」と話している。〔共同〕
2005.03.02 日本経済新聞 (15:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20050303STXKE019303032005.html

 まあ、木走の記憶では、トラが木のまわりをぐるぐる回ってバターになっちゃう話としてしか記憶になかったのですが、実は『愛・藏太の気ままな日記』http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050304)によれば、この本は反植民地主義な本であり、トラは当時の米欧植民地宗主国をシンボリックに表現したものだそうです。

ちびくろさんぼ』はどういう内容の話なのか、リベラルな人はもう一度よく考えてみて欲しいと思った

(前略)

で、とても当たり前のことで、子供の時に『ちびくろさんぼ』を読んで、今はオトナの人ならたいてい納得するだろうことを言いますと、この絵本の裏にあるのは、実は黒人差別とか、差別を助長する(非西欧な文明を低く見る)ようなものではなく、反植民地主義プロパガンダみたいなメッセージです。

ちびくろさんぼ』のサンボって、帝国主義的に世界のあちこちを植民地にしていった西欧列強諸国のシンボルとしての「虎」が、「兎」や「リス」を「食べちゃうぞ」と脅してしまうのを、自分の大切な帽子や傘や靴をあげて助ける、という(いい意味での)愛国主義的キャラクターです。でもって最後は、列強がお互い相手のしっぽを追っかけて自滅するのを演出する、という知恵者。

要するに、植民地的支配とそれからの自立・独立、という、ある種単純な裏読みができる話であって、黒人差別・人種差別とは全然逆のメッセージが込められているということは忘れてはいけないでしょう。

 『愛・藏太の気ままな日記』3月2日より部分引用

 勉強になりますです。

 ●日本仏教学界の反逆児 くまりんさん

 お坊さんでありながら仏教学者として大学院で教えている傍ら仏教研究をされている、とてもアカデミックな聡明な人物であります。こちらも愛さんに負けず劣らず知る人ゾ知るお方であります。

 学者さんではありながら、ユーモアのセンスもあり、僕がここを立ち上げたときも『くまりんが見てた』(http://ngp-mac.com/kumarin/)で、ありがたいやさしいお言葉で紹介していただきました。JANJANの嫌われ者記者みたいな紹介でしたが(爆)
 くまりん氏は学者に似合わず(失礼)、とても柔軟思考の持ち主であり、同じ出来事に対しても、私などとは深みの違う考察をされるので、とても勉強になります。

 最近の話題では、例のニッポン放送従業員の声明のからみで、私もおととい『フジサンケイグループダブルスタンダード』(http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050304)でとりあげた話題ですが、くまりん氏にかかると、さらに奥が深くなります。

(前略)
そんでそのフジを小泉さんがなりふりかまわず「日枝さんには世話になったから」と応援しているのも笑えるよね。確かにフジ産経系が「自由主義史観」を盛り上げて東アジアへ卑屈にならなければならなかった戦後日本人のカタルシスは作れなかったし、その開き直りの風潮がなきゃ小泉政権は誕生しなかったかもね。それに確か小泉さんもそういうの大好きだって噂は聞こえてくるしね。たしかハマコーに「この芸者殺し野郎!」ってテレビで言われていたもんね。\(^O^)/

 『くまりんが見てた』2005年03月05日のたわごとより部分引用

 この引用だけだと軽い時事ネタだけと思われるかも知れませんので、本領発揮されている硬派な論調もご紹介しておきます。

 三省堂教科書問題の論争雑考・朝鮮語禁止問題を考える
(前略)
先日、日本の朝鮮への戦後賠償は既に終了していることを示す韓国との条約が存在したと報道されたが、だからといってこれらの問題が放置されて良いわけではない。すくなくとも多くの知識人もジャーナリズムも未だ他者や他文化との関係の構築について十分な検討を経て議論が尽くされているとは思えない。終戦を契機に僕たち日本人の思想が一挙に変化したわけではない。歴史は連綿と連続している。今回の JANJAN のこの議論の朝鮮語の禁止が「あった」派も「なかった」派にも欠如しているのは歴史の連続性とその両義性を認めて受け入れて批判的に検討していく姿勢だと思う。彼らもまた本覚思想をその根底にもっていると思えてならなかった。政治的スローガンやテキストとしての歴史の解釈よりも自己の根底にある無意識を批判的に検討しなければならない。

 『くまりんが見てた』2005年03月01日のたわごとより部分引用

 とっても深いご意見です。はい。

 ●米国在住理系リベラルの旗手 福山達也さん
 聡明で優しいそして情熱的行動力を有している方であります。私と同じJANJAN市民登録記者でもありまして、特に環境問題や防衛問題に関心を持たれていっらしゃいます。
 JANJANにおいても、福山さんの日米MD構想に関してのよく調べられた記事・『日米共同開発が進むミサイル防衛 2004/11/28』(http://www.janjan.jp/government/0411/041121841/1.php)が掲載されています。

 私と福山さんでは考え方に違いもあるのでかつてJANJAN誌上で討論になったこともありますが、福山さんが尊敬できる方なのは、ご自身と違う考え方にも真摯に聞く耳を持っている聡明な方であり実証性を重んじているところです。

 『希望と挫折を繰り返して』(http://blogs.yahoo.co.jp/peace12hope/MYBLOG/yblog.html)には、次のようなテキストがあります。

戦争について考える

(前略)
古今東西、色々な戦争がありましたが、多くの共通している点があります。
①戦争指導者は40歳以上の男性が多く、威勢のいい言葉で若者を戦場に送り、自分は安全な所で眺めているだけ。
②戦争では勝てば誰を殺しても罪にならない、または軽減される。
愛国心や忠誠心の高い兵士ほど戦場の駒として使いやすく、お金だけで雇われた兵士(傭兵)は大量の駒としては使えない。

他にもあるかも知れませんが、一先ず、こんなことを思いつきました。
ということで、私は女性の味方です。(笑)
個人的な意見をさらに述べれば、女性の皆様には政治的な発言を活発にして欲しいと思います。
中年以上の男性はなるべく謙虚な姿勢でいて欲しいと思います!
(後略)

 『希望と挫折を繰り返して』2005年3月 2日より部分引用

 現在の彼のブログには氏の人徳でしょう、若い来訪者が多いようです。そのような読者層にも理解できるようなわかりやすい語り口で、しかし福山氏オリジナルの視点からの解説をされています。

 やさしい、まじめな方であります。

 ●腰は低いが切れ味抜群の愛国主義者 鮎川龍人さん
 鮎川龍人さんは極めて機知に富んだそして常識を持ち合わせた好人物であります。そのブログを拝見すれば、すぐ鮎川氏のお人柄も理解できます。氏は自他共に認める愛国主義者でありまして、私とは意見をことにするところもあるのですが、氏の最大の魅力はそのテキストのすばらしさであります。
 最近の『世の中驚くことばかり!』(http://blog.goo.ne.jp/melody777_001/e/b98555659faacc1361e6c1c15720eac5)から、抜粋させていただきますとこんな感じ。

良かった・・・・・

2005-03-04 / 国際的なこと
2005年03月04日(金) YOMIURI ON LINE
韓国外交通商相、訪日を無期延期…竹島問題で判断
 【ソウル=浅野好春】韓国外交通商省当局者は4日、潘基文(パン・ギムン)外交通商相が11日から予定していた訪日計画を無期延期したと明らかにした。
 同当局者は、島根県議会が「竹島の日」制定条例案を上程したことなどで、「韓国国民の(反日)感情が高まっており、訪日推進は適切でないと判断した」としており、今後の日韓関係や、北朝鮮核問題への日米韓の連携に悪影響を及ぼしそうだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
良かったね、半島の人が、狡賢くなくて。
えっ?だって賢かったら、こうするでしょ。

日の丸を振りながらタラップを降りる某国外相。
アナウンサー「オォー、これはどうしたことでしょう!友好ムードが盛り上がってしまいます」
来日のインタビューに、にこやかに応じる某国外相。
アナウンサー「日本の第一印象、いかがですか?」
某国外相「どこを見ても、とても清潔で、みなさんエレガントで、身なりも上品ですし、もてなしもジェントルです。大変感激しました。私は歴史問題で、日本を誹謗中傷してきたことを、はっきりとお詫びしたいと思います。こんな文化的な洗練した方々に対して、我々はなんと言う、恥ずかしいことを。本当に、申し訳ない」
日本外相「良いのですよ。わかっていただければ。別にうらんでませんよ。我々の対応にも、問題がありました」
某国外相「ありがとうございます。お詫びに靖国神社に参拝させて下さい」
日本外相、ちょっとあわてて「いや、えー日程には、入れてませんでしたが。換わりに明治神宮でどうですか?」
某国外相「いや、それでは私の気持ちが晴れません。私たちの祖先も眠っている、靖国神社で参拝したいのです」
日本外相、感動して「それでは、ぜひ私も、お供します」
次の日、靖国神社で。
某国外相、感動の面持ちで「あなたがたは、私の祖先も、こうしてお祭りしてくれていたのですね。本当に感謝の言葉もありません。そして今までの非礼、こころからお詫びいたします」
日本外相、感動で声がつまる「こちらこそ、ありがとうございます。こうして判り合えて、本当にうれしいです」
某国外相、涙ぐんで「どうやったら、このご恩に報いることができるのでしょう!」
日本外相、感動で声が出ない・・・・
晩餐会で、いきなり陛下に土下座する某国外相夫妻。
日本側、皆、大慌て、陛下が落ち着いて、手をとり、立たせる。
某国外相「元宗主国の日本に対する、これまでの無礼の数々、伏してお詫び申し上げます」
陛下「とんでもない。これからは、本当の友好関係を築きましょう」
某国外相「もちろんでございます、陛下様」
日本側、感動で呆然。
翌日、公式会談。
某国外相「今回は、お詫びするのが、わが国の真意です。これからも、宜しくお願い致します」
日本首相「いやいや、それでは我々の気持ちが。ぜひ、何か援助させて下さい。そうだ、首都機能の一部移転をされるんでしたね。あれはウチが無償でやりましょう。勿論、おたくの企業を使い、わが国の料金ベースで、お払いしますよ」
某国外相「とんでもないことです。あんなに長い間無礼を働いたのに、援助していただくなんて、むしろこちらが、お返ししなければ・・・・」
日本首相「いや、それでは困る。是非、援助させて下さい。友好国じゃないですか・・・・」

なーんてね。
本当に賢ければ、このぐらいの策略は使いますよ。
フランス人ならやるな。
イタリア人も演技派だし・・・・(おい、決め付けてるな。差別じゃないか?)

だから、良かったじゃない。
正直な人達で。
あの国にはマキャベリはいないようだね。

 木走としての朝鮮半島に対するまじめな考え方としては、鮎川龍人さんとは少し異にしています。(2月27日付け『朝鮮半島歴史問題をメディアリテラシーしてみましょう。』(http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050227)で私の考え方はまとめてあります。)
 ただ、鮎川さんの上のテキストには、とても今の日本のある意味での問題点を鋭く描いていると思えます。ただのおふざけのテキストとは深さが違うと思いました。


 もっと、いっぱいご紹介したいのですが容量の関係でこのぐらいで第一弾とさせていただきます。ご紹介できなかった方々もいっぱいおりますし、最近ここを開設してから知ったすばらしいステキなサイト・ブログもいくつかあります。

 また時間があったら第二弾として紹介させていただきます。

(注)本日紹介させていただいた4名の方には許可無く、木走が勝手にご案内した内容なので、ご本人・関係者からクレームありしだい内容修正・削除する可能性ありです。まあ、たぶん大丈夫な方々ばかりだと思っておりますが。(汗