木走日記

場末の時事評論

法案名に印象操作で「平和」などと付ける自民党の姑息さのほうがが目立つ件

 うむ福島みずほ氏が、「戦争法案と言う言葉を修正するという事は、これから、国会において、戦争法案と言う言葉を使えなくなってしまいます。これは全く変であり、事実上の言葉狩りではないでしょうか」とお怒りです。

福島みずほ
2015年04月19日 14:28
「戦争法案」という言葉に修正要求が!!
4月19日(日)「戦争法案」という言葉に修正を求められました!
http://blogos.com/article/110464/

 民主党も「言うまでもなく国会は言論の府であり、与党側が数の力で発言を封じよう、弾圧しようというのは極めて問題」と与党の発言修正要求を批判します。

民主党
2015年04月22日 17:16
「与党が発言を弾圧しようというのは極めて問題だ」社民党・福島議員の発言について 郄木国対委員長
http://blogos.com/article/110763/

 漫画家の小林よしのり氏も「戦争法案」と言った福島瑞穂は正しいと安倍政権を批判しています。

小林よしのり
2015年04月23日 12:59
「戦争法案」と言った福島瑞穂は正しい
http://blogos.com/article/110768/

 「「平和」を付けさえすれば騙せると思っているのだから、安倍政権は国民を愚弄している」とお怒りです。

なにが国際「平和」支援法だ。

戦争する他国の軍隊に協力するのが「平和」支援というのは欺瞞が過ぎる。

「積極的平和主義」やら「国際平和支援法」やら、「平和」を付けさえすれば騙せると思っているのだから、安倍政権は国民を愚弄している。

 ・・・

 これは正直、今の自民党は度量が狭いなあと思わざるを得ません。

 福島氏の「戦争法案」発言は明らかに法案に悪いイメージを付ける「印象操作」なわけですが、自民党の国際「平和」支援法という命名も、まあ小林氏指摘のとおり、安直なイメージ操作であり、同じ穴のムジナなんですよね。

 「戦争法案」、「平和支援法」、そんな言葉遊びよりも法案の中身を真摯に議論すべきであり、「戦争法案」発言に修正要求をした時点で、心の狭量さ比べで自民党の負けです、クレームレベルが低すぎるのです。

 太平洋戦争末期、日本軍は米軍の圧倒的物量の前に、次々と太平洋の島々を奪回されていきます。

 その際、部隊「全滅」を「玉砕」と修辞し、「撤退」を「転進」と誤魔化して大本営は国民に発表してきました。

 そして、8月15日のポツダム宣言受諾の日は、「無条件降伏」という戦争「完敗」の屈辱日であるにもかかわらず、「敗戦」記念日ではなく「終戦」記念日です。

 このよう言葉のごまかしによる「印象操作」は一般大衆に物事の本質を隠してしまうという点で、実に不誠実であり政治家はこのような印象操作をすべきではありません。

 言葉遊びはいらない。

 平和を維持するためには戦争も辞さない、今日本人にその覚悟が問われているのでしょう。

 ならばそこから目を離してはいけない。

 戦争法案などのイメージ操作に屈せず、政府自民党は堂々と法案の中身を国会の場で説明し、国民の支持と理解を得るために真摯に説明すべきです、そして、「戦争法案」何が問題だ、そうだよ、平和を維持するのにときに「戦争」に参加する覚悟を日本は持つべきなんだと、正論を言い切りなさい。

 自民党には印象操作ではなく、法案の中身にその必要性に、保守の矜持を持って議論せよと言いたい。

 法案名に印象操作で「平和」などと付けるのは姑息なのです。

 自民党は福島氏の発言の修正要求をする前に、自ら命名した国際「平和」支援法という恥ずかしい法案名を修正して「平和」という文字を撤去すべきでしょう。




(木走まさみず)