木走日記

場末の時事評論

ヒエラルキー打倒を叫ぶもやっぱウラヤマシイ(爆)〜常軌逸した「おねだり妻」と「美鳩会」

●こんな男を誰が次官にした(【日経社説】)〜守屋前次官逮捕を一斉に取り上げる各紙社説

 本日(29日)の各紙社説から。

【朝日社説】前次官逮捕―防衛汚職の底知れぬ闇
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
【読売社説】守屋前次官逮捕 頻繁なゴルフ接待は「賄賂」だった
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20071128ig90.htm
【毎日社説】前次官逮捕 防衛腐敗のウミを洗い出せ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20071129k0000m070118000c.html
【産経社説】守屋前次官逮捕 防衛省は根本から出直せ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071129/crm0711290230005-n1.htm
【日経社説】収賄容疑者はなぜ次官になれたのか
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20071128AS1K2800128112007.html

 各紙社説のポイントから。

【朝日社説】
 軍用機から制服まで、装備品に投じられる税金は年2兆円程度だ。機密の壁もあって、その実態は外から見えにくい。日本の安全保障に直結する装備品の調達が、業者との癒着によって、どのようにゆがめられていたのか。検察は長年の利権構造に切り込んでほしい。

 朝日は、これを機に「防衛汚職の底知れぬ闇」を暴くべきとし、「軍用機から制服まで、装備品に投じられる税金は年2兆円程度」と指摘しています。

【読売社説】
 守屋前次官の妻も、収賄容疑の共犯で逮捕された。公務員であることが、収賄罪の構成要件だが、公務員でない者が収賄に加担すれば、「身分なき共犯」として処罰される。特捜部は、前次官とともに頻繁に宮崎容疑者から接待を受けていた妻は、これに当たると判断した。

 妻名義の口座に、宮崎容疑者から2百数十万円が振り込まれていたことも判明している。

 読売では、今回は異例なことに守屋前次官の妻も「身分なき共犯」として処罰されると指摘しています。

【毎日社説】
 「事務次官の犯罪」を容易にしたものは何だったのか。その背景に戦車、戦闘機などの装備品が特殊で、製造できる業者が極めて限られている点が挙げられる。競争入札に参加可能な業者はわずかなため、02〜06年度の調達総額の実に84%が随意契約である。そこに官僚と業者の癒着が生まれやすくなる素地がある。山田洋行も04、05年度の契約額(41億円、43億円)はすべて随意契約だ。こうした「汚職の温床」を防ぐ手だてを防衛省は講じてこなかった。

 毎日は、「02〜06年度の調達総額の実に84%が随意契約である」点に注目、「こうした「汚職の温床」を防ぐ手だてを防衛省は講じてこなかった」と防衛省の装備品調達制度の不備を批判しています。

【産経社説】
 政府はこの事件を契機に、町村信孝官房長官の下に、官邸主導の「防衛省改革に関する有識者会議」を立ち上げた。同会議で防衛装備品調達の透明性確保や調達品の価格設定の問題などを論議している。早急に結論を出し、実施に移さなければならない。

 山田洋行は、納入品の水増し請求も重ねていた。水増し代金が宮崎容疑者らの裏金に回っていた。米国からの武器・装備品の調達価格は他国に比べ相当高い。納入システムを健全化し、不正防止のチェック体制を強化することが急務である。

 産経は、官邸主導の「防衛省改革に関する有識者会議」に期待、「米国からの武器・装備品の調達価格は他国に比べ相当高い」などの問題点を指摘しつつ、「納入システムを健全化し、不正防止のチェック体制を強化することが急務」であるとしています。

【日経社説】
 こんな男を誰が次官にした――と憤りを禁じ得ない。守屋武昌前防衛事務次官を巡る接待疑惑は、夫婦で収賄の疑いをかけられ逮捕される、あきれた汚職事件に発展した。

 事件の構図をみれば、前次官だけが業者と結託していたとは思えない。政官の防衛関係者は政官業癒着による利権を生じさせないよう姿勢を正すとともに、防衛調達の仕組みを点検し改める必要がある。

 日経ですが、冒頭から「こんな男を誰が次官にした」とお怒りです(苦笑

 「事件の構図をみれば、前次官だけが業者と結託していたとは思えない」と不正の広がりを懸念、「防衛調達の仕組みを点検し改める必要がある」とします。

 ・・・

 うーむ、各紙社説のお怒りはごもっともですが、「事件の構図」の分析や、再発防止策は、各紙社説やまじめな他のブログにお任せするとして、当ブログとしては、常軌逸した「おねだり妻」(苦笑)、「身分なき共犯」者である守屋幸子容疑者(56)に注目したいのであります。

 報道によればどうもこの奥方、飲兵衛オヤジが大好き的な遊びがすごいお好きだったようであります、ほんとウラヤマシイ(苦笑)



●常軌逸した「おねだり妻」〜産経社会面記事から

 本日(29日)の産経社会面の興味深い記事から。

異例「妻も収賄」 高級クラブ、ブランド品…常軌逸した「おねだり妻」
2007.11.28 16:14

守屋幸子容疑者 高級クラブでつけ回し、ブランド品のプレゼント…。前防衛事務次官守屋武昌容疑者(63)の妻、幸子容疑者(56)が「身分なき共犯」として、夫とともに収賄容疑で逮捕された。妻が収賄罪の共犯として立件されるのは異例だが、山田洋行元専務、宮崎元伸容疑者(69)への“おねだり”は常軌を逸していた。「防衛省天皇」と呼ばれた夫を尻に敷きながら、求め続けた接待漬け。「逆・夫唱婦随」のたかりぶりは刑事責任を問われることになった。

 幸子容疑者はノンキャリア職員として防衛省に入り、守屋容疑者と知り合って結婚した。

 守屋容疑者の中学・高校の先輩は「幸子さんは武昌と正反対に運動神経がよくて、とても明るい。武昌は幸子さんに引っ張られたんじゃないか。普通は妻が夫の行動をいさめるもんだけど、いっしょにやってたらスキャンダルになるよな」と話した。

 12年前からゴルフを始め、11年前から宮崎容疑者から過剰なゴルフ接待を受けていた守屋容疑者。もともとは幸子容疑者がゴルフ好きで、その腕前はハンデキャップでシングルクラスだったという。

 守屋容疑者をゴルフに誘ったのも幸子容疑者。上達の遅い守屋容疑者がいらだつと、「坊や、カッカしないの!」と子供扱いする場面も。守屋容疑者が官房長に就任し、偽名でゴルフをするようになると、幸子容疑者は旧姓と明るい子という意味を合わせた「松本明子」と名乗っていた。

守屋容疑者が公務で多忙なときは幸子容疑者だけが宮崎容疑者とゴルフをすることも多く、「宮崎容疑者は幸子容疑者のお守り役だった。幸子容疑者をまるで守屋容疑者本人のように接待していた」(山田洋行関係者)。

 幸子容疑者への接待はゴルフにとどまらない。すし、中華、フレンチ、イタリアン…。幸子容疑者が「きょうはふぐを食べに行きましょう」と宮崎容疑者に率先してたかることもあった。また、高級クラブに友人7、8人を連れてカラオケに興じ、請求書を山田洋行に送るようクラブオーナーに指示。公然とつけ回しをしていた。

 さらに、贈り物のおねだりも。たとえば、宮崎容疑者がフランス出張する際は、フランス製の化粧品やアクセサリーの名前を挙げ、「ほしいのよねえ」と冗談交じりに語りかけ、実際にプレゼントしてもらったという。

 防衛省内には課長級以上の夫人が集まる親睦団体「美鳩会」があるが、幸子容疑者は守屋容疑者の出世に合わせ発言力が増し、守屋容疑者が次官時代は「女帝」として権勢をふるっていた。

 山田洋行関係者は「幸子容疑者は夫に輪をかけて宮崎容疑者にたかっていた。守屋容疑者は恐妻家だったので、何も言えなかったのだろう」と指摘している

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071128/crm0711281614031-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071128/crm0711281614031-n2.htm

 うーむ、「高級クラブに友人7、8人を連れてカラオケに興じ、請求書を山田洋行に送るようクラブオーナーに指示」ですか。

 「きょうはふぐを食べに行きましょう」ですか。

 「フランス製の化粧品やアクセサリーの名前を挙げ、「ほしいのよねえ」と冗談交じりに語りかけ」ですか。

 ・・・

 ホント、ウラヤマシイ(爆)

 ・・・(汗

 失礼いたしました。



ヒエラルキー打倒を叫ぶも、やっぱウラヤマシイなあ(爆)

 しかしなあ、この幸子容疑者、課長級以上の夫人が集まる親睦団体「美鳩会」で守屋容疑者が次官時代は「女帝」として権勢をふるっていたそうですが、どうなんでしょうねえ、やはり防衛省、階級社会の典型でもあり、奥方連中にもこんな「美鳩会」なんちゅう浅はかなエリート臭プンプンのヒエアルキー構造ができちゃうんでありましょうか。

 記事にも「幸子容疑者は守屋容疑者の出世に合わせ発言力が増し」とありますので、夫の階級がそのまま「美鳩会」における奥様方の序列を決定付けていたのでしょうか。

 「美鳩会」っていうハト派っぽい平和主義的名前と、高級クラブでつけ回しやらのオヤジ遊びのギャップがなんか笑えるのではありますが、防衛省幹部ではだんなだけじゃなく奥さん連中にも、こんな腐った輩がのさばっていたってのは実にいやな感じですわな。

 本件は前防衛事務次官である守屋武昌容疑者(63)の責任が第一に問われているのは論を待ちませんし、奥さんの尋常ならざるはめのはずし方を制御できなかったという意味でも夫として失格でありましょう。

 しかしながら、記事にある山田洋行関係者の「幸子容疑者は夫に輪をかけて宮崎容疑者にたかっていた。守屋容疑者は恐妻家だったので、何も言えなかったのだろう」発言でもあるとおり「守屋容疑者は恐妻家」であったとしても、この常軌逸した「おねだり妻」幸子容疑者の醜態は、「身分なき共犯」として夫とともに逮捕されるのも仕方ないでしょうねえ。

 過剰なゴルフ接待にすし、中華、フレンチ、イタリアン、ふぐ、高級クラブでつけ回し、ブランド品のプレゼント・・・

 『権力は腐敗する、絶対権力は絶対に腐敗する』

 昔のサヨクのごとく「ヒエアルキー打倒」などと唱えるご時世ではないですし、「美鳩会」なる課長級以上の夫人が集まる親睦団体が、打倒すべきヒエアルキーなのかそんなもの打倒するに値するほどの「絶対権力」など有してもなかったのでしょうが、そんな閉ざされた集団の中で、「女帝」として権勢をふるっていたのだとすれば、この幸子容疑者も所詮その程度の器の人物だったってことですかね。

 ・・・

 しかしなあ、常軌逸した「おねだり妻」と「美鳩会」にヒエラルキー打倒を叫ぶも、やっぱウラヤマシイなあと思ってしまうダメオヤジ木走なのであります(爆)

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 ・・・

 私も一度でいいから高級クラブで接待されたいなあ(ボソ



(木走まさみず)