木走日記

場末の時事評論

お下品な朝日の世論調査からこの国の政権交代サイクルは異常に速すぎる事実を憂いてみるの巻

●首相は辞任を―47%、続けてほしい―40%〜お下品な朝日新聞一面トップ記事から

 今日(1日)の朝日新聞一面トップ記事から。

首相は辞任を―47%、続けてほしい―40% 本社調査
2007年08月01日00時09分

 参院選での自民大敗を受け、朝日新聞社が30日夕から31日夜にかけて実施した緊急の全国世論調査(電話)で、安倍首相の進退について「辞めるべきだ」は47%で、「続けてほしい」の40%を上回り、続投を表明した首相に対して厳しい見方が示された。安倍内閣の支持率は26%(前回=21、22日=30%)と、昨年9月の発足以来最低。不支持は60%(同56%)と初めて6割台となった。政党支持率は民主が34%と自民の21%を大きく上回り、選挙結果を反映した形となった。

 今回の選挙結果を「よかった」と思う人は68%で、肯定的な受け止めが多い。「そうは思わない」は18%。自民支持層でも「よかった」がほぼ4割にのぼり、肯定的な見方が少なくない。

 自民の大敗について、原因が「安倍首相にある」と答えた人は34%、「そうは思わない」は59%。自民が議席を減らした一番大きな理由を三つの選択肢を挙げて聞くと「年金の問題」44%、「大臣の不祥事」38%、「格差の問題」12%の順だった。最大の争点とされた年金だけでなく、閣僚の「政治とカネ」の問題や失言も大きく影響したことがうかがえる。

 選挙後に安倍首相が「基本路線は多くの国民に理解されている」と述べたことに対しては、「納得しない」が62%で、「納得する」の26%を大きく上回り、首相と有権者の認識のずれが目立つ。経済成長重視の改革路線については、「賛成」36%に対し、「反対」が43%とやや多かった。

 一方、民主が議席を増やした理由では、「自民に問題がある」が81%に達した。「政策に期待できる」は9%、「小沢代表がよい」は4%にすぎない。民主そのものへの評価というより、自民に対する批判の受け皿として議席を伸ばした面が強いといえそうだ。

 民主に何を期待するかでは、「与党の政策を改めさせる」が37%と多く、「政権交代を実現する」は25%、「期待していない」は33%だった。

 衆院の解散・総選挙の時期を聞くと、「急ぐ必要はない」という人が54%と半数を超えた。「できるだけ早く」は39%で04年の前回参院選直後の42%をやや下回った。

 自民、民主以外の政党支持率は、公明5%、共産3%、社民2%、国民新1%など。
http://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY200707310522.html

 連日の社説でも感情むき出しで「安倍やめろ」と連呼し、どうしても安倍さんを降ろしたい朝日新聞なのでしたが、姑息(苦笑)にも自民大敗の結果を受けた直後に、安倍さんやめるべきかどうかという緊急世論調査をやってのけて、結果を1面トップで報じてきたのです。

 この当たりの朝日の大人げなさは、私は決して嫌いではありません(苦笑

 しかし、つくづくお下品なメディアだなあ・・・

 日本のメディアもそろそろ、アメリカのように選挙の時、支持政党を明言してはどうですかね、ヘタに不偏不党ぶったって、もうこれじゃあねえ、誰が見たって朝日の感情的安倍嫌いはミエミエなんでありますし、「私たちは安倍政権が大嫌いです」って宣言したほうがよほど素直でよいです。

 そのほうが読者にも親切ってもんですよね、反安倍朝日記事という冷静な心でこういう世論調査記事も眺めれますからね、メディア・リテラシーっていう意味で。

 ・・・

 ふう。

 それはさておき、この結果ですが、朝日には申し訳ないですが、「首相は辞任を―47%」という数値よりも「首相は続けてほしい―40%」のほうが私には大きな数字に見えました。

 今回の選挙結果を「よかった」と思う人は68%で、肯定的な受け止めが大半の中で、安倍首相は続けてほしいが4割の国民が考えているわけで、首相は辞任をという意見と拮抗しているわけですよね。

 この当たり、私には日本の民意の健全性に見えてほっといたしますです。



●この国の政権交代サイクルは異常に速すぎる

 今回の参議院選挙でありますが、あくまでも「政権信任選挙」であって、「政権選択選挙」ではなかったのは明らかです。

 有権者民主党政権担当能力があると認めたわけではありません。

 上記朝日の世論調査においても、民主が議席を増やした理由では、「自民に問題がある」が81%に達したのではありますが、民主に何を期待するかでは、「与党の政策を改めさせる」が37%と多く、「政権交代を実現する」はわずか25%、「期待していない」は33%であります。

 「小沢代表がよい」は4%にすぎません(苦笑

 朝日は二言目には選挙時に安倍さんが「私を選ぶのか小沢さんを選ぶのか」と有権者に言ってたじゃないかと批判していますが、多くの国民はそんなことこだわってはいないのであります。

 ・・・

 戦後62年で我らが安倍首相はのべ29番目の首相であります。

 単純に割り算すれば平均2.14年の短命なのが我が日本国総理大臣の内閣なのであります

■[政治]28人の戦後歴代首相の在任期間と辞任理由を徹底検証 より引用

■表1:戦後歴代内閣一覧表

No 内閣名 在任期間
01 東久邇宮稔彦王内閣 (昭和20年8月17日〜昭和20年10月9日)
02 幣原喜重郎内閣 (昭和20年10月9日〜昭和21年5月22日)
03 吉田 茂内閣 (昭和21年5月22日〜昭和22年5月24日)
04 片山 哲内閣 (昭和22年5月24日〜昭和23年3月10日)
05 芦田 均内閣 (昭和23年3月10日〜昭和23年10月15日)
06 吉田 茂内閣 (昭和23年10月15日〜昭和29年12月10日)
07 鳩山一郎内閣 (昭和29年12月10日〜昭和31年12月23日)
08 石橋湛山内閣 (昭和31年12月23日〜昭和32年2月25日)
09 岸 信介内閣 (昭和32年2月25日〜昭和35年7月19日)
10 池田勇人内閣 (昭和35年7月19日〜昭和39年11月9日)
11 佐藤榮作内閣 (昭和39年11月9日〜昭和47年7月7日)
12 田中角榮内閣 (昭和47年7月7日〜昭和49年12月9日)
13 三木武夫内閣 (昭和49年12月9日〜昭和51年12月24日)
14 福田赳夫内閣 (昭和51年12月24日〜昭和53年12月7日)
15 大平正芳内閣 (昭和53年12月7日〜昭和55年7月17日)
16 鈴木善幸内閣 (昭和55年7月17日〜昭和57年11月27日)
17 中曽根康弘内閣 (昭和57年11月27日〜昭和62年11月6日)
18 竹下 登内閣 (昭和62年11月6日〜平成元年6月3日)
19 宇野宗佑内閣 (平成元年6月3日〜平成元年8月10日)
20 海部俊樹内閣 (平成元年8月10日〜平成3年11月5日)
21 宮澤喜一内閣 (平成3年11月5日〜平成5年8月9日)
22 細川護煕内閣 (平成5年8月9日〜6年4月28日)
23 羽田 孜内閣 (平成6年4月28日〜6年6月30日)
24 村山富市内閣 (平成6年6月30日〜8年1月11日)
25 橋本龍太郎内閣 (平成8年1月11日〜平成10年7月30日)
26 小渕恵三内閣 (平成10年7月30日〜平成12年4月5日)
27 森 喜朗内閣 (平成12年4月5日〜平成13年4月26日)
28 小泉純一郎内閣 (平成13年4月26日〜平成18年9月26日)

注意:吉田茂氏は返り咲きがあるので第一次と第二次で2回カウントされています。

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20070724/1185272212

 私の持論ですが、これからの日本国総理大臣は最低でも4年は任期を全うすべきであると強く思っております。

 諸外国と比し、平均寿命が2.14年という日本の政権の短命ぶりが突出しており、これでは国際政治において発言権を確立することなどできないのであります。

 国内政策においても、2年で降板してちゃ、中期的な政策課題をこなすことなんかまず無理ですし、熟達した成熟した政治手腕を発揮する時間などないのであります。

 私は日本の政治における悪しき官僚支配の原因のひとつには間違いなく、このコロコロかわるハムスター並の政権の短命に一因があると思っています。

 首相が平均2年の短命なら、今回もそうですがその間に何回も内閣改造などしちゃってますから、各大臣なんか恐らく平均1年とかの寿命なんではないでしょうか。

 日本の大臣よ、お前は虫か(爆

 ・・・(汗

 失礼しました。

 過去の自民党政権の大臣乱発ぶりはほんとうに情けないのであります、これは全く国益に反しています。

 日本国のために総理大臣は簡単には辞任すべきではないと主張しているのであります。
 別に安倍政権だから擁護しているわけではなく、たとえ民主党政権が誕生しても私は同じことを主張することでしょう。

 日本国の政権交代サイクルは異常に速すぎることをそろそろ朝日新聞はじめメディアも国民も自覚すべきであります。

 今回はお下品な朝日の世論調査からこの国の政権交代サイクルは異常に速すぎる事実を憂いてみるの巻でした。

 ジャンジャン。



(木走まさみず)