木走日記

場末の時事評論

憂鬱な月曜日〜アジアの『龍』にはかないません

 今日の東京は朝から雨であります。だいたい月曜日というものはただでさえ、これからまた一週間仕事しなければと考えてしまいゆううつなのでありますが、木走としては、今週は年度末に収めなければならない案件が2つ重なっていることもあり、特にゆううつなのであります。

 まあ、反省すべきは、それぞれの職場で一生懸命働いてらっしゃる全国の勤労者のみなさまにくらべるとIT業などというやくざな商売でありますから、それなりに自由にやらさせていただいてはおるのですが・・・

 ふう。

 それにしても、日本が経済的に元気が無くなって久しいのですが、月曜日が憂鬱な人の割合はすごく増えているのではないでしょうかねえ。こんなの統計取ったわけではないですが・・・

 きっとこの国の人は月曜からみんなばりばり働いているのだろう記事から。

中国民間団体:日本の常任理事国入り反対広告 米紙掲載へ
 27日付の中国紙、新京報によると、米ニューヨーク在住の中国人らでつくる民間団体が、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに反対する全面広告を今年9月に開催される国連総会の特別首脳会合直前にニューヨーク・タイムズ紙に掲載する計画を立てていることを明らかにした。

 広告は「戦後60年たった今も歴史問題で罪を認めず、賠償しようとしない国家に常任理事国入りする資格はない」などと批判する予定。

 計画を進めているメンバーの一人は、広告掲載費が8万ドル(約850万円)に上るとの見通しを示した上で「資金集めは簡単だ。既に各地から協力を訴える声が届いており、すべての中国人は日本の動きに注意を払うべきだ」と呼び掛けている。(北京・共同)

毎日新聞 2005年3月28日 9時52分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20050328k0000e030008000c.html

なんかもう勢いに負けそうですよねえ。中国とかインドとかどんどん台頭してきていて、これからのアジアの牽引役はまちがいなく、彼等なのでしょう。

アジアの『龍』とアジアの『象』に関しては、こんな記事から。

中国マスコミスキャン〜「龍と象」 中国とインドの新しい関係を探る 2005/03/25


 21世紀の世界経済の主役に期待されている中国とインド。この両者の比較研究が欧米の経済学界では注目テーマになりつつある。当事者の一方である中国も、遅ればせながら、動き出したようだ。

相手を知らない甘さ

 『北京晨報』(3月11日付)の記事は、米紙「THE CHRISTIAN SCIENCE MONITOR」(2月3日付)の記事「Enter the dragon, but beware the elephant(龍<中国>へ進出しよう、だが象<インド>にも注意)」を引用し、「欧米の経済学界とマスコミは、中国とインドを“龍と象”に喩え、両者の発展と関係に高い関心を持っており、比較研究や関連報道が熱を帯び始めている」と述べた。

 一方、「中国の名門大学と政府のシンクタンクを一通り訪ねたところ、インド経済を専門とする研究者が実に少ないことが分かった」「一般国民のインドに関する知識は、まだ80年代に中国で流行ったミュージカル映画のイメージのままである」と指摘し、自国の「競争・共存の相手に対する無知」に危機感をにじませた(同)。

 インドに関して、中国メディアがまったく関心を持たなかったわけではない。例えば、中国の国際情報紙『参考消息』は昨年10月、中国とインドの経済展望について、モルガン・スタンレーのチーフ・エコノミストStephen Roach氏にインタビューをした。当時、同紙は「インドの国民貯蓄率は24%で、中国の40%の半分余りに過ぎない。インフラ整備の遅れも深刻である。対内直接投資は2004年の時点で40億ドルに過ぎず、中国をはるかに下回っている。製造業の発展に関していえば、中国はインドに10〜15年先行していると考えられる」というRoach氏の分析を伝え、「今後20年、インドは中国を追い抜けない」という見出しで、中国の優勢を強調した。

インドを見直す

 半年後、中国メディアは違う読み方をしている。中国の発展方式にない、インドモデルの強みが重視されているのだ。

 中国誌『経済』Web版(3月21日付)は、『中国がインドに学ぶべきこと』と題する記事を掲載し、ここ2年英語メディアで発表されたインド研究の情報とデータをまとめて紹介しながら、「製造業中心の中国モデルとサービス産業主体のインドモデル。一体どちらが持続可能な発展に適応するだろうか」と問いかける。

 米誌『Foreign Policy』137号に、「Can India overtake China? (インドは中国を追い越すことが出来るか?)」と題する記事が掲載された。著者・インド出身のTarun Khanna教授(ハーバード大)と中国出身のHuang Yasheng教授(M.I.T)は、インドの金融・法律制度は中国より成熟しており、「ボトム・アップ型」インド起業育成モデルは強力な経済原動力になることを指摘する。海外直接投資(FDI)に頼る中国の政治・立法体制が変わらない限り、インドに追い抜かれる可能性が十分にあるとの見解を示した。この記事を中国国営の対外通信社・中国新聞社が転載した。

 香港科技大学の丁学良教授も、似た見方を示している。「インフラなどの“ハード面”では中国が先を取っているが、IT技術だけでなく、広い意味の制度・文化を含める“ソフト面”ではインドが優勢を保っている。長期的に見れば、ソフト面の強い国はスタミナがある」という丁氏の分析を、『新浪財経』Web版(3月17日付)は伝えた。

 「長い目で見ると、『中国製造』は『インドサービス』に劣り、『世界の工場』が『世界のオフィス』に敵わない日が来るかもしれない」と危機感のある書き込みがインターネットで流れているという。

共存を模索する

 中国とインドは、世界1位と2位を占める人口大国で、お互いに資源獲得の国家戦略を強力に推進している。AFP通信によると、インドと中国が西アフリカのアンゴラや、ロシア、スーダンベネズエラなどで油田の権益獲得競争を展開している。

 一方で、両国間で“共存”を模索する動きも生まれている。『産経新聞』(3月10日付)の記事によると、インド石油ガス公社(ONGC)のラハ会長は「(エネルギーをめぐり)インドと中国が対立を繰り返しているが、このまま激しい獲得競争を続けていくのは現実的ではない」と両国とも協力を模索する必要に迫られている面を指摘する。

 2003年6月、インドのバジパイ首相が10年ぶりに中国を訪問し、両国が『中印関係の原則と全面協力についての宣言』を発表し、IT分野の提携協力で合意した。

 中国の温家宝首相は近くインドを訪問する見通しで、シン首相との首脳会談ではエネルギー分野の協力問題などが主要な議題となるもようだ。

 韓国メディアも、この動きを敏感に捉えている。『東亜日報』(3月15日付)は「龍虎握手」という見出しで、次のように述べている――

 「インドはもはや図体だけ大きな象ではなく、虎だ。(中略)情報技術者のテクノ・クーリー(cooly)と『世界の工場』をつなげるために、龍と虎が手を結んだのだ。『龍虎相打つ』ではない『龍虎の握手』から韓国が学ぶことは、開放と規制改革だけではないはずだ。出産と教育が、核兵器よりも強い人間兵器の開発であることも忘れてはならない」

(曾理)

インターネット新聞JANJAN より
http://www.janjan.jp/media/0503/0503244915/1.php

いつもながら、この曾理記者の記事は参考になります。

 今世紀中にも人口で中国を抜くと言われているインドですが、対人口比では、資源小国であり、資源輸入国になって久しい中国とともに、世界規模で化石燃料を中心に需給バランスを中期的に乱す圧迫要因となることが危惧されています、すでにその影響は出始めてもいるようです。。

 先のスマトラ沖地震による津波被害でインドの原発が被害を受けて停止したのは記憶に新しいですが、両国の原発建設の動きも見逃せません。今後50年間で新規に建設される予定の大半がこの両国によるものであり、それぞれが逼迫したエネルギー問題を抱えているのです。

 その意味で記事に書かれている、今後両国が資源開発等で協調するのはよいことではありましょう。

 自国をよく『虎』にたとえる韓国がインドのことを『虎』と見なすことは、インドの台頭がもはやアジア経済において無視できないことを象徴的に示しているようです。

 『龍』と『象』、そして『虎』、これからのアジア経済を牽引するのは間違いなくこれらの諸国なのでありましょう。

 いいなあ、元気よくって・・・

 かたや、ふがいないのは経済沈滞、国家財政破綻で長期不況の我が日本であります。

 この国は何にたとえればいいのやら、こっくりこっくり居眠り好きの『たぬき』あたりか・・・

 『龍』と『象』と『虎』と居眠り『たぬき』。

 ふう。

 なんか、ますます憂鬱な雨の月曜日なのでした。



(木走まさみず)