木走日記

場末の時事評論

こんな政治家特権が許されてよいはずがない〜選挙民をさておき自分大切とばかり即入院してしまった石原伸晃氏

さて石原伸晃氏であります。

自民党石原伸晃元幹事長が新型コロナウイルスに感染したと、石原氏の事務所が22日明らかにしました。国会議員の新型コロナ感染が確認されるのは9人目で、派閥領袖(りょうしゅう)では初めて。

報道によれば、石原氏は21日夕、東京都内の病院でPCR検査を受け、22日午後に陽性と判明。不整脈があることを理由に即日入院いたしました。体調は良好で発熱などの症状はない、無症状だということであります。

石原氏は21日昼、国会近くの派閥事務所で開催した派閥例会に出席した後、坂本哲志地方創生担当相と野田毅自治相の3人で都内のレストランの個室で昼食を取っていました。

(関連記事)
自民・石原伸晃元幹事長が新型コロナ感染 派閥領袖で初めて
https://mainichi.jp/articles/20210122/k00/00m/040/230000c

ふたつ指摘しておきます、まず一点目。

二度目の緊急事態宣言のもと、自民党政権が国民に強く会食ダメ出しを要請しているさ中に、堂々と会食を繰り返していた派閥リーダーなのです。

知り合いからすすめられてPCR検査を受けたと報道されていますが、おそらく繰り返された会食の中で参加者に陽性者が出たのかもしれません。

挙句のはての陽性反応です。

政治家として全く無責任極まります。

ネット上では「あれだけ会食ダメといっておきながら自分たちだけは特権かよ」などの批判の声が溢れています。

また、自民党関係者からも「昼食時に弁当を配るのもやめて、夜だけでなく昼の会食も控えるよう申し合わせしていたのに派閥の会長がやってどういうことなのか。」と、さすがに突き放す発言が漏れてきます。

より有り得ないのが、二点目。

自業自得とも言える振る舞いの結果PCR検査が陽性になると、無症状にも関わらず即行で翌日入院するのです。

石原氏の地元選挙区である東京都の国民にとって「惨状」とも表現されている医療状況を、この政治家には何も見えていないようです、場の空気を読むより自分が優先なのです。

今東京都では、医療が逼迫、石原氏と同様の不整脈などの基礎疾患を抱えている感染者も多くが入院先が見つからず自宅療養を余儀なくされています。

東京都は20日、80代と60代の男性2人が自宅療養中に死亡したと明らかにしています。

80代男性は15日に陽性と判明。糖尿病の基礎疾患はあったが、無症状だったため自宅療養とされます、しかし17日夕に体調が急変、同日死亡します。
一方、60代男性は16日に陽性と診察を受けます。腎臓、心臓に疾患があり、受け入れ先の医療機関を探すも直ぐに見つかりませんでした。

38度台の熱があったものの、救急搬送するような状態ではないと判断され、しかし、19日午後に自宅で倒れているのが発見され、搬送先で死亡しました。

石原氏同様、基礎疾患があるも入院したくも入院先がなかなか見つからず自宅療養を強いられ死亡者が出ているわけです。

ましてや現在無症状の石原氏とは違い、38度台の発熱があっても入院が間に合わず死亡した例も出ているわけです。

(関連記事)
<新型コロナ>東京で自宅療養の2人が死亡 60代男性は腎臓、心臓に疾患「2日間入院先見つからず」
2021年1月20日 22時38分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/81075

90代男性の件では、東京都は「チャートの目安では入院相当かもしれないが、症状、家族と暮らしていることを総合的に勘案し、自宅療養になったと思う」としています。

これらのケースは「(本来は)チャートの目安では入院相当」と、東京都も認めていますが、本来入院する必要のある感染者が何日も入院できないケースが続出しているわけです。

石原氏は無症状にも関わらず、検査翌日即入院ができています。

これは有り得ません。

これにはネットからも「お前は上級市民か」と批判が起こっています。

(関連記事)
コロナ感染・石原伸晃氏に「上級国民」批判 〝禁〟破り会食、即入院
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc66e2308e4e279d39f43258431e987b133e2c9a

多くの選挙民が会食ダメ出しを要請され、また基礎疾患を有する選挙民が感染しても入院すらままならない危機的状況にある中で、

会食を繰り返し、自業自得の挙句に陽性が判明したならば、選挙民をさておき自分大切とばかり即入院してしまった石原伸晃氏なのであります。

こんな政治家特権が許されてよいはずはありません。
ため息しか出ません。

この人は派閥の領袖(リーダー)としての資質、いや政治家としての資質に大きな問題を抱えていると、私は判断せざるを得ません。

相変わらず、自分の問題行動を客観評価できない、周囲の空気がまったく読めない人間なのです。



(木走まさみず)