木走日記

場末の時事評論

突然のgoogle障害で全国のオンライン授業中の大学生が受難の巻

今回は小ネタです。

昨日(1月22日金曜日)午前に教育現場で発生したトラブルについて、一般の読者にご紹介いたしましょう。

このコロナ禍でほとんどの大学でオンライン授業が実施されているわけですが、私が所属している工学系の学部でも多くの科目がオンライン授業となっております。
基本ツールとしては、テレワークなどで使われているズームで授業はリアルタイムに進行します。

私の担当科目の場合、学生20名ほどに講義をいたしますが、基本学生にはミュート(音をOFF)にしてもらい、質問等はチャットで受け付けます。

教員の手元には卓上の「書画カメラ」があり、教員自身を写したり、テキストを写したり、あるいは白紙に手書きしているところをリアルに配信できます。

で、教員側はオンライン授業をどこからでも配信可能です。

講師の自宅からでも、法人に属している講師ならオフィスからでも、ネット環境がしっかりあれば、わざわざ教室に出向かなくてもいいわけですね。

私の属する学部でも許可されれば在宅で授業している講師も少なからずおりますが、原則としては教室に出向いてオンライン授業を実施しているのが大半であります。

理由は二つありまして、やはりネット環境や機器などが充実していることと、もうひとつ大切な理由は、家庭のネット環境が弱いなどの事情でオンライン授業に参加できない学生に、教室で対面授業を受けれるように配慮しているわけです。

実際私がオンライン授業を行う教室の風景をご紹介。

■オンライン授業風景1
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※撮影:木走まさみず

対面授業で教室で授業に参加する学生のために、ホワイトボードにプロジェクタで授業内容を投影しているわけですが、全員がオンライン参加で教室に学生が一人もこないことも多々あります。

どうでしょう、この風景、講師はかなり孤独です、たそがれて(苦笑)います。

角度を変えるとこんな感じです。

■オンライン授業風景2
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※撮影:木走まさみず

教卓周辺には、ノートPCを中心に作業用モニタ、プロジェクタ、書画カメラ、マイクなどが配置されています。

さて、こんな環境でズームを利用してオンラインで授業を実施しているわけですが、多くの大学ではズームだけでなく、グーグルドライブのクラスルームという教育現場用のサービスを併用しています。

Google Classroomは文字通りネット上に仮想のクラスルームを構築できます。

そのクラスルームに入室すれば、グーグルが提供する共有スペースがあり、教員はそこに学生に配布したい課題や資料をアップロードできます。

学生はクラスルームに入室して、必要なファイルをダウンロードできるわけです。

逆に学生側からも作成した課題やレポートをクラスルームに入室して提出(アップロード)することができます。

よくできたツールで課題ごとに提出期限も設定できるし提出率なども教員側からはリアルに情報を得ることができます。

さて前振りが長かったですが、ここから昨日(1月22日金曜日)午前に教育現場で発生したトラブルについて、一般の読者にご紹介いたしましょう。

さて1限目(9:00〜)からオンライン授業を実施していた私は、今週の課題をアップロードし、かつ先週出題した今日締切の課題提出状況を確認しようと、Google Classroomにアクセスし自分の教室に入室しようとしたのですが・・・

アクセスが拒否されてしまいます。

何どもトライしましたが、サーバエラーが表示され、クラスルームに入室できません。

今週の課題を学生に配布できないと大いにあせる私なのですが、私よりも焦ったのが学生たちです。

チャットで「今日締切の課題レポートが提出できません」「どうすればいいですか」と悲痛な声が続々届きます。

取り敢えずズームは障害なく動きますので、オンライン授業は進行しつつ、私はネットで必死に何が起こっているのか情報収集しました。

やはり広範囲でGoogleで障害が発生しているようでした。

以下のサイトで昨日の9;00〜12:00に障害報告が突出していることが確認できます。

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https://downdetector.jp/shougai/google/

さらに調べれば全国の大学でオンライン授業中の多くの学生の悲痛な叫びリアルタイムに飛び交っていました。

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https://search.yahoo.co.jp/realtime/search/Google%E9%9A%9C%E5%AE%B3/

ううーむ、「Google障害で授業資料と課題提出できねぇ」と、全国の大学で多くの学生がこの障害に巻き込まれてしまったようです。

おそらく学生の親御さんでしょうか、このささやきが印象的でした。

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結局、この障害はお昼ごろ解消されたようですが、結局私は本日締切の課題を翌週まで締切を伸ばすことで学生を救済いたしました。

本件を読者のみなさんにご紹介したのは、別にGoogleを責める目的ではありません。

実際の日本全国のオンライン授業が、いくつかの民間企業の技術に完全に依存しているこの実態をご理解頂きたかったのです。

そういえば昨年の夏アメリカで、ズームのサービス障害が発生し、多くの大学や高校がズームが復旧するまで授業を中止または延期に追い込まれました。

(関連記事)
Zoom障害でオンライン授業に支障 「全部Zoomのせい」で本当によいのか?
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2009/29/news01.html

今回は我が国のオンライン授業の現状を、昨日(1月22日金曜日)午前に教育現場で発生したトラブルなどを通じて、一般読者にご紹介いたしました。

「突然のgoogle障害で全国のオンライン授業中の大学生が受難の巻」でした。



(木走まさみず)