木走日記

場末の時事評論

安倍前首相「仮病説」に反論する~個人的所感だが心情的に「仮病」に使うようなやわな病気ではない

小ネタです。

メディアが安倍前首相、「多い会食機会」の不自然で「仮病説」と報じています。

NEWSポストセブン
2020年09月18日 09:18 (配信日時 09月18日 07:05)
安倍前首相、「多い会食機会」の不自然 仮病説も流れる
https://blogos.com/outline/485486/

記事によれば安倍首相は最近「コース料理を食べてワインまで飲んでいた」と指摘しています。

「辞任を決めて吹っ切れたのでしょうか。すっかり元気を取り戻していますよ。9月11日には、谷口(智彦内閣官房参与)さんや鈴木(浩外務審議官)さんたち外務省関係者を呼んで慰労会を開き、コース料理を食べてワインまで飲んでいた」

記事は「普通に会食できるなら、職務は続けられるのではないか」と疑問を呈します。

「また国の首脳が職務を投げ出さざるを得ない重病が、なぜこうも簡単にマスコミに漏れてきたのか。それ自体、異常というほかない。」と結ばれています。

 むろん調子のいいときも悪いときもあるだろう。半面、普通に会食できるなら、職務は続けられるのではないか。また国の首脳が職務を投げ出さざるを得ない重病が、なぜこうも簡単にマスコミに漏れてきたのか。それ自体、異常というほかない。

潰瘍性大腸炎」という難病で第一次安倍政権時わずか1年で辞任し、今回も同じ持病が悪化しつつあること理由に7年8ヵ月の長期政権を辞任したわけですが、辞任表明したら急に元気が出てきて「コース料理を食べてワインまで飲んでいた」安倍首相なのであります、メディアは、そんな元気いっぱいの安倍さんを見て「仮病」だったんじゃないのか?と疑っているわけです。

私は安倍さんは仮病などしていないのではないかと思っています。

私事で恐縮ですが、実は私もストレス性過敏性腸症候群という持病を大腸に持っていまして、日常生活でも生活の質(QOL)を著しく損なうほど苦労をしています。

原因は不明で血液検査や内視鏡検査でも異常は見つからず、ストレスで症状が悪化することから心身症の一つと診断されていますが、過敏性腸症候群を発症する原因は、はっきりとはわかっていません。

ただ最近の研究では、何らかのストレスが加わると、ストレスホルモンが脳下垂体から放出され、その刺激で腸の動きがおかしくなり、過敏性腸症候群の症状が出るといわれています。

私の場合、大学で講師をしておりますが、板書を伴う一コマ(90分)の授業では、体調が悪いと90分間立ち続けることができません。

放っておくと猛烈な腹痛が波のように押し寄せる感じになり、何も手を付けれず授業どころではなくなってしまうのです。

ひどいときには10分おきにトイレに駆け込みます。

健常者の人に説明するのが難しいのですが、猛烈な下痢のような腹痛が絶え間なく続き、トイレに駆け込みますが、便はほとんど出ず、血便や腸内の体液のような液状物が出るだけです。

体調の悪いこんなときは永久に続くと思われる便意との格闘で、本当に気力も体力も失せていくのでした。

仕事どころではないのです。

そこで私は授業のある日の前日に、食事を断つことで症状を起こす元である便そのものを、授業のある日に発生させないことで、授業中に症状が悪化することを防いでいます。

効果があるので今も実践しています。

こんなことをしていると当然痩せていきます。

しかしこの病気が誤解を受けやすいのは体調がいいときは、基本的に胃など大腸から上の消化器系は健康そのものですから、食欲はあるわけです。

私もステーキを食したりうな重をいただいたりするのは大好きで、家族で焼肉屋さんに出かけてビールを飲み飲みカルビやロースなど何人前もいただいて最後にビビンバでしめることもあります。

これはもちろん翌日に授業がない日に限られますが、ビールを飲んだり焼肉を食している私を見れば、誰が私がストレス性過敏性腸症候群であると信じましょう?

難儀なことであります。

症状に個人差も当然あるのでしょうから私の症状が基準にはならないかもしれませんが、日本国首相という大変な重職から解かれた安倍さんが、抱えてきたストレスから解放され潰瘍性大腸炎の症状が劇的に改善されたとしても、私は驚きません。

十分にあり得ると思います。

それにストレス性の大腸炎を一度経験した者からすれば、この地獄のような苦痛の病気を指して「仮病」することはありえないと確信します。

首相を辞めるために元気なのに「仮病」をしたのではなく、辞めたらストレスから解放され、病気だったことが嘘のように快方に向かった、ということでないでしょうか。

同じ病気を持つものとして、潰瘍性大腸炎などストレス性腸症候群で「仮病」など、考えられないのであります。

あくまで私の個人的所感でありますが、あの激痛は一生忘れることはできません、心情的に「仮病」に使うようなやわな病気ではないのであります。



(木走まさみず)