木走日記

場末の時事評論

安倍首相緊急退任表明、日本の保守政治にとって大きな痛手〜この国の外交・安全保障政策は、また長期の停滞を余儀なくされる

驚きました。

14時06分NHKが速報を報じています、「安倍首相 辞任の意向固める 」です。

安倍首相 辞任の意向固める 持病が悪化したことなど理由に
2020年8月28日 14時06分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200828/k10012588071000.html

安倍総理大臣は、ことしの夏は、新型コロナウイルスへの対応などで、連日、総理大臣官邸に入り、執務にあたりました。

今月16日からは3日間夏休みを取り、都内の自宅で過ごしましたが、17日には東京・新宿区の慶応大学病院におよそ7時間半滞在して日帰りの検診を受けました。

この頃は一部報道で、移動時に足取りもおぼつかなくなり壁に手を添える場面なども確認されています。

1週間後の24日にも再び慶応大学病院を訪れ、およそ3時間半滞在したあと「17日の検査の結果を詳しくうかがい、追加的な検査を行います。

安倍総理大臣は、検査の結果、持病の「潰瘍性大腸炎」が悪化していることが分かったことなどから国政に支障が出る事態は避けたいとして、総理大臣を辞任する意向を固めました。

・・・

第1次政権とあわせた通算の在任期間は去年11月に憲政史上最長となっていて、今月24日には、連続の在任期間も2799日となり、歴代最長となっていました。

このタイミングでの安倍首相辞任表明であります。

さてこれからポスト安倍政局となり、次の自民党総裁をいつどうやって選ぶのか、あるいは衆議院解散はあるのか、新型コロナウイルス禍のもと、早くも日経平均株価が600円以上の値下がりです。

本日、午後5時の会見に着目いたしましょう。

前回(第一次安倍政権2007年)時の突然の病気退任、その際の「政権投げ出し」批判を非常に気にしていたと言います。

今回は十分な退任後善後策を図った上での、つまり退任までの政治日程を自ら提示し、国民の不安を払拭して、余裕を持っての退任表明を意識したのだと思います。

この異常時コロナ禍のもと、政治的空白は許されません。

それにしても、政治家としての悲願であった憲法改正を見ずしての病気を理由の緊急退任、誠に残念であります。

安倍首相に変わり国会において憲法改正発議までもっていく政治力を有する政治家は、自民党内を見渡しても皆無であります。これでこの国の外交・安全保障政策は、また長期の停滞を余儀なくされることでしょう。

安倍首相緊急退任表明、日本の保守政治にとって大きな痛手であります。



(木走まさみず)