木走日記

場末の時事評論

定年延長という「世紀の悪手」から、コロナ下での検察庁法改正案ドタバタのダメダメぶり〜どうも首相の周辺にイエスマンしかおらず、正しくリスク管理をしアドバイスする側近がいない気がする

さて、安倍政権は、検察庁法改正案について今国会成立は見送りの方向で調整に入ったようです。

(関連記事)
検察庁法改正案、今国会成立は見送りも 政府内で浮上
https://www.asahi.com/articles/ASN5L3QZGN5LULFA00C.html?iref=comtop_8_01

改正案は現在63歳の検察官の定年(検事総長は65歳)を段階的に65歳に引き上げることと、役職定年の導入が主な柱で、役職定年に、検事総長次長検事検事長は内閣が、検事正は法相が必要と判断すれば最長3年とどまれる特例が盛り込まれております。

この点が、政権が都合の良い幹部だけをポストにとどめる恣意(しい)的な運用ができる余地があるとの、一部メディアや野党から批判がありました。

ツイッター上で俳優や歌手ら著名人からも「#検察庁法改正案に抗議します」という投稿が相次いだほか、元検事総長を含む検察OBからも反対する意見書が15日に法務省に出されていました。

これですね、安倍政権の答弁や、ネットでも政権支持の論客の論説は、首相官邸の介入が取り沙汰される黒川弘務・東京高検検事長の定年延長は既に決定事項であり、本改正案とは関係ないと繰り返し主張していました。

しかし、この主張は筋が悪すぎて国民の支持を得ることはできないでしょう。

そもそもです、先の黒川弘務・東京高検検事長の定年延長こそが、世紀の悪手なのであり、国民が大きくのけぞってしまったところに、このコロナ惨禍のもとでの、別段急ぐ必要のない、「世紀の悪手」を事後に正当化しようという検察庁法改正案です。

直近の世論調査によれば、改正案に「賛成」は15%にとどまり、「反対」が64%であり、内閣支持層でも「反対」が48%で、「賛成」の27%を上回っています。

(関連記事)
検察庁法改正「反対」64%内閣支持率33% 朝日調査
2020年5月17日 21時19分
https://www.asahi.com/articles/ASN5K66V9N5HUZPS003.html?iref=sp_new_news_list_n

おまけに 安倍内閣の支持率は33%で、4月調査の41%から8ポイント下落したそうですが、さにあらんです。

当ブログは憲法改正賛成派であり、安倍政権支持を明言しています。

ぜひとも安倍政権のもとで憲法改正案を発議していただきたいと願っています。

そのうえでですが、先の黒川弘務・東京高検検事長の定年延長という「世紀の悪手」から、今回のコロナ下での検察庁法改正案のドタバタ(強行しようとしたら与論の反発にあい見送り)のダメダメぶりまで、こんなレベルまで正しいリスク管理ができていないのは、とても残念なことです。

当ブログはひと月前に「首相の側近にはリスク管理ができる賢者はいないのか?」とエントリーいたしました。

嗚呼、マリーアントワネット的浮き世離れの所業の安倍首相〜首相の側近にはリスク管理ができる賢者はいないのか?
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/04/15/170152

星野源さんの楽曲「うちで踊ろう」とともに首相がSNSに投稿した動画、これがネットで炎上、こうなると布マスク2枚配布も色が付いてしまうと指摘しました。

まず、星野源さんの楽曲「うちで踊ろう」とともにSNSに投稿した動画、これはいけませんでした。

(中略)

なんというか、「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」というマリー・アントワネット状態であります。

こうなると布マスク2枚配布という施策も、間の抜けた香ばしさを漂わせるから不思議なものです。

(中略)

SNS投稿動画にせよ側近のアドバイスであることは間違いありません、布マスクと同様です。

首相の側近にはリスク管理ができる賢者はいないのか?

どうも首相の周辺にイエスマンしかおらず、正しくリスク管理をし首相にアドバイスする側近がいないような気がして、とても気掛かりです。



(木走まさみず)