木走日記

場末の時事評論

「我々が世界になった」全能感全開の神がかった韓国大統領〜どうかあやしい全能感に日本を巻き込まないで欲しいと願うだけ

今回は「K防疫」を取り上げたいと思います。

お隣の国、韓国が「K防疫」でわいています。

次の中央日報記事の抜粋をまずはご一読あれ。

(前略)

◆「ノウハウ伝授してほしい」殺到

新型コロナウイルス感染症新型肺炎)事態を契機に韓国に対する各国の「ラブコール」が殺到している。先月30日と今月2日、国内地域社会の新規感染者数「0」を記録した韓国とは違い、世界は依然として新型コロナで苦しんでいる。2日基準で世界の感染者数は329万2000人、死亡者は23万7000人を超えた。拡大傾向はなかなか収まっていない。特に米国、欧州、日本など先進国が感染病の猛威にもろくも崩れた。

韓経:BBCも産経も「韓国見直した」…「K防疫」好評記事5000件余り(1)
https://japanese.joins.com/JArticle/265554?servcode=A00§code=A00

BBC(英国)も産経(日本)も世界中のメディアが「K防疫」をたたえているという記事の中の一文なのですが、「米国、欧州、日本など先進国が感染病の猛威にもろくも崩れた」中で、「国内地域社会の新規感染者数「0」を記録した韓国」に各国の「ラブコール」が殺到しているというのです。

記事の結びのほうで、大学教授が「韓国が新型コロナ防疫経験共有などを通して外交の地平を広げていくべきだ」と、世界一の「K防疫」で国興しにつなげよと提言しています。

(前略)

◆「外交地平広げる好機」

(前略)

専門家は韓国が新型コロナ防疫経験共有などを通して外交の地平を広げていくべきだと助言する。韓東大学国際地域学科のパク・ウォンゴン教授は「これからは安保分野に劣らず防疫でもグローバル協力の需要が多くなる」としながら「韓国の影響力を拡大していく絶好のチャンスをわれわれ自ら作り出した」と話した。

(後略)

韓経:BBCも産経も「韓国見直した」…「K防疫」好評記事5000件余り(2)
https://japanese.joins.com/JArticle/265554?servcode=A00§code=A00

新型コロナウイルス対策で国際的評価を得た韓国で、その「K防疫」でこれから世界をリードしていこうというのです、いや世界のために国際貢献いただけるのならば、これはけっこうなことであります。

しかしここからの展開が、いかにも韓国らしい「色」がついてくるのです。

まず、日本に対しては日本が頭を下げない限り韓国からは協力はしないと居丈高です。

(関連記事)
安倍首相・茂木外相「コロナで韓国と協力したい」…韓国外交部「要請ない」
https://japanese.joins.com/JArticle/265520

記事のコア部分を抜粋。

最近、国内外のメディアでは、韓国側が日本にマスクや遺伝子増幅(PCR)方式診断キット支援を検討しているという内容が報道された。しかしこの当局者は「国内の事情に余裕ができしだい、要請国(日本)の状況を勘案しながら防疫物品の輸出、人道的支援など海外搬出を積極的に検討していく」とし「日本政府に対する政府レベルの支援を打診したことはなく、要請を受けたこともない」と述べた。日本政府が要請してこない限り、先に支援はしないということでもある。

「日本政府が要請してこない限り、先に支援はしない」のが韓国政府のスタンスなのだそうですが、記事タイトルがなんとも日本政府が韓国政府に媚を売っているように誘導していて不快です、日本政府は韓国だけでなく広く世界と協力していきたいと述べているに過ぎません。

さて鼻息の荒い韓国政府なのです。

嫌な予感が的中します、大統領が「我々が標準になり、我々が世界になった」と、神がかった勝利宣言をのたまうのでした。

(関連記事)
文大統領「我々が標準になり、我々が世界になった」
文大統領就任3周年特別演説
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/05/11/2020051180003.html

上記朝鮮日報記事より、文在寅ムン・ジェイン)大統領発言部分を抜粋。

「我々の目標は世界をリードする大韓民国

「防疫で世界をリードする国になり、『K防疫』は世界の標準になった」

大韓民国の国家的地位と国民的自負心はこれまでにもまして高まった」

「国民の力で防疫戦線を強固に死守し、ウイルスとの戦争に勝ってきた」

「我々は既に我々の防疫と保健医療体系が世界最高水準であることを確認した」

「世界をリードする確実な『防疫1等国家』になる」

「『既に我々は先進国』と言い始めた」

「我々が追いかけたいと思っていた国々が我々に学び始めた」

「我々が標準になり、我々が世界になった」

「今や大韓民国の偉大さを語り始めた」

うーむ、世界で一番早い韓国大統領による「ウイルスとの戦争に勝利宣言」なのであります。

『K防疫』は世界の標準とか、世界をリードする確実な『防疫1等国家』とか、国民の力で防疫戦線を強固に死守とか、なにやら少し軍国主義的言い回しが鼻につくのですが、「我々が標準になり、我々が世界になった」という結論には、神がかった全能感が全開であります。

全能感は心理学用語で、「自分が何でもできる」という感覚を意味する語で、特に、子どもの発達段階において、しばしば見られる現象であります。

ときに自身の能力を過大評価してこの感覚を持つことによって、対人関係などに問題が生じる場合もあるので注意が必要です。

「我々が追いかけたいと思っていた国々が我々に学び始めた」

「我々が標準になり、我々が世界になった」

「今や大韓民国の偉大さを語り始めた」

神がかった全能感が全開です。

なんだかなあ、少しついていけないのです。

『K防疫』により「我々が標準になり、我々が世界になった」と新型コロナウイルスに対する勝利宣言をする韓国大統領なのであります。

読者のみなさん。

このお隣の国の国家的規模のあやしい全能感に、日本を巻き込まないで欲しいなあ、と願うのは私だけでしょうか。



(木走まさみず)