木走日記

場末の時事評論

嗚呼、マリーアントワネット的浮き世離れの所業の安倍首相〜首相の側近にはリスク管理ができる賢者はいないのか?

朝日新聞が「首相の発信 国民に届いているか」とのタイトルの社説を掲げています。

(社説)首相の発信 国民に届いているか
https://www.asahi.com/articles/DA3S14441758.html?iref=pc_rensai_long_16_article

社説は冒頭、「安倍首相が緊急事態を宣言してから1週間」、「首相から、心に届くメッセージがこの間あっただろうか」と問いかけます。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍首相が緊急事態を宣言してから1週間。多くの人々が、これまで当たり前だった日常を失うなか、国民のいのちと暮らしに重い責任を負う首相から、心に届くメッセージがこの間あっただろうか。

「国民への発信を含め、担当の西村康稔経済再生相に丸投げしている」と批判します。

 首相は宣言当日こそ、記者会見を開き、テレビ番組にも出演して外出自粛の呼びかけなどを行った。しかし、その後は、国民への発信を含め、担当の西村康稔経済再生相に丸投げしているように見える。休業要請をめぐり、難航した東京都との調整が決着した際も「お互いに一致できたことは本当によかった」と感想を述べただけだ。

そして例のSNSの投稿に「何様のつもり」などと批判が集まったとし、「先の見えない生活への不安や自宅にこもるストレスを募らせている人の心情を想像できなかったのだろうか」と批判します。

 首相の国民感覚とのズレを如実に示したのが、ミュージシャンの星野源さんの楽曲「うちで踊ろう」とともにSNSに投稿した動画の内容だ。主に若者に向けて、外出自粛を訴えるという意図はわからぬでもない。だが、ソファで愛犬を抱いたり、飲み物を飲んだりしてくつろぐ姿に「何様のつもり」などと批判が集まった。先の見えない生活への不安や自宅にこもるストレスを募らせている人の心情を想像できなかったのだろうか。

さらに、「そのズレは目を覆うばかりだ」と「布マスクを2枚ずつ配るという施策」も痛罵いたします。

 全世帯に布マスクを2枚ずつ配るという施策も同様だ。効果をめぐりさまざまな議論のある布マスク。それも2枚だけ。予算はもっと有効に使ってほしい。それが自然な受け止めだろう。首相周辺の官僚が「国民の不安はパッと消えます」と提案したというのだから、そのズレは目を覆うばかりだ。

社説は「自粛の要請に強制力はない」のだから「成否のカギは政治指導者のことばが握っている」と結ばれています。

 特別措置法に基づく自粛の要請に強制力はない。効果をあげられるかどうかは、国民の自発的な協力にかかっている。人々の心に響き、納得して行動を変えてもらう。成否のカギは政治指導者のことばが握っている。

当ブログは朝日新聞社説には批判的に対峙するのが常ですが、今回は反論をあえて控えます。

まず、星野源さんの楽曲「うちで踊ろう」とともにSNSに投稿した動画、これはいけませんでした。

 首相の国民感覚とのズレを如実に示したのが、ミュージシャンの星野源さんの楽曲「うちで踊ろう」とともにSNSに投稿した動画の内容だ。主に若者に向けて、外出自粛を訴えるという意図はわからぬでもない。だが、ソファで愛犬を抱いたり、飲み物を飲んだりしてくつろぐ姿に「何様のつもり」などと批判が集まった。先の見えない生活への不安や自宅にこもるストレスを募らせている人の心情を想像できなかったのだろうか。

なんというか、「パンが無ければお菓子を食べればいいじゃない」というマリー・アントワネット状態であります。

こうなると布マスク2枚配布という施策も、間の抜けた香ばしさを漂わせるから不思議なものです。

 全世帯に布マスクを2枚ずつ配るという施策も同様だ。効果をめぐりさまざまな議論のある布マスク。それも2枚だけ。予算はもっと有効に使ってほしい。それが自然な受け止めだろう。首相周辺の官僚が「国民の不安はパッと消えます」と提案したというのだから、そのズレは目を覆うばかりだ。

首相周辺の官僚が「国民の不安はパッと消えます」と提案したといいます。

こうなると、SNS投稿動画にせよ布マスク2枚配布にせよ、マリーアントワネット的浮き世離れの所業、というレッテルがはられてしまいます。

SNS投稿動画にせよ側近のアドバイスであることは間違いありません、布マスクと同様です。

首相の側近にはリスク管理ができる賢者はいないのか?

ふう。



(木走まさみず)