木走日記

場末の時事評論

1万円ほどの「商品券を配布」とかズレまくっている与党幹部案〜現金給付をやるならば、アメリカ並みに一人10万円をキャッシュでバラ撒くべき

報道によれば、米政府は国民に直接現金給付も含めた総額1兆ドル(107兆円)の経済対策を検討しているとのことです。

ティーヴン・ムニューシン米財務長官は17日、「米国民に直ちに小切手を送る考えだ」、「米国民はいま現金を必要としており、大統領はいま現金を給付したいと思っている。いまというのは2週間以内のことだ」と述べました。

米政府は巨額の経済対策を議会と協議しており、総額2500億ドル(約26兆9000億円)分の小切手の送付はその一部となります。

(関連記事)
米政府、国民に現金給付を検討 1兆ドルの経済対策
https://www.bbc.com/japanese/51940101

一人当たり1000ドル(10万7000円)を検討しているとのことです。

イギリスの年間予算にほぼ匹敵する1兆ドルの経済対策は、2008年金融危機の際の対策よりも大型で、米連邦政府の昨年の歳出の約25%に当たる規模となります。

小切手の給付のほか、航空業界やホテル業界への救済措置などが含まれる見込みです。

上記BBCの記事によれば、「1000ドルの小切手では不十分だ」とし、「閉鎖中の小規模事業所の賃金と維持費の負担を大規模に支援すること」も合わせて実施すべきとする大学教授の意見も載せています。

記事より当該箇所を抜粋。

現金給付をどうみる

バラク・オバマ前大統領の政権時代、経済諮問委員会の委員長を務めた米ハーヴァード大学のジェイソン・ファーマン教授(経済学)は、現金給付を主張してきた。

ファーマン氏は、「人々が仕事を休む必要があるときに、休めるようになる。家賃の滞納を防ぐことにもなる」、「外出しないでお金を使う方法はたくさんある」とBBCに話した。

一方、民主党エリザベス・ウォーレン上院議員のアドバイザーを務めるカリフォルニア大学のゲイブリエル・ザクマン教授は、大規模な失業や倒産を防ぐためには、政府は企業支援を優先すべきとの考えを示した。

ザクマン氏は、「1000ドルの小切手では不十分だ。アメリカに必要なのは、閉鎖中の小規模事業所の賃金と維持費の負担を大規模に支援することだ」とツイート。議会には両方の実施する道もあるとした。

2週間以内に国民に一人当たり1000ドル(10万7000円)の現金を給付するとムニューシン米財務長官が述べています。

その規模とスピード感に驚かされます。

米議会は3月6日、ワクチン開発などに充てる83億ドルの緊急補正予算を成立させ、16日には下院で新型コロナの検査無償化などを盛り込んだ100億ドル規模の「経済対策第2弾」を可決済みです。

今回は第三弾なわけですが、航空業界救済も含め総額1兆ドル(107兆円)の経済対策であります。

個人が受け取る小切手の額1000ドルや受給資格などは実はまだ検討中であり確定はしていませんが、報道によれば細かい調整はありそうですがほぼこの予算規模で実施される見込みです。

米政府は今の経済的状況を相当深刻に捉えているのだと思われます。

で、日本です。

政府・与党が1人あたり1万2000円の現金給付を検討していることが分かりました。

(関連記事)
コロナ対策「現金給付1万2000円以上」政府与党検討
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000179353.html

何かアメリカ政府の政策と文字通り1桁少ない現金給付なのであります。

さらに記事によれば、「与党幹部からは商品券を配布することで確実に消費につなげる案も浮上」とのことです、現金給付にすらならない案です。

収入を失い光熱費や家賃の支払いにも支障がでている困窮層に、1万円ほどの「商品券を配布」って、ズレまくっています。

この自民党幹部は、今の世界経済の深刻な局面を完全に読み間違っています。

正にセンスがない、ナンセンスな与党幹部案なのでした。

「商品券を配布」でみみっちい消費の確保をして何になります?

それよりも困っている世帯の生活救済こそ第一義に考えるべきです。

いちおう「現金給付1万2000円以上」と「以上」がついていますので、どこまで増額されるのかはまだ不明ですが・・・

現金給付をやるならば、アメリカ並みに国民一人当たり10万円をキャッシュでバラ撒くべきです、しかも時間をおかずにです。

現金給付をやるならば、アメリカ並みに大胆に実施すべきです。

この局面で1万円ぽっちの小出しの給付など、何の経済効果も生みませんし、何の救済にもなりません。



(木走まさみず)