木走日記

場末の時事評論

「日本産を追い出した“イチゴ韓流”」(ハンギョレ新聞)だと?〜今現在韓国で流通しているイチゴはほとんどすべて違法に盗まれた日本原産の子孫たちだ


 12月5日付けの韓国ハンギョレ新聞の興味深い記事です。


http://japan.hani.co.kr/arti/politics/32283.html

 記事によれば、なんと「東南アジア一帯に対する国産品種のイチゴ輸出が増加している」のは、「日本品種が蚕食した国内イチゴ品種を、わずか10年で国産品種(普及率95%)に変えて得た成果」だと誇っています。

東南アジア一帯に対する国産品種のイチゴ輸出が増加している。日本品種が蚕食した国内イチゴ品種を、わずか10年で国産品種(普及率95%)に変えて得た成果だ。

 「国産品種のイチゴ輸出量が2013年の3116トンから2016年には4125トンに増加した」と指摘しています。

 5日、農村振興庁の説明によれば、国産品種のイチゴ輸出量が2013年の3116トンから2016年には4125トンに増加した。主な輸出対象国は、香港、シンガポール、タイ、マレーシア、ベトナムの東南アジア5カ国であり、最近は対インドネシア輸出も増えている。国産品種イチゴの輸出増加は、日本品種が蚕食した国内イチゴ栽培農家に対し国産品種の普及を拡大した効果だ。国産イチゴの普及率は、2005年の9.2%から2009年には56.4%で半分を超えた後、現在は95.2%まで到達した。

 うむ、確かに『韓国産』イチゴは東南アジア各地で売れており、別の統計になりますが2016年の韓国いちご輸出額は過去最高の約36億5000万円にのぼり、これは日本いちご輸出額約11億円の3倍以上です。

 タイやベトナムでは『韓国産』いちごは”プレミアムフルーツ”つまり高級果物として人気を博しているようです。

 さてハンギョレの記事ではかつて「日本品種が蚕食した国内イチゴ品種」と2度も蚕食(さんしょく)なる言葉で日本品種イチゴを形容していますが、その意味は『(蚕(かいこ)が桑の葉を食うように)片端から次第に他の領域を侵略すること』とあります、つまり国内イチゴ市場をかつて日本産に侵略されちゃったといいたいわけですね。

デジタル大辞泉
蚕食(読み)サンショク
[名](スル)蚕が桑の葉を食うように、他の領域を片端からだんだんと侵していくこと。「領土を蚕食する」「市場を蚕食する」
https://kotobank.jp/word/%E8%9A%95%E9%A3%9F-513819

 それを国をあげてがんばって『韓国産』イチゴの普及率を「2005年の9.2%から2009年には56.4%で半分を超えた後、現在は95.2%まで到達」した結果、『韓国産』イチゴの輸出額も過去最高を更新、絶好調であるというわけです。

 さてこの記事には何点もの重大な事実の誤認もしくは意図した事実の捏造があります。

 まず一点目ですがかつて「日本品種が蚕食した国内イチゴ品種」との表現は、重大な事実の誤認があります、日本品種が爆発的に韓国に広まったのは、韓国が無断で苗を盗み、ロイヤリティも払わず日本に逆輸出して暴利をむさぼったからであり、韓国国内に日本産イチゴの苗を普及していったのは、他ならぬ韓国人自身です、しかも違法で。

 レッドパールを開発した日本人の農業従事者西田氏は、1990年頃、韓国人の農業研究者・キム・チュンギル氏だけにレッドパールの苗を5年間、有料で栽培できる条件で渡す契約をしましたが、キム・チュンギル氏は勝手に他の韓国人に苗を譲ってしまったため、韓国中にレッドパールが広まることになったのです。

 レッドパール(ユクボ)は、一時期、韓国のイチゴ市場で8割を占めるほどになっていました。日本では“農作物の著作権”を守るべく、「品種登録制度」が法律で整備されており、通常25年間は使用料を取ることができますが、韓国国内で不法に栽培されてしまったレッドパールについては、西田さんの元に使用料は入らなかったのです。

(参考サイト)

日本から盗んだ苗を掛け合わせた韓国のイチゴ・雪香(ソルヒャン)を知っていますか
https://matome.naver.jp/odai/2146275872795934901

 日本政府も動きます。

 2000年初期、韓国で栽培されている約65%ものいちごが、日本産のいちご苗を無断で使用していました。国内で勝手に栽培するだけに留まらず、韓国は日本品種のいちごを日本へ輸出を始めたのです。この事実を確認した日本政府はいちごを輸出禁止にし、2008年に日本は韓国に対して年間30億ウォン(約3億4000万円)に上るロイヤリティの支払を要求しています。日本に輸出を差し止められたことで、韓国内では大量のいちご余りが起きたようです。

 それまで好き勝手に日本の苗を元にいちごを栽培していた韓国農家にとって、ロイヤリティの支払負担は重く、韓国はロイヤリティの請求に対して「金額が高すぎる」と反発し、韓国は自国農家を保護するために国ぐるみで日本への対抗措置を考案します。

 それが「『韓国産』いちごの開発」というものです。

 彼らは「雪香(ソルヒャン)」という『韓国産』品種を誕生させて、まんまと逃げおおせてしまいました。

(参考サイト)

多くの人が勘違いする「韓国いちご問題」3つの誤解
http://agora-web.jp/archives/2031662.html

 しかしです。

 この「雪香(ソルヒャン)」という『韓国産』品種ですが、日本の農家が懸命に開発した「章姫」という品種と「レッドパール」という品種をを掛け合わせたもので、そもそもが無断でパクったものです。

 つまり以下の式が成り立つのです。

 盗んだ日本産品種 × 盗んだ日本産品種 = 韓国産品種

 従って上記記事の「国産品種」という記述はすべて事実の捏造であり、正確には『許可なく盗んだ日本産品種の掛け合わせ』ということになります。

 ・・・

 ふう。

 そだねージャパンも韓国イチゴ・雪香(ソルヒャン)がとてもおいしいと話しておりましたよね。

 もう一度ご紹介したハンギョレの記事タイトルをかみ締めましょう。

日本産を追い出した“韓国産イチゴ”…“イチゴ韓流”狙う

 何が“イチゴ韓流”なんだか・・・

 今現在韓国で流通しているイチゴはほとんどすべて、違法に盗まれた日本原産の子孫たちですから。

 読者の皆さん。

 本件、どう思われますか。



(木走まさみず)