「ネット民に安倍内閣支持者が多いのは、情報収集に新聞読者ほどお金を掛けていないので「意識が低い」から(キリッ」(朝日新聞記事)〜ぼうっと生きてんじゃねーよ(怒
18日付けの朝日新聞記事が興味深いのです。
情報入手の手段がネット利用者のほうがテレビ・新聞利用者のほうより安倍内閣の支持率が高いと言うのです。
SNS・ネットで情報入手の人、内閣支持率高め なぜ?
三輪さち子2018年10月18日04時24分
https://www.asahi.com/articles/ASLBD41V2LBDUZPS005.html
長文の記事ですが、関心のある読者は是非直接記事をお読みくださいませ。
さて記事によれば、情報入手の媒体の世論調査結果は、テレビ(44%)、インターネットのニュースサイト(26%)、新聞(24%)、SNS(4%)という順番だったそうです。
あなたが、政治や社会の出来事についての情報を得るとき、一番参考にするメディアは何ですか。次の4つの中から1つだけ選んでください。
(1)新聞
(2)テレビ
(3)インターネットのニュースサイト
集計した結果、回答が多かったのは、テレビ(44%)、インターネットのニュースサイト(26%)、新聞(24%)、SNS(4%)という順番でした。
さらに記事によれば、若年層ほど内閣支持率は高くなり、ネットやSNS利用者ほど内閣支持率は高くなる傾向にあったとのことであります。
年齢別にみると、18〜29歳と30代の回答者で、最も多かったのは、インターネットのニュースサイトでした。40代以上はいずれも「テレビ」が最多で、年齢層が上がるほど「新聞」の割合が増え、「ネット」や「SNS」の割合が減っていました。回答した人全体の内閣支持率を出したところ38%(不支持率43%)になりました。
SNSやネットを参考にすると答えた人の支持率は40%を超え、全体の値より高めだったのです。
さてネット利用者は安倍内閣支持率が高く、新聞利用者は安倍内閣支持率は低い、この事象に対して朝日記事が展開する分析がまた興味深いのです。
まず東京工業大の西田亮介准教授の意見として、新聞を読んでいる人は社会や政治への意識が高いのだと指摘します。
西田さんは、情報を得るためのコストをかけるかどうかが、内閣支持率に影響しているのではないかと指摘します。
新聞を参考にする人は、情報を取ることにコストをかけている人です。つまり社会や政治のことを、お金を払ってでも知りたいという積極的な意識を持っていると捉えられます。
なんだかなあ、新聞社の記事が自分の記事で自分の読者は「意識が高い」って論を展開されてですねえ、読んでるこちら側が少し恥ずかしくなるわけです、よく言いますねと。
さてさらに、ネットやSNS利用者は情報入手にコストをかけていないから、ズバリ「意識が低い」、意識が低いから現状肯定に流される、指摘します。
一方、SNSは、情報を得るためのコストは低い。社会や政治への意識、関心が高いとは言えず、受動的になりがちです。
その上で、「コストを払おうとしない人たちは、現状肯定に流されやすいのではないか」と言います。
政治や社会のことに関心を持たない人は、よほど現状の生活に不満がない限り、「今のままでいい」と現状を受け入れやすい。あるいは、現状の生活に不満がないから、政治や社会のことに関心を持たない、と言えるかも知れません。
これもなんだかなあ、ネットやSNS利用者は貧乏くさく情報入手に金掛けないから、「意識が低い」、結果「現状肯定に流されやすい」ので、安倍内閣支持者が多くなる、という論でありますが、一応ネット利用者の一人として、この上から目線の論考には、お前たちは貧乏なおばかさんたちですと、言われているようで少し照れてしまいます。
朝日記事は続いて、なぜ若年層の内閣支持率が高いのか、論を展開していきます。
若者はネット利用者が多いことに触れた上、若者たちに「エコーチェンバー(反響室)現象」が起きていると主張します。
ネット上で自分の好みのニュースだけを見聞きすることを、「選択的接触」と言います。
意見が合う人たちばかりと交流することで、自分の意見が正しいように思えてくることは「エコーチェンバー(反響室)現象」と呼ばれます。
私は以前から、安倍内閣を支持する人たちと、支持しない人たちとの間で、こうした分断が起きているのではないか、と感じていました。
ツイッターやフェイスブックは、自分と意見や価値観が似ている人をフォローしたり、「いいね」したりする方が多くなりがちです。
このように自分の好みのニュースだけを見聞きする「選択的接触」を繰り返していると、結果内閣支持率に影響するのでは、という朝日新聞の予想がもともとあり、それを調査したところ今回は「当たっていた」と自画自賛いたします。
SNSやネットが重要な情報源になってきた今、興味がないニュースや自分と異なる意見に触れる機会が減っているのではないか。そのことは、内閣支持率に影響するのではないか。それが今回、私たちが、用意した質問の狙いでした。
今回の結果は、ある程度、その予想が当たっていたように見えます。
なんだかなあ、これじゃあ若者はネットで自分の好みのニュースだけを見聞きする「選択的接触」を繰り返し、社会的な視野が狭くなって「エコーチェンバー(反響室)現象」もあり他者の意見を聞かなくなった、だから若者は内閣支持率が高くなった、っていうわけですか。
朝日新聞のこの予想では、視野の狭い若いネットユーザーほど安倍内閣を支持していると、いいたげです。
記事はこの後、慶応大学経済学部の田中辰雄教授による、自分の好みのニュースだけを見聞きして、それによって「エコーチェンバー現象」が起き、社会が分断される、ということが正しいかどうか、異説もあるという反論を載せて、バランスを一応はとって終わっています。
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まとめます。
ネット利用者のほうが安倍内閣支持率が高い
この命題に対して、この朝日記事は大学准教授の意見も混ぜながら、こう論を展開していました。
・新聞を参考にする人は、情報を取ることにコストをかけているので、社会や政治のことを、お金を払ってでも知りたいという積極的な意識を持っている。
・一方、ネットやSNSは、情報を得るためのコストは低い。社会や政治への意識は低く受動的である。コストを払おうとしない人たちは、現状肯定に流されやすいので内閣支持率は高まる。
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なぜ若年層の内閣支持率が高いのか
この命題について、朝日新聞の主張はこうです。
・多くの若者は情報入手にネットを利用している。
・ネット上で自分の好みのニュースだけを見聞きすること、「選択的接触」をしている。
・さらに 意見が合う人たちばかりと交流することで、自分の意見が正しいように思えてくる「エコーチェンバー(反響室)現象」が起こっている。
・興味がないニュースや自分と異なる意見に触れる機会が減っている。それらのことが内閣支持率アップに影響している。
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興味深いことです。
この朝日記事の論に従えば、ネット民に安倍内閣支持者が多いのは、情報収集に新聞読者ほどお金を掛けていないので「意識が低い」からだ、ということにおなります。
若者に安倍内閣支持者が多いのは、新聞を読まず、ネットで自分の好みのニュースだけを見聞きし意見が合う人たちばかりと交流しているからだ、つまり社会に対する視野が極度に狭くなっているとでもいいたいようです。
なんだかなあ。
なぜ「意識が低い」と安倍内閣支持者になってしまうのか、なぜ若者は「視野が狭い」と安倍内閣支持者になってしまうのか、肝心のところの説明は一切ないのであります、残念ながら。
これじゃ、朝日新聞は安倍内閣支持者は新聞を読まないから馬鹿者の集団であると申しているようなものではないですか。
朝日の言いたいこと。
「ネット民に安倍内閣支持者が多いのは、情報収集に新聞読者ほどお金を掛けていないので「意識が低い」から(キリッ」(朝日新聞記事)〜ぼうっと生きてんじゃねーよ(怒
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朝日らしい乱暴ででたらめな論考でありますが、ずれ過ぎていてちょっとおもしろいです。
ふう。
(木走まさみず)