木走日記

場末の時事評論

「安倍政権不祥事ラッシュは10件連続全部役人が主犯」(東京新聞記事より)である異常

 さて読者の皆さん。

 厚生労働省の役人、財務省の役人、文部科学省の役人、厚労省東京労働局長、自衛隊幹部、柳瀬唯夫首相秘書官、佐伯耕三首相秘書官、厚労省局長、福田淳一財務次官、幹部自衛官、この並びが何を意味しているかわかりますでしょうか。

 正解はこの2月、3月、4月に、国会で取り上げられた安倍政権の疑惑や不祥事に関わったとされる役人たちでございます。

 それにしてもここまでの安部政権がらみの疑惑・不祥事のラッシュ、ただごとではありません。

 23日付け東京新聞朝刊紙面記事がここ三ヶ月の不祥事をよく整理しています、目に留まりました。

 安倍政権が疑惑や不祥事が連続発生していて異常事態だというのです、この三ヶ月で十三件に上るそうです。

【政治】
疑惑・不祥事 3カ月で「13」 異常事態の安倍政権

2018年4月23日 朝刊

 安倍政権は、疑惑や不祥事が連続発生する、かつてないほどの異常事態になっている。今国会に入って三カ月で、国会で取り上げられた主なものだけで十三件に上る。政治家や官僚、自衛官に至るまで、言動に次々と問題が浮上するさまは、野党に「まるで疑惑のもぐらたたきだ」(立憲民主党辻元清美国対委員長)とまで指摘されている。 (中根政人)

(後略)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201804/CK2018042302000127.html

 さてこの東京新聞紙面記事より13件の疑惑・不祥事を時系列に列挙してみました。

(1月)
・スーパーコンピュータ開発を巡る国の助成金詐欺事件関連
松本文明内閣府副大臣(当時)沖縄県の米軍ヘリコプター不時着に絡み不適切やじ
茂木敏充経済再生担当相の秘書が有権者に線香配布
(2月)
・「働き方」関連法案を巡る裁量労働制に関する厚生労働省の不適切データ
(3月)
森友学園への国有地売却を巡る財務省の決算文書改ざん
文部科学省前川喜平前次官の授業に「介入」
(4月)
厚労省東京労働局長が報道機関に「是正勧告」発言
イラク派遣の自衛隊日報隠蔽(いんぺい)
加計学園問題で柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が官邸で愛媛県や学園関係者と面会した内容を記録した県文書が判明
・佐伯耕三首相秘書官が国会で野党議員をやじ
厚労省局長がセクハラを疑われるメールを女性職員に送付
福田淳一財務次官のセクハラ疑惑
・幹部自衛官が野党議員に罵声

 こう見るとなんか壮観というか、確かにすごいことになっているようですが、少しじっくり分析してみるとひとつの顕著な特徴が浮き出ます。

 それぞれの疑惑・不祥事の「主犯」格を並べますとこうなります。

(1月)
スパコン開発会社の社長、斉藤元章容疑者
松本文明内閣府副大臣(当時)
茂木敏充経済再生担当相の秘書
(2月)
厚生労働省の役人
(3月)
財務省の役人
文部科学省の役人
(4月)
厚労省東京労働局長
自衛隊幹部
柳瀬唯夫首相秘書官
佐伯耕三首相秘書官
厚労省局長
福田淳一財務次官
幹部自衛官

 (1月)の「主犯」格は、スパコン開発会社の社長は「民間人」、松本文明内閣府副大臣は「政治家」、で茂木敏充経済再生担当相の秘書つまり「政治家秘書」であります。

 その後2月以降は10件すべてが、エントリーの最初に示したように「役人」もしくは「元役人」でなのであります。

 なんだろう、(2月)厚生労働省の役人、(3月)財務省の役人、文部科学省の役人、(4月)厚労省東京労働局長、自衛隊幹部、柳瀬唯夫首相秘書官(経産省)、佐伯耕三首相秘書官(経産省)、厚労省局長、福田淳一財務次官、幹部自衛官、以上オール役人であります。

 安倍政権の不祥事って、結局、役人、役人、ほとんど全部役人の不祥事じゃないですか、こっちのほうが異常といってよろしいでしょう。

 しかもその不祥事が高確率で内部リークされる始末だし・・・

 東京新聞は「異常事態の安倍政権」と表現していますが、冷静に考えれば政権が異常なのではなく、「異常な頻度の官僚リーク」とそれに伴う朝日をはじめとするメディアによる「異常な粘着報道」が起こっている、そういってよろしいでしょう。

 そもそも公務員・官僚の不祥事はすべてときの政権の責任に帰すべきなのか?、とか、役人・国家公務員(約58万4千人)の不始末を一人の総理大臣に押し付けてよろしいのか?とか、そもそも論もあるわけですが、それにしてもなんなんだ、この役人不祥事ラッシュは?

 安倍政権支持とか不支持とかいったんおいといてこの官僚不祥事ラッシュ現象、じっくり分析してみる必要がありましょうね。

 安倍さん、お役人にそんなに嫌われたのかしらん。

 うーん。



(木走まさみず)