木走日記

場末の時事評論

立憲民主党は戦後最弱野党第一党である!!〜全ての野党関係者はこの状況を恥じるべき

 マスメディアが今のところどこも誰もこの事実を指摘しないので、当ブログとして取り上げたいと思います。

 実は本日(23日)、地元(東京)の立憲民主党民進党)関係者と議論をしたとき、その認識の甘さに驚いたのでそのときの話を読者にご披露したいと思います。

 立憲民主党関係者は今回の総選挙の立憲民主党の「躍進」にいたく満足しており、今後も立憲民主党中心に主体的に与党に対峙していきたいというような意見を話していました。

 そこで私は「自己満足ではなく数字でシビアに現状を分析したほうがいいのではないか」として、次の分析を示しました。

 今回の総選挙の結果として立憲民主党の「躍進」が大きく取り上げられていますが、新党として一躍野党第一党になったことはこれはこれでそのとおりだとして、少し角度を変えて考えてみると、自民284議席に対して野党第一党の立憲民主の55議席について、いかにも数が少ないわけです。

 今回の選挙を含めて戦後27回行われた総選挙の、第一党の議席数と第二党の議席数を列挙してみましょう。

■表1:戦後総選挙の第一党と第二党の議席数の推移

選挙回(年) 第一党 議席 第二党 議席
第22回(1946年) 日本自由党 141 日本進歩党 94
第23回(1947年) 日本社会党 143 日本自由党 131
第24回(1949年) 民主自由党 264 民主党 69
第25回(1952年) 自由党 240 改進党 85
第26回(1953年) 自由党 199 改進党 76
第27回(1955年) 日本民主党 185 自由党 112
第28回(1958年) 自由民主党 287 日本社会党 166
第29回(1960年) 自由民主党 296 日本社会党 145
第30回(1963年) 自由民主党 283 日本社会党 144
第31回(1967年) 自由民主党 277 日本社会党 140
第32回(1969年) 自由民主党 288 日本社会党 90
第33回(1972年) 自由民主党 271 日本社会党 118
第34回(1976年) 自由民主党 249 日本社会党 123
第35回(1979年) 自由民主党 248 日本社会党 107
第36回(1980年) 自由民主党 284 日本社会党 107
第37回(1983年) 自由民主党 250 日本社会党 112
第38回(1986年) 自由民主党 300 日本社会党 85
第39回(1990年) 自由民主党 275 日本社会党 136
第40回(1993年) 自由民主党 223 日本社会党 70
第41回(1996年) 自由民主党 239 新進党 156
第42回(2000年) 自由民主党 233 民主党 127
第43回(2003年) 自由民主党 237 民主党 177
第44回(2005年) 自由民主党 296 民主党 113
第45回(2009年) 民主党 308 自由民主党 119
第46回(2012年) 自由民主党 294 民主党 57
第47回(2014年) 自由民主党 291 民主党 73
第48回(2017年) 自由民主党 284 立憲民主党 55

 第一党に対する第二党の議席数の割合を%で示すとどのように推移していましょうか、戦後27回の割合の推移を出してみると興味深いのです。

■表2:戦後総選挙の第一党と第二党の議席数の割合の推移

選挙回(年) 第一党 議席 第二党 議席 第二党/第一党の割合(%)
第22回(1946年) 日本自由党 141 日本進歩党 94 66.67
第23回(1947年) 日本社会党 143 日本自由党 131 91.61
第24回(1949年) 民主自由党 264 民主党 69 26.14★
第25回(1952年) 自由党 240 改進党 85 35.42
第26回(1953年) 自由党 199 改進党 76 38.19
第27回(1955年) 日本民主党 185 自由党 112 60.54
第28回(1958年) 自由民主党 287 日本社会党 166 57.84
第29回(1960年) 自由民主党 296 日本社会党 145 48.99
第30回(1963年) 自由民主党 283 日本社会党 144 50.88
第31回(1967年) 自由民主党 277 日本社会党 140 50.54
第32回(1969年) 自由民主党 288 日本社会党 90 31.25
第33回(1972年) 自由民主党 271 日本社会党 118 43.54
第34回(1976年) 自由民主党 249 日本社会党 123 49.40
第35回(1979年) 自由民主党 248 日本社会党 107 43.15
第36回(1980年) 自由民主党 284 日本社会党 107 37.68
第37回(1983年) 自由民主党 250 日本社会党 112 44.80
第38回(1986年) 自由民主党 300 日本社会党 85 28.33★
第39回(1990年) 自由民主党 275 日本社会党 136 49.45
第40回(1993年) 自由民主党 223 日本社会党 70 31.39
第41回(1996年) 自由民主党 239 新進党 156 65.27
第42回(2000年) 自由民主党 233 民主党 127 54.51
第43回(2003年) 自由民主党 237 民主党 177 74.68
第44回(2005年) 自由民主党 296 民主党 113 38.18
第45回(2009年) 民主党 308 自由民主党 119 38.64
第46回(2012年) 自由民主党 294 民主党 57 19.39★
第47回(2014年) 自由民主党 291 民主党 73 25.09★
第48回(2017年) 自由民主党 284 立憲民主党 55 19.37★

 上記で★印で表記したのは、第一党に対する第二党の割合が30%を割っている、つまり野党が弱いワースト5の選挙結果ですが、5回の内、ここ3回の選挙に集中しているのです。

 見やすくグラフで見てみましょう。

■図1:戦後総選挙の第一党と第二党の議席数の割合の推移(単位:%)

 ここ3回の野党第一党の数的弱小化は明らかであり、中でも今回は、第一党の自民党議席数に対する第二党すなわち野党第一党である立憲民主党議席数の割合が、19.37%と、戦後最小であるわけです。

 民主主義の国会は多数決の原理で支配されています。

 その意味で立憲民主党は戦後最弱の野党第一党であると申してよろしいでしょう。

 地元(東京)の立憲民主党民進党)関係者と議論をしたとき、その認識の甘さに驚いた私は、「自己満足ではなく数字でシビアに現状を分析したほうがいいのではないか」として、上記の分析を示しました。

 数で見る限り、立憲民主党は戦後最弱の野党第一党であります。

 全ての野党関係者はこの状況を恥じるべきでありましょう。



(木走まさみず)