木走日記

場末の時事評論

安倍さんの『解散の大義』それはズバリこの一点にあり

 野党やマスメディアが盛んに森友・加計問題隠しの自己保身解散であり、『解散の大義』がないと批判しています。

民進党・前原代表

「冒頭解散を仮にするのであれば、まさに森友・加計問題から逃れた、答弁をする責務から逃れたという、疑惑隠し、敵前逃亡の解散と言われても仕方がない」

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20170918-00000071-nnn-pol

朝日新聞社

北朝鮮がミサイル発射や核実験をやめないなか、衆院議員を不在にする解散に大義があるとは到底、思えない」

http://www.asahi.com/articles/DA3S13138662.html?ref=editorial_backnumber

 さらに朝日新聞は『解散の大義』がない自民党が焦って解散の大義に「消費税」を急造したとする、暴走気味の報道をしています。

解散の大義「消費税」急造 自民「増税分で教育・社会保障」公約に
http://www.asahi.com/articles/DA3S13139947.html

 仮に『解散の大義』がないと認めたとしても「消費税」はないでしょう、普通に考えて。

 教育・社会保障政策を予算の裏付けをして強化するという意図であり、「解散の大義「消費税」急造」は報道記事のタイトルとしては、角度付けすぎていていただけないです。

 やれ自己保身だの、やれ森友・加計隠しだのと、大義大義とうるさいわけです。

 今回はこの『解散の大義』なるものを取り上げたいです。

 ・・・

 自己保身?

 それは当然そうです、内閣支持率自民党支持率も回復している今、そして民進党がドタバタしていて小池新党が準備できていない今、絶好の解散のチャンスです。

 この絶好の機を逃すなど、一国の総理を務める政治家として逆に失格でしょう。

 森友・加計隠し?

 それも当然そうです、せっかく回復した支持率を、野党の不毛で非建設的で無意味な国会論争で再び減じてしまう可能性は摘み取っておこうということです。

 こたび解散するとすれば、現時点で与党が有利との判断だからであります。

 よろしいでしょうか。

 『解散の大義』、それはズバリ、憲法改正この一点にあります。 

 憲法改正の国会発議を成すために、衆参2/3以上の賛成を得るという極めて高いハードルを超えるために、勝負の解散をするわけです。

 それ以外の「大義」は安倍さんにはないといっても過言ではないでしょう。

 まず現時点での国会における改憲派国会議員の割合について数値を押さえておきましょう。

 取り敢えず改憲派としては衆議院では、自由民主党無所属の会公明党日本維新の会の3会派、参議院では、自由民主党・こころ、公明党日本維新の会の3会派を、それぞれカウントします。


 まず衆議院ですが、平成29年9月現在475議席改憲派は自民288、公明35、維新15の合計338議席となります。

■表1:衆議院会派別議席数(平成29年9月現在)

会派(※印改憲派 議席
自由民主党無所属の会 288
公明党 35
日本維新の会 15
民進党・無所属クラブ 92
日本共産党 21
自由党
社会民主党市民連合
無所属 17
欠員
衆議院合計 475

 475議席中338議席と71%を占めます、見やすく円グラフにします。
■図1:衆議院会派別議席割合(平成29年9月現在)

 次に参議院ですが、平成29年9月現在242議席改憲派は自民126、公明25、維新11の合計162議席となります。
■表2:参議院会派別議席数(平成29年9月現在)

会派(※印改憲派 議席
自由民主党・こころ 126
公明党 25
日本維新の会 11
民主党・新緑風会 50
日本共産党 14
希望の会(自由・社民)
無所属クラブ
沖縄の風
無所属
参議院合計 242

 242議席中162議席と66.9%を占めます、見やすく円グラフにします。
■図2:参議院会派別議席割合(平成29年9月現在)

 現状衆参共に2/3を確保しています。

 しかし、憲法改正に消極的な公明は、安倍政権支持率が急落した頃からここ最近、後ろ向きの発言が多くなりました。

 憲法改正国会発議を成すためには、議席数に余裕のある衆議院において、あえて勝負の解散をして再度改憲派で2/3を占め、国民の支持を再度得た上で改憲発議へと一気に政治を進めんとしているのです。

 改正に向けて盤石の体制を構築せんとしているわけです。

 ところで次回の衆院選は定数は465議席です。

(関連記事)

衆院選挙改革
「0増6減」成立 定数465議席に 
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20160520/k00/00e/010/145000c

 465議席の2/3は310議席であります。

 公明党35、日本維新の会15の現有議席50が変わらないとして、自民党の最低ノルマ議席は260議席であります。

 現有288議席自民党の実績、野党民進党の体たらく、現在の各党支持率、これらを総合的に判断して、自民党260議席確保は、これは十分に勝算のある「勝負」だといっていいでしょう。

 自己保身?

 なんとか隠し?

 何とでも批判すればよろしいです、しかし野党も朝日新聞も何も見えていません。

 安倍さんの『解散の大義』、それはズバリ、憲法改正この一点にあります。 



(木走まさみず)