正しく日本世論は硬化すべきだ〜それが対中国への外交サインになり得る
少し問題点を整理しておきます。
日本は北朝鮮により領海・領土すなわち国土上空を無通知で弾道ミサイル通過されたわけです。
一部の論客たちはミサイルが日本通過時は高高度の「宇宙空間」であり日本領空ではない、大騒ぎする必要はないと理屈を並べています。
宇宙空間にまで領空は及ばない、それはそうでしょう、正論です。
しかしです。
そのような理性すなわち理屈ではなく、他国に無断で「国土を跨(また)がれた」という心理的な屈辱感は、日本国民の間に湧き起こってしかるべきでしょう。
いかに日本上空通過時に高高度(500km以上)であったにせよ、北朝鮮のような「無法者国家」に、国土を無断で一方的にミサイルにより蹂躙・縦断されたというその事実がもたらす、その心理的効果を、侮ることはできません。
この度のミサイル発射で、日本と米国・韓国の同盟各国政府の反応に温度差が生じたわけですが、ある意味当然でしょう。
国土を蹂躙されたのは日本だけだからです。
TV報道で自衛隊出身評論家が、この事態に日本人は不必要に動揺することなく、「正しく恐れろ」との表現を使っていました。
すなわち、不用意に騒いだり動揺することなく、しかし冷静にしっかりと必要な対策を講じるべき、とのような意味だったのでしょう。
その言葉を借りれば、今回の事態で、
日本国民は正しく怒りを表明すべき、正しく日本世論は硬化すべき、
だと考えます。
世界中で、ミサイルで高高度の領空を他国に勝手に侵犯され、ニコニコと馬鹿みたいに笑っている不抜けた国が、どこにあるでしょうか。
これを機会に日本世論は硬化すべきです。
北朝鮮の蛮行に対して、憲法改正も含めた敵基地先制攻撃論や日本核武装論、そのような議論が民間レベルで起こってしかるべきでしょう。
北朝鮮の一連の蛮行により、北朝鮮の後ろ盾である中国が最も恐れているのは、「日本の核武装」であります。
北朝鮮が核実験やミサイル試射などの「火遊び」をしているうちは、自分に実害はないから中国は大目に見ています、どんなにアメリカや日本が要望しても北朝鮮のライフラインを守っています、すなわち石油輸出は決してやめません。
しかしその北朝鮮の「火遊び」が「日本の核武装」を招くならば、話は180度変ります。
中国にとって戦略的に絶対に避けなけらばならないのは、「日本の核武装」です。
ならばです。
日本政府が公式に核武装に言及するのは愚策ですが、まずは「日本の世論の硬化」が起こり、世論から「日本核武装論」が沸き起こることは、それ自体で極めて有効な「外交カード」になり得ます。
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これをよい機会にして、正しく日本世論は硬化すべきです。
北朝鮮の蛮行に対して、憲法改正も含めた敵基地先制攻撃論や日本核武装論、そのような過激な議論が民間レベルで起こってしかるべきでしょう。
ただし日本政府は別です。ここ重要です。
日本政府は済ました顔でこう言えばいいのです。
「我々日本政府は平和を希求しているし核武装など考えていない、しかしこれ以上北朝鮮が蛮行を繰り返すならば、日本国内の過激な核対抗論を押さえ込むことは難しい」
日本政府ではなく日本の世論がまず硬化する、それが対中国への外交サインになり得ると考えます。
過激でしょうか?
(木走まさみず)