恐怖の頭の悪い螺旋(らせん)階段のようなぐじゅぐじゅな論理破綻
おかしいこというよなあ。
さて、テロ等準備罪であります。
イギリスで発生したコンサート会場(正確には場外)における自爆テロでありますが、この痛ましいテロ行為に関して、小林よしのり氏が何やらネットで吼えているのであります。
小林よしのり
2017年05月24日 07:41
共謀罪ではテロは防げない!
http://blogos.com/article/224768/
うむ、「極限の馬鹿・自民党やネトウヨども」が、「やっぱり共謀罪が必要だ」と言い出してる、「脳があるのだろうか?」、「アニサキスより頭が悪くて凶暴な虫どもだ」と、ぼろくそ(失礼)です。
失礼してエントリーより該当箇所を抜粋、ご紹介。
イギリスでアリアナ・グランデのコンサートで自爆テロが行なわれたらしい。
案の定、極限の馬鹿・自民党やネトウヨどもは、「そりゃテロだ。やっぱり共謀罪が必要だ」と言い出してるらしい。
脳があるのだろうか?
アニサキスより頭が悪くて凶暴な虫どもだ。言っておくがイギリスには共謀罪がある。
それでもテロは防げなかったのだ!
エントリーの結びでも「共謀罪ではテロが防げない」と強調されています。
・・・
さすがにこれはひどい論理なのであります。
「イギリスには共謀罪がある」ってお話ですが、これってよく考えると不思議なループ、恐怖の頭の悪い螺旋(らせん)階段のようなぐじゅぐじゅな論理破綻を招くのですがいかがでしょう。
「イギリスには共謀罪がある」ってお話ですが、だとするとです。
確か小林氏は、一月ほど前、田原総一朗さんなどジャーナリストたちや鳥越俊太郎と一緒に記者会見いたしました。
(関連記事)
(朝日新聞)
「共謀罪」法案へ反対声明 ジャーナリストら有志14人
http://www.asahi.com/articles/ASK4W546TK4WUTIL03Q.html
でこのときの「共謀罪」法案に反対する声明で「内面の自由、プライバシーを踏みにじる道具になり、言論の自由、表現の自由、報道の自由を著しく破壊する」と大声でわめいておりました。
で、何ですか、それから2日後には日本の報道の自由度ランクはG7最下位だと、72位だと、この状況で共謀罪は危ないと、朝日新聞などで報道されていました。
(関連記事)
(朝日新聞)
報道の自由度ランク、日本は72位 G7最下位に
http://www.asahi.com/articles/ASK4V5VV7K4VUHBI02S.html
で、何ですか、今回のテロでは「イギリスには共謀罪があるが役に立っていない」と指摘しているわけですね。
つまり、小林氏の主張は整理するとこうです。
また、イギリスには共謀罪があるけど、役に立っていない。
づいぶんおかしなことをおっしゃるわけですね。
まず法律で明示したからといって犯罪をゼロにすることはそもそも不可能でしょ。
法律でどんなに防災を促して災害を抑制しようとしても、残念ながら災害は必ず起きます、しかし災害が起きたからといって防災法が無用の長物・役立たずと決め付けるのは、あまりに暴論でしょ。
危機の発生を抑制する、発生確率をできうる限り低める、万が一発生したら被害を極小化する、法律に求められる効果は、発生するかしないかの二項対立のような単純なものではありますまい。
9条じゃあるまいし、法に書けば起こらないなどありえないでしょ。
さらにです。
「共謀罪が報道の自由を破壊する」とわめいていますが、事実は、
なのであります。
どこが「共謀罪」が「言論の自由、表現の自由、報道の自由を著しく破壊」しているのでしょう。
少なくとも共謀罪のあるイギリスのほうが共謀罪のない日本より報道の自由度ランクが上位なんですけど、これは論理破綻していませんか。
「共謀罪は報道の自由を破壊する」「イギリスには日本にはない共謀罪がある」っていう小林氏のお話ですが、今検証したように、これってよく考えると不思議なループ、恐怖の頭の悪い螺旋(らせん)階段のようなぐじゅぐじゅな論理破綻を招くのですが、いかがでしょう。
ほんと、おかしいこというよなあ。
ふう。
(木走まさみず)