早川忠孝氏に反論する〜『第四の権力』VS『視聴者グループ』と俯瞰すれば、強弱の立場は逆転する
『放送法遵守を求める視聴者の会』のホームページはこちら。
『放送法遵守を求める視聴者の会』
http://housouhou.wix.com/tvwatch
で、彼らは平成27年11月14日(土)産経新聞に、続いて、平成27年11月15日(日)讀賣新聞に意見広告を出稿致しました。
「是非拡散協力お願い致します!」とのことですので、拡散にご協力。
http://media.wix.com/ugd/5fed6f_915f771e9f744b42b2cb4f8b344b5d87.pdf
彼らの主張を当該サイトより引用。
「メディアとしても(安保法案の)廃止に向けて、声をずっと上げ続けるべきだ」
2015年9月16日放送のTBS報道番組「NEWS23」で、メインキャスター(司会者)を務める岸井成格氏(以下、岸井氏)は、こう発言しました。
私たち国民は、国民主権に基づく民主主義のもと、多様な情報や意見を広く見渡しながら、政治判断をしてゆく必要があります。
その為、放送法第4条では、放送局に対して「放送番組の編集」にあたって、「政治的に公平であること」や「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度の観点から論点を明らかにすること」を要求しています。
彼らは平成27年11月26日(木)記者会見を行い、合わせて●岸井成格氏宛●TBS宛●総務省宛3通の『公開質問状』をホームページで公開しています。
さてテレビ局は民間会社とはいえ、限られた電波を独占しているわけですから、営利追求に走ることなく、当然ながら公共の利益をしっかり守ることが第一に求められています。
放送法第四条にも明確に放送番組の編集に縛りを与えています。
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
<データソース>
放送法(昭和二十五年五月二日法律第百三十二号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO132.html
今回のTBS報道番組「NEWS23」のMC自ら「メディアとしても(安保法案の)廃止に向けて、声をずっと上げ続けるべきだ」との政治的主張は、「政治的に公平であること」、「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」の2点に抵触しているのではないのか、という指摘です。
この訴えに対し、ネット上では賛否両論起こっています。
例えばBLOGOS上の早川忠孝氏のエントリーは「この程度のことに目くじらを立てる必要はない」と、批判的です。
早川忠孝
2015年11月27日 11:36
個性的なキャスターの個性的な意見を力づくで捻じ伏せるように見えるのが問題
http://blogos.com/article/146849/
失礼してエントリーの一部を抜粋、ご紹介。
大勢で一人を批判するのはいかがなものかと指摘しています。
私は、力があるものはなるべくその力の行使に謙抑的であれ、という立場に立っている。
強い者が弱い者を虐めようとしている時は、まずは弱い者の立場になって考えてみる。件の広告について違和感を感じたのは、この新聞広告に一体いくらお金がかかったのだろうか、ということだ。
新聞紙の全面広告だから、一般の市民では到底賄いきれないような巨額の費用がかかっただろうと推測している。
名指しで批判された個人が自分一人でこれに対抗するのは大変だろうな、と思う。
「異論を述べる者や政権に批判的な意見を述べる者に対して非寛容な社会にはなってもらいたくない」と結ばれています。
一人の個性的なニュースキャスターの個性的な意見は意見として受け入れておけばいいではないか、この程度のことに目くじらを立てる必要はない、反対の意見を開陳する識者を番組に登場させて大いに議論をさせればいいじゃないか、というのが私の意見である。
異論を述べる者や政権に批判的な意見を述べる者に対して非寛容な社会にはなってもらいたくない、というのが私の願いである。
この問題、強者による弱者に対する言論弾圧なのか、政治権力に批判的に対峙する使命を持つとされる『第四の権力』と呼ばれて久しいマスメディアに対する言論弾圧なのか、極めて重大な問題が含まれていると考えます。
・・・
今ここで、問われているのはテレビ局の政治的中立性です。
さて当ブログとしては、『放送法遵守を求める視聴者の会』の主張を全面的に支持致します。
まず上記エントリーは「個人」VS『放送法遵守を求める視聴者の会』を「弱者」VS「強者」と位置づけていますが、これは彼らの訴えを、非常に狭い視点で角度をつけて評論している感が否めません、視野狭窄に陥っているのではないでしょうか。
『放送法遵守を求める視聴者の会』はこう主張しています。
一コメンテーターとしての意見の一つなら理解するが、番組MCという立場で政治的主張をし、なおかつ番組自体が放送法が義務付けている「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に抵触するほど意見の偏りがあった点を批判しています。
テレビで個人の政治的主張を言ってはいけないとは一言もいっていません。
だからこそ、彼らは岸井成格氏個人に対してだけでなく、放送会社であるTBS宛とそれを管轄する総務省宛にも質問状を公開しているわけです。
岸井氏に対してはMCとして公平性に欠けていないか、TBSに対しては番組の構成が偏向していないか、総務省に対してはこのような番組を放置してしまうと、放送法第四条が死文化してしまうのではないか、それぞれ問うているのです。
本件は決して岸井成格氏に対しての個人攻撃でおさまってはいません。
実際は逆で、「弱者」VS「強者」の位置づけで捉えれば、マスメディアは『第四の権力』ともいわれてひさしいのです、『第四の権力』VS『視聴者グループ』と俯瞰すれば、強弱の立場は逆転します。
一『視聴者グループ』が巨大なマスメディアに対して、その深刻な偏向報道という問題点を指摘している、構図としてはこちらが正しいと考えます。
視聴者グループが、第四の権力『マスメディア』の偏向報道を正す意見をすることに、何が問題があるのでしょうか。
(木走まさみず)