「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」〜かなり頭が不自由なことが露見した百田尚樹先生
さて朝日新聞が大騒ぎしております。
(参考記事)
「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」 自民勉強会
2015年6月25日22時56分
http://www.asahi.com/articles/ASH6T5W6FH6TUTFK00X.html
「沖縄の地元紙、左翼に乗っ取られている」 自民勉強会
2015年6月26日11時38分
http://www.asahi.com/articles/ASH6V3PL5H6VUTFK00F.html
琉球新報「表現の自由への挑戦」 百田氏「つぶせ」発言
2015年6月26日12時59分
http://www.asahi.com/articles/ASH6V43P7H6VTPOB001.html?iref=comtop_6_03
首相「報道の自由は尊重」 百田氏発言「沖縄紙つぶせ」
2015年6月26日13時45分
http://www.asahi.com/articles/ASH6V432CH6VUTFK00J.html?iref=comtop_6_01
安倍晋三首相に近い自民党の若手議員が立ち上げた勉強会「文化芸術懇話会」の25日の初会合で、出席議員が、沖縄の地元紙について「左翼勢力に完全に乗っ取られている。沖縄の世論のゆがみ方を正しい方向に持っていく」と発言していたそうであります。
講師役として招かれた、首相と親しい作家の百田尚樹氏は「もともと普天間基地は田んぼの中にあった。そこを選んで住んだのは誰やねん」「沖縄は本当に被害者やったのか。そうじゃない」などと答えたといいます。
このほか、「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番。経団連に働きかけて欲しい」「悪影響を与えている番組を発表し、そのスポンサーを列挙すればいい」など、政権に批判的な報道を規制すべきだという意見が出たそうであります。
で、名指しで批判を受けた沖縄地方紙2紙はお怒りです。
■琉球新報・潮平芳和編集局長の話
百田氏が何を論拠にしたのか明確ではないが、「つぶさないといけない」という発言をしたのであれば、沖縄2紙のみならず、国内のマスメディア全体の報道・表現の自由に対する重大な挑戦、挑発である。沖縄の現状を全く理解しておらず、残念である。琉球新報は今後とも不偏不党、言論の自由を重んじ、公正な取材活動と報道に努める。
■沖縄タイムス・武富和彦編集局長の話
戦後、沖縄の新聞は戦争に加担した新聞人の反省から出発した。戦争につながるような報道は二度としないという考えが、報道機関としての姿勢のベースにある。百田氏の発言は、戦争以来の沖縄県民と沖縄の新聞の歴史に対する認識を根本的に欠いている。言論の自由、表現の自由を弾圧するかのような動きに対しては、断固として反対する。
で、講師役で首相と親しい作家の百田尚樹氏が、政権に批判的な沖縄の地元紙について「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」などと発言していたことも分かり、首相は26日の国会審議で、こうした発言について「報道の自由は民主主義の根幹をなすもので、尊重するのは当然だ」と述べたのであります。
さて沖縄のメディアの特殊な状況を押さえておきましょう。
2007年のデータで少し古くて恐縮ですが、まず東京地区の朝日、読売、毎日、産経、日経、の全国紙5紙と地方紙東京新聞の発行部数を見てみます。
■東京地区の新聞発行部数
地区 朝日 読売 毎日 産経 日経 東京 東京都 1,200,732 1,448,530 418,287 358,746 611,518 256,010
ご覧の通り、全国紙5紙で90%以上のシェアであり、地方紙の東京新聞は6%であります。
これが沖縄だと、沖縄タイムスと琉球新報の地方紙2紙がほぼ独占となります。
■沖縄地区の新聞発行部数
地区 朝日 読売 毎日 産経 日経 沖縄タイムス 琉球新報 沖縄 1542 524 368 249 4,156 206,845 201,929
円グラフにすれば2紙で99%です、全国紙5紙で1%です、ラベルが見づらくてすみません(苦笑)。
このように沖縄では地方紙2紙がほぼ市場を独占しており、なおかつ2紙の主張がともに左寄りなのであります。
この状況をもって「沖縄の地元紙、左翼に乗っ取られている」との発言につながったのでありましょう。
で、百田尚樹氏の「沖縄の二つの新聞社は絶対つぶさなあかん」発言であります。
かねがねこのお方は危なっかしい発言が多くて心配してはいましたが、そうですか、自民党の勉強会で「沖縄紙つぶせ」発言でありますか。
これはなんと「バカ正直」なお人なんでしょう。
頭に思っていることが素直に出てしまうタイプですね。
頭にバッファがないタイプであります。
かなり頭が不自由なのでしょうね。
かわいそうなお人なのであります。
「報道・表現の自由に対する重大な挑戦、挑発」(琉球新報)と反発を買うのは目に見えているのに、このような軽率な発言をするのは、どうしようもなく頭が不自由なのでしょうね。
こういう人がいると保守全体が頭が不自由のように思われますのが、迷惑な話ではあります。
ふう。
(木走まさみず)