中国による『砂の万里の長城』(Great Wall of Sand)、その別次元の光景を見よ!〜フィリピンが領有を主張している スプラトリー諸島で勝手に「サンゴ礁破壊」して軍事基地を構築する中国
さて防衛省沖縄防衛局は辺野古沿岸部に沈めたコンクリート製ブロック(アンカー)について、「サンゴ礁などの生態系に大きな影響は与えていない」とする見解を公表しました。
(読売新聞記事)
辺野古ブロック、サンゴに影響なし…防衛局見解
2015年04月10日 10時45分防衛省沖縄防衛局は9日、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に向けた準備作業のため、辺野古沿岸部に沈めたコンクリート製ブロック(アンカー)について、「サンゴ礁などの生態系に大きな影響は与えていない」とする見解を公表した。
これによると、防衛省は2月にアンカー周辺の75地点を調べた。その結果、94か所でサンゴの損傷を確認したが、傷が見つかったサンゴはいずれも小さいものばかりで、最大でも幅45センチ、全体の94%は幅20センチ以下だった。
(後略)
うむ、「94か所でサンゴの損傷を確認したが、傷が見つかったサンゴはいずれも小さいものばかりで、最大でも幅45センチ、全体の94%は幅20センチ以下だった」とのことであります。
さて同じ記事が琉球新報が報じますと「ブロック設置でサンゴ94群体破壊」と真逆の見出しになります。
(琉球新報記事)
ブロック設置でサンゴ94群体破壊 国監視委が批判
2015年4月10日【東京】米軍普天間飛行場の辺野古移設計画をめぐり、浮標灯(ブイ)を設置するためのコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊している問題で、沖縄防衛局が2月に調査を実施したところ、94群体のサンゴを破壊していたことが9日、明らかになった。同局が移設作業に伴う環境保全策を検討する環境監視等委員会の第4回会合を都内のホテルで開き、調査状況を報告した。ブロック設置をめぐり、委員から作業の進め方や手法について批判も相次いだ。
防衛局によると、許可区域内外でブロックが設置された周辺75地点を調査し、サンゴの破壊が確認された。同局は破壊されたサンゴのうち94%が10〜20センチで「問題はない」としている。
ただ委員会の中村由行委員長(横浜国立大大学院教授)によると、委員からは「許可区域内外にかかわらず、もっと丁寧な進め方をすれば、破壊が避けられた部分があったのではないか」と批判が上がった。委員会の総意としても「原則、環境アセスメントと同じように丁寧に工事をすべきだ」と指摘する見解が示された。一方、サンゴの破壊について「生態系への影響は軽微」としている。(後略)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-241634-storytopic-271.html
うーむ、読売では「損傷」という表現が琉球新報では「破壊」と強調した表現になっていますが、しかし、琉球新報の記事においてすら、サンゴの破壊について「生態系への影響は軽微」との専門家の意見が添えられております。
・・・
サンゴ礁破壊ですか。
今日は読者の皆さんに、別次元の「サンゴ礁破壊」の光景をご確認いただきましょう。
アジア太平洋を管轄するハリー・ハリス米太平洋艦隊司令官は、「しゅんせつ船とブルドーザーを使い、『砂の万里の長城』を築いている」とあからさまな中国批判を繰り広げています。
中国がここ数カ月、猛烈な勢いで進めている南シナ海の岩礁などの埋め立てのことです、中国はフィリピンなど東南アジアの国々と領有権を争っている島や岩礁のうち、支配している7カ所で、「前例のない規模」(ハリス氏)の埋め立て工事を進めているわけです。
中国による工事のすさまじさは、米戦略国際問題研究所(CSIS)がホームページで掲載している写真などをみると一目瞭然であります。
そのあまりのすさまじさに米軍関係者は『砂の万里の長城』=‘Great Wall of Sand’だと呼称しています。
(参考記事)
中国が「砂の万里の長城」、米軍に広がる危機感 編集委員 秋田浩之
2015/4/10 6:30
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85428750Y5A400C1000000/
『砂の万里の長城』=‘Great Wall of Sand’をトップに画像を張り付けている米戦略国際問題研究所(CSIS)トップページはこちら。
■米戦略国際問題研究所(CSIS)トップページ
http://csis.org/
ちょっと見づらいですから、WSJのスライド画像をご紹介。
2015 年 2 月 19 日 10:36 JST
■領海拡張狙う中国の野心示す衛星画像
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11096553489394754382504580470630428303818#1
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11096553489394754382504580470630428303818#7
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11096553489394754382504580470630428303818#9
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11096553489394754382504580470630428303818#13
まさに、『砂の万里の長城』=‘Great Wall of Sand’であります、写真によってはしゅんせつ船もばっちり撮れています。
まわりの砂をかき集めてサンゴ礁の上にコンクリート工場まで立てて、軍用基地を作りまくっているのがご覧いただけると思います。
サンゴ礁の上に土砂をコンクリートで固めて埋め立てて、その上に飛行場作ったり、ヘリポート作ったり、セメント工場作ったり、船着き場作ったり、やりたい放題であります。
しかもここはフィリピンがその領有を主張している、世界有数の美しいサンゴ礁の島々、 スプラトリー諸島なのであります。
これぞ中国による別次元の「サンゴ礁破壊」の光景であります。
うむ、「環境破壊」に国境はないはずです、そもそも中国領とは認められていない場所を勝手に破壊して軍事基地を作っているわけです、とんでもない話です。
沖縄県知事がせっかく来週中国へ行かれて要人と会われるのですから、こっちの中国による別次元の「サンゴ礁破壊」にもクレームをおっしゃればいかがでしょうか?
え、中国に対する内政干渉だ、と?
だから、スプラトリー諸島は中国領って世界中誰も認めてないのですから、中国の内政からははみ出していますから大丈夫ですって。
中国の心証を害したら中国要人との会談にさしさわるだろう、と?
うーむ、軽くダブスタなような・・・
・・・
大変失礼いたしました。
ふう。
(木走まさみず)