木走日記

場末の時事評論

馬鹿馬鹿しい売名行為と馬鹿馬鹿しい政治家


 今回は小ネタです。

 当ブログでは意図して自称フリージャーナリストのパスポート返納「事件」に関しては取り上げてきませんでした。

 本件が時事問題として真面目に取り上げるのも馬鹿馬鹿しい単なる「売名」行為である可能性が極めて高いと判断していたためです。

 少なからずのジャーナリストの人々から、戦場取材に行くのにメディアに行程をさらすなどあり得ない、あるいは、そもそも行先は「シリア」などと公言せず、問題のない隣国の「トルコ」にしておけばいいだけ、しごく当然の指摘が多数あるわけです。

 しかし、このようなうっとおしい「事件」には、必ずある種のうっとおしい政治家がしゃしゃり出てくるわけです。

 福島議員の登場です。

福島みずほ
2015年02月18日 20:45
パスポート返納命令を考える
http://blogos.com/article/105959/

 うーん、福島議員は議員会館で、パスポート返納命令の問題について集会を開いたのだそうです。

2月18日、議員会館で、杉本祐一さんのパスポート返納命令の問題について集会を持ちました。杉本裕一さんから話をしてもらい、ジャーナリストなどから意見を出してもらいました。

 うむ、「憲法22条が規定する海外渡航の自由や憲法21条が保障している表現の自由報道の自由が侵害された」とのご指摘です。

 パスポートがないと海外に出られません。憲法22条が規定する海外渡航の自由や憲法21条が保障している表現の自由報道の自由が侵害されたのではないでしょうか。

 これから集団的自衛権の行使が法律上認められ、後方支援をするようになった時に、政府が戦場や戦場近くの取材をさせないために、パスポートの返納を命ずることも起きてしまうのではないかと大変危惧を持ちます。

 集会には、衆議院議員照屋寛徳さんが、日本に来るのに、パスポートが必要であった沖縄の現状を話しました。平和運動をやっている人はパスポートが取れなくなるなど、大変な状況があったと聞きました。

 人々の移動の自由が奪われることになったら、大変です。今回の杉本さんのケースを、みんなで共有し、議論していくことが必要です。

 うむ、「日本に来るのに、パスポートが必要であった沖縄の現状」って、それ「現状」じゃありませんから、と些細なつっこみは置いといて、「人々の移動の自由が奪われることになったら、大変」って、どういうことなんでしょう。

 はっきり言わせてもらいますが、この自称フリージャーナリストがもし本気でシリアに取材に行きたかったら手段はいくらでもあったのです。

 単純な話、新潟日報の取材に「シリアに行きます」などと馬鹿正直に答えなければ、外務省の知るところではなかったのですから。

 あるいは多くのジャーナリストがそうしているように、隣国の「トルコに行きます」とごまかせばよかっただけですから。

 福島氏ご指摘の憲法22条ですが、「海外渡航の自由」は無制限に認められてはいませんよ。

第二十二条  何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2  何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

 「公共の福祉に反しない限り」としっかり制約がついています。

 このような馬鹿馬鹿しい「売名行為」で、よりによって議員会館で集会を開いて政治問題化を図る政治家・福島瑞穂氏なのです。

 馬鹿馬鹿しすぎて軽く腹が立ちますのは私だけでしょうか?

 ふう。



(木走まさみず)