東京オリンピックも睨み日本の対国際テロ警察力を強化せよ!〜「戦争反対」「平和を守れ」うんぬん不毛な神学論争に拘泥しないための一提案
後藤さんとみられる男性の殺害を示唆するビデオで、戦闘員が英語で述べたメッセージは次の通りです。
日本政府へ。お前たちは愚かな有志連合の同盟国と同様に、われわれのイスラム・カリフ国が完全なる軍、権力、権威を有していることを理解しなかった。アベよ、勝利など望めない戦争に参加するというお前の無謀な決断のため、このナイフはこのケンジの首を切り裂くだけでなく、どこであろうとお前の国民が存在する場所で殺戮を続けるだろう。日本にとっての悪夢が始まる。
「日本にとっての悪夢が始まる」と脅迫・恫喝の言葉で結ばれています。
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当ブログとして現時点での考えを整理しておきたいと思います。
日本国として今後、このような国際テロとどう対峙すべきなのか?
いかなる国で発生するテロ行為においても、自国人の人命を守るべきは自国政府の責任であります。
ただし、日本国は米英仏のように対テロ特科部隊を現時点で有していないし、憲法上の制約もあり現時点で軍事作戦で対応することは不可能であり、そのことは国際テロ集団もはなから理解していると思われ、今回のISILのテロ行為でも日本からの軍事的反撃の可能性はゼロであることは熟知しての行為であると思われます。
従って日本政府としては、今回はあらゆる外交チャネルを駆使して人質救出の手段を模索する以外に方法はありませんでした。
ISILのこれまでの行動を考えれば、身代金に応じなければ人質が殺害される可能性は大きかったです、しかしながら2億ドルという巨額の身代金に応じることは絶対にあってはなりませんでした。
残念ながら湯川さんが殺害され、ここでテロリストは要求を人質交換に変えてきました。
ここで交渉にヨルダンが巻き込まれる形となり、ISILの交渉相手は日本政府からヨルダン政府になりました。
結果、今回の後藤さん殺害という映像公開となりました。
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テロ集団に、おどせば日本や金を出したりテロ集団の要求に応える国という印象を与えてはなりません。
人命救済第一のもとに日本政府が邦人救出にあらゆる手段を講じるべきなのは論を待ちません。
しかし、今後日本人をターゲットにしたテロ行為を助長させないためには、今回のテロ行為も含めてテロ集団に日本人をターゲットにしたテロ行為にはいかなる「戦利品」をも与えてはならないと考えます。
「戦利品」とは、金銭だけではなく日本の外交姿勢への影響も含めます。
このテロ行為によりそれを解決するためにテロ集団に益が発生してはいけません。
日本政府による対ISIL対策支援がきっかけだとすれば、テロによりそれを取りやめるような行為は絶対にしてはいけない、それこそテロリストたちの思うつぼであります。
・金銭は与えない。
・外交方針は変えない。
この2点が極めて肝心です。
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具体的な提案をします。
国際テロ行為に対する日本の警察力の速やかなる強化を提案いたします。
ISILは「イスラム国」と自称していますが、彼らは単なるテロ集団であり、今回の卑劣なる邦人人質事件も、国と国との「戦争行為」としてとらえるより、日本国家・国民に対するテロ集団による「犯罪行為」ととらえるならば、「戦争反対」うんぬん、「平和を守れ」うんぬんの、不毛な「神学論争」のようなイデオロギー的机上の議論に拘泥することなく、「国際犯罪行為」に対する、日本の警察力の強化へ、具体的議論を速やかにすすめることができます。
日本の警察の国際テロ集団に関する情報収集能力の強化、テロ集団に対する警備力強化、テロ集団による爆破テロや誘拐・人質などの犯罪行為に対する人質奪還と犯罪行為者拘束のための特殊部隊の創設、これらの対策は「犯罪行為」に対する日本の警察力の強化策でありますから、なんら現憲法の精神に触れるものではありません。
「戦争反対」うんぬん、「平和を守れ」うんぬんの、不毛な「神学論争」のようなイデオロギー的机上の議論に拘泥することなく、具体的に実行可能な政策であるはずです。
「日本にとっての悪夢が始まる」
このようなテロリストの恫喝に動じてはなりません。
しかしながら、海外で活動している法人数は150万人を超えており、2020年には東京オリンピックもひかえているのです。
まずはテロ「犯罪行為」を抑止するために、日本の対テロ警察力の強化を提案します。
もちろん国際テロ集団に関する情報収集能力の強化、テロ集団に対する警備力強化、人質救出特殊部隊の創設には、情報共有や役割の分担等、自衛隊の協力・支援が不可欠でしょう。
これはすでに海保と海自における日本の海上防衛で実現しています、共同訓練を含めた連携関係がしっかりできています。
2020年東京オリンピックも睨みまずは日本の対テロ警察力の強化が必要です。
また、海外の邦人対象のテロ犯罪行為においても、当事国が要求・同意すれば、警察部隊を派遣することは、自衛隊を派遣するよりもはるかにハードルは低いものとなりましょう。
そして、将来の自衛隊の対テロ海外活動の議論をするうえで、ひとつの重要なしかし大切なステップとなることでしょう。
(木走まさみず)