竹中平蔵氏に欠けている左右のイデオロギーに関係ない大切な資質〜「木走日記」が竹中平蔵氏に政治を語ってほしくない理由
当ブログはアベノミクス政策支持であり、外交政策なども安倍政権を支持しているものであります。
それはともかく、今回のエントリーは、これは当ブログが持つ個人的主張であり、偏見と非難されても仕方がないと自覚しています。
そのうえでお読みいただければさいわいです。
国権の最高機関たる立法府・国会のその主目的のひとつは、法律による富の再分配・所得再分配であることは異論のないところでしょう。
貧富の差を緩和させ、階層の固定化とそれに伴う社会の硬直化を阻止して、社会的な公平と活力をもたらすための諸政策の実現にこそ、政治は力を入れなければなりません。
富の再分配・所得再分配は、低所得者にも社会階層において上昇する可能性を高める効果があり、そのため、社会的な公平性担保や貧困対策という面だけでなく社会の活力を維持する見地からも重要であります。
政治は、租税制度、社会保障制度そして労働保障制度などによる所得再分配政策の実現、拡大しすぎた貧富の差とそれに伴う様々な社会矛盾を解消・緩和するため諸施策の実現、バランスを持ったこれらの政策の実現こそ、まさに自由経済を維持するためにも資本主義諸国の政治にこそ必要なわけであります。
であるならば、当ブログとしては、左右のイデオロギーに関係なく、政治家や政治を評論する者に求められる資質の第一は、これら経済弱者救済の視点を有しているかどうかだと考えています。
学者ならば理屈・理論で経済学を語るのは大いに結構ですが、政治に関わるものは大事な社会構成員としての経済弱者への正しい理解と慈しみが必須だと思うのです。
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2日付けライブドアニュース記事から。
竹中平蔵氏が非正規雇用について熱弁「正社員をなくしましょう」
2015年1月2日 7時0分 トピックニュース
1日放送の「朝まで生テレビ!元旦スペシャル」(テレビ朝日系)で、竹中平蔵氏が非正規雇用について論じた。同番組は、「激論!戦後70年日本はどんな国を目指すのか!」と題し、田原総一朗氏や出演者が生放送で討論を繰り広げる。
番組中盤になると、出演者は「改正派遣法の是非」を議題として、現状の派遣労働者や非正規雇用の地位についてそれぞれの意見を述べた。
その中で竹中氏は、労働省が実施した派遣に対する調査を例に上げ、正社員に変わりたい人と非正規のままでいいという人では、非正規のままでいいという人の方が多い、という調査結果を紹介した。
また竹中氏は、派遣雇用が増加した原因について「日本の正規労働ってのが世界の中で見て異常に保護されているからなんです」と述べ、整理解雇の4要件について触れた。
さらに竹中氏は、同一労働同一賃金について「(実現を目指すなら)正社員をなくしましょうって、やっぱね言わなきゃいけない」「全員を正社員にしようとしたから大変なことになったんですよ」と、日本の問題点を指摘した。
竹中平蔵氏の同一労働同一賃金について「(実現を目指すなら)正社員をなくしましょうって、やっぱね言わなきゃいけない」「全員を正社員にしようとしたから大変なことになったんですよ」との、この主張には賛否いろいろな意見がネット上飛び交っています。
当ブログとしてはこの彼の主張の内容の賛否については、ここで議論いたしません。
竹中平蔵氏に強く言いたいのは、学者として大学で何を理論的主張しても構わないですが、あなたには政治的主張をこれ以上公共の場所で発言してほしくない、と強く思うのであります。
人間は機械のような部品ではないのですから、経済理論だけで政治を動かして経済政策を構築しても、決してうまくはいかないでしょうし、国民の支持は得られないことでしょう。
竹中氏にはとても政治を語ってほしくないなと思うのは、今回もそうですが、この弱者に無感覚な論考そのものです。
別に今回の発言だけで揚げ足を取っているつもりはありません。
当ブログでは過去にも彼の経済弱者に対する無慈悲な論考に対して、強く批判してまいりました。
お時間のある読者はご一読あれ。
2009-08-07 あんたが言うな、竹中平蔵!!
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/200908072010-12-22 竹中平蔵さん、まずは貴兄から国外に逃げ出すのがよろしいでしょう
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20101222
この人は弱者に無感覚すぎます。
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当ブログとしては、左右のイデオロギーに関係なく、政治家や政治を議論する者に求められる資質の第一は、経済弱者救済の視点を有しているかどうかだと考えています。
経済学者としては有能なのかもしれませんが、机上の理屈だけで政治を語ってほしくはないと強く思うのです。
(木走まさみず)