朝日新聞の姑息な「お詫び」記事ラッシュに騙されるな〜朝日が何度詫びようがその罪が許されるわけではない
17日付け朝日新聞紙面の第二社会面(38面)にて、朝日新聞のお詫び記事が掲載されています。
■東京電力と関係者の皆様に改めておわびします
ネット上でも確認できますのでご紹介。
東京電力と関係者の皆様に改めておわびします 「吉田調書」報道で朝日新聞社
2014年9月17日05時00分朝日新聞社は16日までに、5月20日付朝刊の「吉田調書」報道の間違いを認めて記事を取り消したことについて、東京電力を訪問しておわびしたいとの意思をお伝えしました。東京電力広報部からは「このたびの吉田調書に関する朝日新聞社様のご見解については、12日の朝刊紙面により十分ご説明いただいているものと思っておりますので、わざわざお越しいただくまでもございません。あらためて社員一人一人の気持ちを高め、福島の復興が原点であることを肝に銘じ、長期にわたる廃炉作業に正面から向き合い、事故の当事者として責任を全うしてまいりますので、ご理解いただきますようお願いいたします」と文書で回答をいただきました。
あらためて東京電力ならびに関係者の皆さまにおわびするとともに、誠意をもって対応させていただきます。
うむ、ここ2週間で何回朝日新聞のお詫び記事を見せられたことでしょう。
今回は朝日新聞の最近の「おわび」記事を徹底検証・トレースしておきましょう。
まず「池上さんと読者の皆様におわび」が4日付けで掲載されます。
<お知らせ>池上さんコラム、掲載します
2014年9月4日05時00分朝日新聞が8月初めに掲載した過去の慰安婦報道に対する特集記事について、池上彰さんがコラム「新聞ななめ読み」で取り上げました。本社はいったん、このコラムの掲載を見合わせましたが、適切ではありませんでした。池上さんと読者の皆様におわびして、掲載します。
続いて再度「池上彰さんの連載について おわび」いたします。
池上彰さんの連載について おわびし、説明します
2014年9月6日03時00分ジャーナリスト・池上彰さんの連載「新聞ななめ読み」の掲載をいったん見合わせた後、4日付で掲載したことについて、読者の皆様から本社に疑問や批判の声が寄せられています。掲載見合わせは、多様な言論を大切にする朝日新聞として間違った判断であり、読者の本紙に対する信頼を損なう結果になりました。改めておわびし、経緯を説明します。
(後略)
そして12日、「みなさまに深くおわびします 朝日新聞社社長」が掲載されます。
みなさまに深くおわびします 朝日新聞社社長
2014年9月12日03時07分
■朝日新聞社社長・木村伊量朝日新聞は、東京電力福島第一原発事故の政府事故調査・検証委員会が作成した、いわゆる「吉田調書」を、政府が非公開としていた段階で独自に入手し、今年5月20日付朝刊で第一報を報じました。その内容は「東日本大震災4日後の2011年3月15日朝、福島第一原発にいた東電社員らの9割にあたる、およそ650人が吉田昌郎所長の待機命令に違反し、10キロ南の福島第二原発に撤退した」というものでした。吉田所長の発言を紹介して過酷な事故の教訓を引き出し、政府に全文公開を求める内容でした。
しかし、その後の社内での精査の結果、吉田調書を読み解く過程で評価を誤り、「命令違反で撤退」という表現を使ったため、多くの東電社員の方々がその場から逃げ出したかのような印象を与える間違った記事になったと判断しました。「命令違反で撤退」の記事を取り消すとともに、読者及び東電福島第一原発で働いていた所員の方々をはじめ、みなさまに深くおわびいたします。
(後略)
名物コラム(天声人語)もお詫びします。
お詫びなのに「朝日新聞が言論の一翼を担っていく気構えには揺らぎがない」と結んでいて、天声人語らしい上から目線(苦笑)が鼻につくので全文ご紹介。
(天声人語)痛恨事からの出直し
2014年9月13日05時00分まっさらな紙に記事が印刷されて、世の中に出ていく。新聞社で働く者の喜びであり、ささやかな誇りでもある。しかし昨日の紙面は、朝日新聞にとって痛恨のものとなった。報道にたずさわる一人として、身が縮む。同僚だれもが同じ心情だと思う▼当コラムの執筆を任されたころ、敬愛する先輩に言われた。引き継がれてきた1本のろうそくに、毎日毎日、火をともすように書く仕事だ、と。小欄だけではない。新聞づくりそのものが、社員全員が真摯(しんし)な気持ちで、日々に新たな火をともす仕事である▼言論の自由の保障が、日本国憲法にもある。人間の歴史がこの自由を獲得するまでに、どれほどの血が流れ、苦闘があったことか。その理念を尊び、死守すべき言論機関として、慰安婦問題をめぐる池上彰さんのコラム掲載を見合わせたのは最悪だった▼気に入らない意見や、不都合な批判を排した新聞は、もう新聞ではない。「あなたの意見には賛成しないが、あなたがそれを言う権利は命をかけて守る」。古来の至言が、信頼もろとも紙面上に砕け散った思いがした▼「吉田調書」については、今年5月の小欄でも取り上げている。初報記事とともに「命令違反」の表現が誤っていたことを、おわびいたします▼砕け散ったもののかけらを、時間はかかっても拾い集める。そして信頼を一から作りなおしていく。深く自省する中で、朝日新聞が言論の一翼を担っていく気構えには揺らぎがないことも、あわせてお伝えをしたい。
で、「社説」もお詫びします。
(社説)論じることの原点を心に刻んで
2014年9月13日05時00分朝日新聞は、戦後に例がない大きな試練を自ら招いてしまいました。
一昨日、木村伊量(ただかず)社長が記者会見し、福島原発事故での「吉田調書」をめぐる誤報や、慰安婦報道での間違った記事の撤回の遅れなどを謝罪しました。
「吉田調書」は、社説でも取り上げ、全面公開を求めました。その中で、誤報だった記事に基づいて「所員の9割が命令に反して10キロ余り離れた別の原発に一時退避」や「所長の指示・命令が守られず」という表現を使いました。社説を担う論説委員室として、読者や関係者の方々にかさねて深くおわびします。
(後略)
夕刊の名物コラム「素粒子」もお詫びします。
「素粒子」―9月13日
2014年9月13日15時43分爪楊枝(つまようじ)ほどの矢でも事実の土台が揺らげば害になる。吉田調書に関する小欄の過剰な表現を撤回しおわびします。
☆
〈京橋の滝山町の新聞社/灯ともる頃のいそがしさかな=石川啄木〉輪転機はきょうもまわる。原点は忘れまい。
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ご批判はつつしんで。さりとて世には気にかかることなお山積み。来週からまた輪ゴムの弦に爪楊枝をつがえん。
おまけに前回取り上げましたが任天堂にもお詫びします。
任天堂と読者の皆様におわびします 朝日新聞社
2014年9月14日05時00分朝日新聞社は2012年6月8日付経済面に、「ソーシャル時代、どう対応?/ゲーム大手4社に聞く」の記事を掲載しました。この記事のうち、岩田聡任天堂社長の部分は、任天堂のホームページ上の動画の発言内容をまとめたものでした。本来ならインタビューを受けた他の3人とは体裁を変え、動画内の発言であったことを明記するべきでした。
当時、任天堂に社長への取材を申し込みましたが、了解が得られなかったため、任天堂に動画の発言内容をまとめて記事にしたいと伝え、了解を得られたと思い込み、記事にしました。掲載後、任天堂から「インタビューは受けていない」と抗議を受けたことなどから、弊社は謝罪いたしました。
今回新たに外部から指摘があり、事実関係を改めて調査した結果、紙面でおわびする必要があると判断しました。ご迷惑をおかけした関係者と読者のみなさまにおわびいたします。
読者の「声」欄もお詫びします。
<おわび>
2014年9月14日05時00分◆朝日新聞社は、慰安婦を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言に基づく関連記事と、5月20日付朝刊で報じた東京電力福島第一原発事故の「聴取結果書」(吉田調書)についての記事を取り消しました。これらの記事に関連する投稿を寄せてくださった方をはじめ、すべてのみなさまにおわびします。(「声」編集長 小森保良)
名物「朝日川柳」もお詫びします。
朝日川柳 西木空人選
2014年9月15日05時00分(前略)
*
5月の本欄で誤報だった吉田調書に材をとった句を掲載、6月24日「平成落首考」で引用しました。投句者、読者、すべての関係者の皆さまにおわびします。
・・・
ふう。
異様です。
朝日新聞のこの「お詫び」記事ラッシュはいかがでしょう。
朝日新聞に二つだけ指摘しておきます。
記事は新聞社にとって「製品」でしょう。
その「製品」に大きな問題があり、社会に不利益・迷惑を掛けたならば、普通「お詫び」を繰り返したから免罪になるわけがありません。
製造停止では済まない社会的制裁を受けてきたじゃないですか。
その制裁の片棒を担いでいたのは朝日新聞はじめとするマスメディアでしょ。
自分たちは、「お詫び」をすれば許されるなどと甘く考えないでいただきたい。
そして朝日が真にお詫びしなければならないのは、朝日捏造報道でいわれなき汚名を着せられた先人たちであり、現日本国民であり、将来の日本国の子孫たちであります。
朝日が何度詫びようがその罪が許されるわけではないのです。
「吉田調書」捏造報道でここまでしつこく読者に詫びるとは姑息です。
読者のみなさん、媚びる朝日に騙されてはいけません。
(木走まさみず)