木走日記

場末の時事評論

ダークなままのパチンコを「ギャンブルとして合法化する」のが前提ならば、「パチンコ税」には絶対反対!

 22日付け産経新聞記事から。

「パチンコ税」創設浮上、1%で財源2000億円試算 政府・自民、法人税率下げ減収の穴埋め
2014.6.22 09:50

 政府・自民党内で、安倍晋三首相の主導で政府が決めた法人税の実効税率の引き下げに伴う税収減の穴を埋める財源の一つとして、パチンコやパチスロの換金時に徴税する「パチンコ税」の創設が浮上していることが21日、分かった。1%で2千億円の財源が生まれるとの試算もある。ギャンブルとして合法化する必要があるため異論もあるが、財源議論が活発化する中、注目が集まりそうだ。

(後略)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140622/plc14062209500004-n1.htm

 うむ、「法人税の実効税率の引き下げに伴う税収減の穴を埋める財源の一つとして、パチンコやパチスロの換金時に徴税する「パチンコ税」の創設が浮上している」そうなのであります。

 現時点(24日16時)で産経以外の「パチンコ税」関連の新聞・TVなどのマスメディア報道は見当たりませんが、例によって日本のマスメディアのチキン(臆病)ぶりには苦笑せざるをえません。

 当ブログで過去に批判したように、報道タブーとされているパチンコ業界の問題に関しては、この国のマスメディアは見事に沈黙するのが常なのであります。

2012-05-27 政治家やマスメディアが絶対触れない深刻でダークなパチンコ業界問題
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20120527

 一般の日本人にとって、百害あって一利もないダークなパチンコ業界を正しく「廃業」に追い込む法改正ならば大賛成ですが、諸悪の根源たるこのダークな業界を「ギャンブルとして合法化する必要がある」ですと?

 大反対です。

 この国のマスメディアはチキンにもパチンコ業界の問題点に関してはいっさい報道しようとしませんから、天に代わって場末のブログで再度、問題提起しておきましょう。

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●まずは偽りの「遊技場」としてひとり肥大化した賭博場・パチンコ業界の売上げの伸びの異常さを見よ。

 まずは徹底的に数値でダークなパチンコ業界の「異常さ」を洗い出しましょう。

 マスメディアでは絶対に掲載されませんが、この国のギャンブル市場の売上推移を確認いたします。 

■表1:ギャンブル市場の推移1(1975〜2010年)

種別 1975年 2010年
宝くじ 350 9,200
サッカーくじ 0 968
中央競馬 9,080 24,280
競艇 11,750 8,970
競輪 10,940 6,790
地方競馬 6,860 3,480
オートレース 1,650 920
合計 40,630 54,608

 で日本のギャンブル市場でありますが、ご覧のとおり1975年では4兆630億円の売上規模が2010年には5兆4608億円と、ここ35年で34.4%増となっております。

 ご覧の通りこの国が認めている賭博(とばく)は競馬、競輪・オートレース競艇の4競技と宝くじ、サッカーくじスポーツ振興くじ)の計6種でありまして、すべて公営ギャンブルに限られています。

 また競馬が農水、競輪・オートレースが経産、競艇が国交、宝くじが総務、スポーツ振興くじが文科と管轄のお役所も見事に縦割りされているのであります。

 一応グラフ化しておきましょう。

■図1:ギャンブル市場の推移1(1975〜2010年)

 グラフがモノトーンで見づらくて申し訳ありませんが、たかだか5兆のこの政府的には公式の公営ギャンブル市場では数字が隠れてしまっているパチンコ業界の売り上げ推移をここに含めると、35年間の売上推移が様変わりしてダークな裏グラフが登場するのであります。

 日本の法律では「遊技場」として風営法で管理されているダークなパチンコホールを本来の「賭博場(とばくじょう)」と位置づけた場合、上記の公営ギャンブルなどすべて売上規模では「その他」扱いで構わなくなるのです。

■表2:ギャンブル市場の推移2(1975〜2010年)

種別 1975年 2010年
パチンコ 13,040 193,800
その他 40,630 54,608

 偽りの「遊技場」としてひとり肥大化した賭博場・パチンコ業界の売上げの伸びの異常さを見てください。

 ご覧のとおり1975年では1兆3040億円の売上規模が2010年には19兆3800億円と、ここ35年で1486.2%増であります、約15倍に肥大化しているのであります。

 グラフ化すればこんな感じです。

■図2:ギャンブル市場の推移2(1975〜2010年)

 年間売上高19兆3800億とは、23兆9000億の外食産業に匹敵する巨大市場であり、GDPの4%に当たる規模であります。

 もっとも外食産業は442万人の雇用を生み出していますが、賭博場であるパチンコホールは雇用創出は32万にとどまり1670万人のギャンブラーと多くのギャンブル依存症を生み出しています。

 ここ数年、パチンコ業界の売上は不況の影響もあり下がってきていますが、レンジを35年と長く取れば、パチンコ業界の売上は「異常に膨張」してきたといっていいでしょう。

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●脱税しまくりのダークな謎のベールに包まれているパチンコホールの胡散臭い経営実態

 これもこの国のメディアではほとんど報道されていないのですが、パチンコ業界の脱税体質は深刻であります。

 CR機導入以降は減少してはいるものの、依然として脱税が多く、業界全体として、国税庁の2004年度の調査では不正発見割合でみると、50.3%と約半数で脱税の疑いがあり、「不正発見割合の高い業種」「不正申告1件当たりの不正脱漏所得金額の大きな業種」では4206万2000円と、ともにパチンコがワースト2位にランクされています。

 近年は改善傾向にあると業界は必死にPRしていますが、2012年までに、日本全国に存在する40に及ぶパチンコ店グループが、租税回避目的で企業再編税制を導入することをコンサルティング会社から勧められ、これを導入した結果、税務当局から100%全滅、一斉に多額の申告漏れを指摘された事が判明しています。

 遵法意識が希薄というよりはすきあれば脱税するという業界全体の体質は、ダークというよりもむしろ真っ黒なまま今日までまったく改善されていないと言っていいでしょう。

 さらに問題を複雑化しているのがパチンコ経営者の9割が在日韓国人朝鮮人系であることです。

 7年前の韓国・中央日報記事には「パチンコ業界の90%ほどを掌握している在日韓国人朝鮮総連系の資金」という表記がされています。

日本、パチンコ発金融危機
2007年12月27日13時57分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/228/94228.html?sectcode=A00&servcode=A00

警察政府は今年の9月まですべてのパチンコとスロットマシーンを射幸性の低い機種に変えるように指示した。変えなければ営業権を剥奪する厳格な制限を加えている。パチンコ業界の90%ほどを掌握している在日韓国人朝鮮総連系の資金を圧迫するためだという指摘もある。

 雑誌『AERA』(2006年2月13日号)では「全国のパチンコ店オーナーの出自の内訳は、韓国籍が50%、朝鮮籍が30〜40%、日本国籍、華僑が各5%」としています。

 ホール業界トップのマルハンの会長である韓国系日本人である韓昌祐は「パチンコ経営をしている北朝鮮に忠誠を誓う在日韓国・朝鮮人は、その収益を北朝鮮へ送金していることは確実である」と述べています。

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●賭博場が住民の生活圏の中に拡散して野放しに展開している国など、日本以外にない

 現実にこの国のギャンブル依存をふやし続け、善良な風俗を破壊し続け、賭博罪の見事な例外扱いとなっているのは、このダークな「遊技場」であるパチンコ業界です。

 全国1万2千のパチンコホールは、日本列島の市街地に、駅前から郊外の幹線道路沿いに至るまで北海道から沖縄まで人々の生活圏に隣接しているのであり、この脱法的なギャンブル場は今も全国でたくさんのギャンブル依存者を生み出し、多くの生活破綻者を生んでいます。

 多くの先進国でもカジノや競馬などギャンブルは当然認められていますが、日本のパチンコホールのように賭博場が住民の生活圏の中に拡散して展開している国など、日本以外にありません。

 そもそもこの国の法律は、宝くじや競輪・競馬など公営ギャンブル以外で民間が賭博場を運営することを認めてはいません。

 しかるにパチンコホールで用意されている景品には、一般景品以外に特殊景品というものがあり、出球で特殊景品と交換すれば、パチンコ屋に隣接している特殊景品換金場に持っていけば換金できるのです。

 これを「三店方式」といいますが、風営法は営業者に、現金や有価証券を賞品として提供することや客に提供した賞品を買い取ることを禁じていますが、パチンコ業界の言い分はパチンコホールは法律を遵守し賞品を買い取ることはいっさいしていない、パチンコホール特殊景品換金場にはいっさい関知していない、という子供だましのような論法です。

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●まとめ

 そもそもパチンコ業界が問題視されず膨張してきた背景には、日本のマスメディアのチキン(臆病)な沈黙にあります。

 日本のマスメディアではパチンコ業界の問題は完全にタブー視されています。

 例えば上述したこの国のギャンブル市場においてパチンコ業界だけが突出して膨張してきた事実を、マスメディアは決して報道しません。

 そもそもパチンコ業界はマスコミの一大スポンサーであり扱いづらい上に、在日韓国・朝鮮人団体からの圧力もあり、火中の栗を拾うマスメディアはないのです。

 メディアだけでなく政界でもある種のタブー扱いになっています。

 このような深刻な問題を放置したまま、「ギャンブルとして合法化」など絶対にしてはなりません。

 ダークなままのパチンコを「ギャンブルとして合法化する」のが前提ならば、「パチンコ税」には絶対反対いたします。



(木走まさみず)