木走日記

場末の時事評論

「マクドナルド事件」で露出するアメリカにおける韓国系団体の悪質な手口を検証〜いつのまにか「被害者」と「加害者」が逆転する不条理


 アメリカにおける韓国系団体の強引で強力なロビー活動は有名ですが、彼らの強引な手口がよく理解できる事件が報じられています。 

 今回は、彼らがいかに「些細なこと」を「重大な事件」に発展させ韓国系にとって有利な結果をもたらしていくか、メディア報道をトレースしながら検証していきましょう。

 まずことの発端を報じたのは14日付けのニューヨークタイムスの以下の記事です。

Fighting a McDonald’s in Queens for the Right to Sit. And Sit. And Sit.
http://www.nytimes.com/2014/01/15/nyregion/fighting-a-mcdonalds-for-the-right-to-sit-and-sit-and-sit.html?_r=0

 記事の内容を要約しますと、この出来事は今月2日、ニューヨーク市内のフラッシングにあるマクドナルドの店舗で起きます。

 場所柄いつも込み合っているこの店舗では、「店内のテーブルには20分以上とどまれません」との案内文を出し、長時間の座席専有を禁じていたところ、「高齢者6人が2時間以上の長時間席を占領しており、営業の妨げになる」として午後3時ごろ警察に通報、2人の警官が6人を店の外に強制退去させたものです。

 店側の説明では高齢者に外に出るよう何度も求めたが、聞き入れられなかったため警察に通報したとのことです

 店舗責任者は「高齢者たちは朝5時から席を占めている。何度も席を空けてほしいと丁重に申し入れたが断られた。ほかのお客様がメニューを注文しても、席がないため返金を求められることが相次いだため警察に通報した」と述べています。

 このフラッシングのマクドナルドでは、高齢者グループが1−2ドル(約100−200円)のコーヒーやフライドポテトを注文し、長時間おしゃべりする場として利用されてきました。

 また、昨年11月以降、高齢者を追い出してほしいという通報が所轄警察署に4回あったそうです。

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 マクドナルドも一民間企業です、高齢者グループには申し訳ないですが、売り上げ減や顧客回転率の減少などや顧客からのクレームが多発していたわけで、このルール無視の非常識な席取りは、明らかに「営業妨害行為」です。

 アメリカというお国柄です、何度の店側のお願いも聞き入れずいすわっていたのです、強制退去いただくために警察を呼んだ対応も致し方ないでしょう、他の方法はなかったのでしょう。 


 まあ、どうということはない小さな「出来事」であります、ある一点を除いてはです。

 その一点とは、強制退去させられた高齢者グループが韓国系移民一世のグループであったことです。

 この「小さな出来事」は、すぐに韓国系団体の知るところとなり「大きな事件」へと発展していきます。

 韓国系団体の強引な抗議活動と強力なロビー活動が始まります。

 17日付けのニューヨークタイムス記事は「韓国系在住者を挙げての1カ月間の集団不買運動」を報じています。

Korean Community Leaders Urge McDonald’s Boycott
http://www.nytimes.com/2014/01/17/nyregion/leaders-urge-customers-to-boycott-mcdonalds.html

 記事の伝えるところでは、まず、「ニューヨーク韓人学父兄協会」など韓国系米国在住者団体は16日、同店前で糾弾集会を開きます。

 そこで「人種差別と高齢者差別を行ったマクドナルドに対し、韓国系在住者を挙げて2月の1カ月間、不買運動を展開する」と宣言、この「小さな出来事」はこの瞬間「人種差別と高齢者差別を行ったマクドナルドに対する集団不買運動」という「大きな事件」に発展します。

 やれやれです。

 被害者であったマクドナルド側が「人種差別と高齢者差別」の加害者に、加害者であったただの非常識な営業妨害行為を繰り返していた老人集団が「人種差別と高齢者差別」の被害者に、強制的に変質した瞬間です。

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 話はここからです。

 韓国系団体の常套手段として、この「大きな事件」を韓国系に有利な結果に導くために、強力なロビー活動を展開し議会の親韓議員を動かします。

 今回はロン・キム(韓国名:キム・テソク)ニューヨーク州下院議員が水面下で仲介に入ります。

 「人種差別と高齢者差別」の加害者とされ、「不買運動」も宣言され、政治家まで仲介に乗り出して来ては、あわれマクドナルドは万事休すであります。

 米マクドナルドは公式謝罪に追い込まれるのです。

 21日付け韓国・朝鮮日報日本語版速報記事から。

韓国系高齢者を追い出した米マクドナルドが公式謝罪

 米国ニューヨークのマクドナルドで、韓国系の高齢者たちが店内に長時間居座っているとして、店側が警察に通報し、高齢者たちを店外に追いやった問題で、この店舗が19日(現地時間)、高齢者たちに会って公式謝罪した。

 騒動のあったマクドナルドのニューヨーク・フラッシング店のジャック・バート店長と、韓国系高齢者十数人は同日、ロン・キム(韓国名:キム・テソク)ニューヨーク州下院議員の仲裁により、キム議員の事務所で面会。バート店長は「警察を呼んで顧客を追い出した行為は適切でなかった」として「二度とこのようなことが起きないよう注意する」と謝罪した。

 同店長はまた「高齢者たちに威圧的な態度で接したマネージャーを交代させ、韓国系の顧客のために韓国系従業員1人を追加で採用したい」と話した。また、座席の利用時間を従来の20分から1時間に延長し、これに関する韓国語での案内を掲示することも決めた。

 この店舗は今月2日「韓国系の高齢者6人が明け方から長時間座席を占領し、営業を妨害している」と警察に通報し、高齢者たちを追い出した。この事件が知れ渡ると、ニューヨークの複数の韓国系団体が糾弾集会を開き「人種差別と高齢者差別を行ったマクドナルドに対し、2月の1カ月間、不買運動を展開する」と宣言。だが今回マクドナルド側が謝罪したことで、不買運動も取りやめになる可能性が高くなった。
 
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/21/2014012100443.html

 記事は勝ち誇ったように「マクドナルド側が謝罪したことで、不買運動も取りやめになる可能性が高くなった」と結ばれています。

 こうして非常識な営業妨害を繰り返していた加害者が「被害者」となり、被害者だったマクドナルドが「人種差別と高齢者差別を行った」「加害者」となり、政治家の圧力も加わり、「被害者」たちに「公式謝罪」をするところまで、追い込まれていったわけです。

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 なんという不条理でしょう。

 アメリカにおける韓国系団体の強引で強力なロビー活動は有名ですが、彼らの強引で悪質な手口がよく理解できる事件だと考え、メディア記事とともに検証いたしました。



(木走まさみず)