木走日記

場末の時事評論

まるで呪詛(じゅそ)のような醜悪な朝日新聞社説〜安倍首相大批判一色のメディアスクラム状態を憂う

 当ブログでは前回のエントリーで「マスメディアがメディアスクラムで安倍首相大批判を展開する」と言及いたしました。

2013-12-26 安倍首相靖国参拝〜有言実行、安倍首相が勝負に出た

(前略)

 中国と韓国の反発は想定内でしょうが、問題は国内の反発であります。

 朝日新聞をはじめとする靖国参拝に反対するマスメディアがメディアスクラムで安倍首相大批判を展開するのは目に見えています。
(後略)

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20131226

 27日主要紙社説及び地方紙社説は案の定、安倍首相大批判一色のメディアスクラム状態です。

 メディアスクラム状態の社説の一部をご紹介。

【朝日社説】首相と靖国神社 独りよがりの不毛な参拝
http://digital.asahi.com/articles/DA2S10900527.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA2S10900527
【読売社説】首相靖国参拝 外交立て直しに全力を挙げよ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20131226-OYT1T01358.htm
【毎日社説】安倍首相が靖国参拝 外交孤立招く誤った道
http://mainichi.jp/opinion/news/20131227k0000m070122000c.html
【日経社説】靖国参拝がもたらす無用なあつれき
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64640750X21C13A2EA1000/
【東京社説】安倍首相靖国参拝 真の慰霊になったのか
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013122702000134.html
赤旗社説】安倍首相靖国参拝 国際的孤立へと突進する暴挙
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-27/2013122701_05_1.html
北海道新聞】安倍首相靖国参拝 国益を損なう愚かな選択
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/512449.html
琉球新報社説】首相靖国参拝 政権の暴走を危ぶむ 偏狭な歴史観、共有できず
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217185-storytopic-11.html

 参考までにですが韓国メディアの社説もご紹介。

朝鮮日報社説】靖国参拝で挑発した安倍首相、これまでの日本はない
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/27/2013122700998.html
中央日報社説】安倍首相の靖国参拝は時代錯誤的スキャンダル
http://japanese.joins.com/article/921/179921.html?servcode=100§code=110

 首相靖国参拝を肯定的に扱った社説は全メディアの中でネットで私が確認した限り産経新聞一紙のみという異常さです。

【産経社説】首相靖国参拝 国民との約束果たした 平和の維持に必要な行為だ
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64640750X21C13A2EA1000/

 予想通り、朝日新聞をはじめとする靖国参拝に反対するマスメディアが総出でメディアスクラム、安倍首相大批判を展開している状態であります、異様な光景と申せましょう。

 で彼らは何を主張しているのか、社により論説の色合いは若干異なりますが、代表して普段は2本の社説を1本に絞って力説している朝日新聞の社説を読み解いてみましょう。

 社説は冒頭から「内向きな、あまりに内向きな振る舞いの無責任さに、驚くほかはない」という強烈な形容を使っての安倍批判で始まります。

 内向きな、あまりに内向きな振る舞いの無責任さに、驚くほかはない。

 安倍首相がきのう、靖国神社に参拝した。首相として参拝したのは初めてだ。

 安倍氏はかねて、2006年からの第1次内閣時代に参拝しなかったことを「痛恨の極み」と語ってきた。一方で、政治、外交問題になるのを避けるため、参拝は控えてきた。

 そうした配慮を押しのけて参拝に踏み切ったのは、「英霊」とは何の関係もない、自身の首相就任1年の日だった。

 そして「首相がどんな理由を挙げようとも、この参拝を正当化することはできない」と断罪します。

 首相がどんな理由を挙げようとも、この参拝を正当化することはできない。

 中国や韓国が反発するという理由からだけではない。首相の行為は、日本人の戦争への向き合い方から、安全保障、経済まで広い範囲に深刻な影響を与えるからだ。

 さらに首相の靖国参拝「永遠の不戦を誓った戦後の日本人の歩みに背を向ける意思表示」である、「戦後日本への背信であると批判します。

 ■戦後日本への背信

 首相は参拝後、「母を残し、愛する妻や子を残し、戦場で散った英霊のご冥福をお祈りし、手を合わせる。それ以外のものでは全くない」と語った。

 あの戦争に巻き込まれ、理不尽な死を余儀なくされた人たちを悼む気持ちに異論はない。

 だが、靖国神社に現職の首相や閣僚が参拝すれば、純粋な追悼を超える別の意味が加わる。

 政治と宗教を切り離す。それが、憲法が定める原則である。その背景には、軍国主義国家神道が結びついた、苦い経験がある。

 戦前の靖国神社は、亡くなった軍人らを「神」としてまつる国家神道の中心だった。戦後になっても、戦争を指導し、若者を戦場に追いやったA級戦犯をひそかに合祀(ごうし)した。

 境内にある「遊就館」の展示内容とあわせて考えれば、その存在は一宗教法人というにとどまらない。あの歴史を正当化する政治性を帯びた神社であることは明らかだ。

 そこに首相が参拝すれば、その歴史観を肯定していると受け止められても仕方ない。

 それでも参拝するというのなら、戦死者を悼みつつ、永遠の不戦を誓った戦後の日本人の歩みに背を向ける意思表示にほかならない。

 「首相の参拝に、侵略の被害を受けた中国や韓国は激しく反発」していると指摘、「外交的な下策」であると強烈な表現が続きます。

 ■外交にいらぬ火種

 首相の参拝に、侵略の被害を受けた中国や韓国は激しく反発している。参拝は、東アジアの安全保障や経済を考えても、外交的な下策である。

 安倍首相はこの春、「侵略の定義は定まっていない」との自らの発言が内外から批判され、歴史認識をめぐる言動をそれなりに自制してきた。

 一方、中国は尖閣諸島周辺での挑発的な行動をやめる気配はなく、11月には東シナ海の空域に防空識別圏を一方的に設定した。米国や周辺諸国に、無用な緊張をもたらす行為だとの懸念を生んでいる。

 また、韓国では朴槿恵(パククネ)大統領が、外遊のたびにオバマ米大統領らに日本の非を鳴らす発言を繰り返してきた。安倍首相らの歴史認識への反発が発端だったとはいえ、最近は韓国内からも大統領のかたくなさに批判が上がっていた。

 きのうの首相の靖国参拝が、こうした東アジアを取り巻く外交上の空気を一変させるのは間違いない。

 「留飲をさげるだけの行為ではないか。それにしてはあまりに影響は大きく、あまりに不毛」であると続けます。

 この地域の不安定要因は、結局は歴史問題を克服できない日本なのだという見方が、一気に広がりかねない。米政府が出した「失望している」との異例の声明が、それを物語る。

 外交官や民間人が関係改善や和解にどんなに力を尽くそうとも、指導者のひとつの言葉や行いが、すべての努力を無にしてしまう。

 問題を解決すべき政治家が、新たな火種をつくる。

 「痛恨の極み」。こんな個人的な思いや、中国や韓国に毅然(きぜん)とした態度を示せという自民党内の圧力から発しているのなら、留飲をさげるだけの行為ではないか。それにしてはあまりに影響は大きく、あまりに不毛である。

 首相はきのう、本殿横にある「鎮霊社」にも参った。

 鎮霊社は、本殿にまつられないあらゆる戦没者の霊をまつったという小さな社(やしろ)だ。首相は、ここですべての戦争で命を落とした方の冥福を祈り、不戦の誓いをしたと語った。

 ここまで長文のこの朝日社説を読み解いてみて驚くのは、何か具体的な提案は皆無でありまして、ただただ安倍首相及びその行動を大げさな形容で罵り続けているだけです。「内向きな、あまりに内向きな振る舞いの無責任さ」、「戦後日本への背信」、「外交的な下策」、「留飲をさげるだけの行為」、「あまりに影響は大きく、あまりに不毛」と。

 社説は最後に「新たな追悼施設を」つくるべきとの提案をします、そして「戦後70年を控えているというのに、いつまで同じことを繰り返すのか」と結んでいます。

 ■新たな追悼施設を

 安倍首相に問いたい。

 それならば、軍人だけでなく、空襲や原爆や地上戦に巻き込まれて亡くなった民間人を含むすべての死者をひとしく悼むための施設を、新たにつくってはどうか。

 どんな宗教を持つ人も、外国からの賓客も、わだかまりなく参拝できる追悼施設だ。

 A級戦犯がまつられた靖国神社に対する政治家のこだわりが、すべての問題をこじらせていることは明白だ。

 戦後70年を控えているというのに、いつまで同じことを繰り返すのか。

 ・・・

 要するにこの「【朝日社説】首相と靖国神社 独りよがりの不毛な参拝」の文章構成は今読み解いたどおり、冒頭の「内向きな、あまりに内向きな振る舞いの無責任さ」から結びの「いつまで同じことを繰り返すのか」まで、まるで呪詛(じゅそ)のような口汚い安倍首相への罵り(ののしり)で埋め尽くされており、具体的な対案は「新たな追悼施設」ぐらいしか提示されていません。
 ただ安倍首相をだらだら口汚く罵っているだけの駄文であります。

 建設的な論説はほとんどない、批判のための批判が主の空論です。

 朝日新聞以外の主張もその大半がただ安倍首相の行動を批判するだけの論がほとんどです。

 掘り下げた議論が成り立っていません。

 この国のメディアの現状は悲惨です。

 安倍首相大批判一色のメディアスクラム状態を憂います。



(木走まさみず)