木走日記

場末の時事評論

「日本に流れる地の気を遮断せよ」(朝鮮日報記事)〜やれやれ、おそらくこれはまじめな記事なのであり決して釣りではない

 ふう。

 ついにここまで来たのか・・・

 この21日付け韓国・朝鮮日報記事がアツイのです。

風水を利用して日本を制圧せよ
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/09/21/2013092100046.html

 キム・ドゥギュ教授=又石大学教養学部によれば、こうです。

 智異山のふもとに実相寺という寺がある。この寺には「日本が栄えれば実相寺が滅び、日本が滅びれば実相寺が栄える」という言葉が伝えられている。日本に流れる地の気を遮断するため、この地に寺を建てたという逸話もあり、鐘に刻まれた日本地図を連想させる模様を打つたびに、日本の富士山が1発殴られるそうだ。

 うーむ、韓国の実相寺は「日本に流れる地の気を遮断するため、この地に寺を建てた」のであり、「鐘に刻まれた日本地図を連想させる模様を打つたびに、日本の富士山が1発殴られる」のだそうです。

 大学の教授が真顔で「風水を利用して日本を制圧せよ」と唱え、それが韓国三大紙のひとつ、朝鮮日報が堂々と記事として報道するのであります。

 大新聞に大学の教養学部教授がこの主張です。
 そして、おそらくこれはまじめな記事なのであります、決して釣りではないのであります。
 教授によればこれまでの歴史で韓国の土地の気脈を断ち切った加害者は三者あるとのことで、その三番目は日本統治時代に日本人なのだそうです。

これまで韓国の土地の気脈を断ち切った加害者として三つのケースが良く知られている。その三つとは▲高麗王朝が済州島を完全に服属させるために中国人風水師の胡宗旦(高麗に帰化し高麗王の睿宗と仁宗に仕える)を派遣し脈を断ち切らせた▲壬辰倭乱文禄・慶長の役)当時朝鮮に出征した明の李如松が全国の地脈を断ち切らせた▲日本統治時代に日本人が全国に杭を打ち込んだ−ことを指し、これらは済州島と朝鮮に大物が生まれないようにする鎮圧風水に基づく行為だったといわれている。

 うーん、「日本統治時代に日本人が全国に杭を打ち込んだ」のは、私は、学校建設や鉄道網施設などの大規模なインフラ建設工事に基く測量のための杭打ちだと思っていましたが、いやいや済州島と朝鮮に大物が生まれないようにする鎮圧風水に基づく行為」だったのであります。

 また教授によれば、安倍首相が最も尊敬する人物・吉田松陰「朝鮮を奪ってから満州を取って中国を制圧せよ」と主張していたのでございます。

吉田松陰は安倍首相が最も尊敬する人物で、伊藤博文など朝鮮を侵略した張本人たちの直接の師匠だ。松陰は「朝鮮を奪ってから満州を取って中国を制圧せよ」「豊臣秀吉の遺志を継ぐ以外に道はない」などと主張したことでも知られている。

 ・・・

 日本人は、この大学教授による大新聞・朝鮮日報に掲載された「風水を利用して日本を制圧せよ」という記事について、2つのことを冷静に学ばなければならない、と私は考えます。
 ひとつは自らの知的レベルを貶めて彼らと同レベルの非科学的論争に加わってはならないということです。
 このような低レベルの因縁付けは無視いたしましょう、関わるだけ無駄です。
 不毛です。
 しかしもうひとつ学習すべきことは、おそらくこれはまじめな記事なのであり、決して釣りではないという事実です。
 記事の結語、京城神社があった場所で安重根が伊藤を射殺した10月26日を記念し大統領や閣僚がこの地にある安重根銅像を参拝する」、これが世迷言ではなく実現性があることを肝に銘じるべきです。

 記事の結びから。

 伊藤博文が日本人にとっての英雄ならば、安重根はわれわれにとっての英雄だ。鎮圧風水が効果を発揮するには、われわれにも具体的な行動や発言などが必要だ。例えば安重根が伊藤を射殺した10月26日を記念し、大統領や閣僚がこの地にある安重根銅像を参拝するのはどうだろう。日本の首相はどのような気分になるだろうか。

 ・・・

 繰り返しになりますが、このトンデモ記事から我々日本人が心すべきことは2点です。

 これからも続くであろう日本に対する低レベルの因縁付けは実害が無い限り無視いたしましょう、関わるだけ無駄です。

 しかし彼らにとって「風水を利用して日本を制圧せよ」はトンデモでもなんでもなく、大学教授がまじめに論考し本まで起こしている主張であることを、抑えておきましょう。

 無視せよ、しかし彼らは本気だ、警戒は怠るな、ということだと思います。

 やれやれです。



(木走まさみず)