木走日記

場末の時事評論

スタコラサッサと球界から「敵前逃亡」するクソリーダー加藤良三

 うむ、プロ野球加藤良三コミッショナー(72)は19日、東京都内で行われたオーナー会議で、統一球問題の責任を取って今季のレギュラーシーズン終了後に辞任する意向を表明いたしました。

加藤コミッショナーが辞意表明「統一球問題で迷惑掛けた」
http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20130919-OHT1T00113.htm

 当ブログとして、これまでの本件に関するメディアの報道等を簡単にトレース・検証しておき、ここに至るまでの経緯を押さえた上で、指導者・リーダーたるものの責任の取り方について、本件を通じて読者のみなさまとしっかりと学習・考察いたしたいと考えます。

 事の発端は6月12日であります。

 プロ野球で使用されている統一球の弾性係数が内緒で変更され今シーズンから良く飛ぶ球になりホームランが量産されていることが発覚します。

 記者会見した加藤コミッショナー「昨日まで全く知りませんでした。」と自身の関与を全面的に完全否定します。

 6月13日付け日刊スポーツ記事。

加藤コミッショナー「知らなかった」
 [2013年6月13日7時13分 紙面から]
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130613-1141707.html

 すべては「下田邦夫事務局長(59)が独断で変更していた」としています。

「釈明会見」を開き、下田邦夫事務局長(59)が独断で変更していたと発表した。加藤良三コミッショナー(71)は、騒動について謝罪したものの「私は(問題が発覚した)昨日まで全く知らなかった。事前に知っていれば公表していた」と、自身の関与については完全否定した。下田事務局長は辞任を示唆した。

 統一球にはすべて加藤コミッショナーのサインが刻印されております、それをご当人が「全く知りません」では、それが本当だとしても責任者としての管理能力が大きく疑われる醜聞だと思うわけですが、それはともかく、加藤コミッショナーは責任を追及する記者に対しては「下田邦夫事務局長の独断」であり自分自身は「不祥事を起こしたとは思っていません」と堂々と居直っています、でご注目いただきたいのは「下田邦夫事務局長の独断」、この発言です、のちほどこの発言が墓穴を掘ることになりますのでどうかご留意を(苦笑)。

 さて、12日のこれら一連の加藤コミッショナーの無責任な発言に、世論の批判・苦情が殺到いたします、大慌てで2日後の14日に再度の釈明会見を開き「ファン、選手の方々に迷惑をおかけしたことについては大変な失態であったと思い、猛省しております」と述べるのであります。

 が、相変わらず辞任については重ねて完全否定いたします。

加藤氏反省「大変な失態」今後は第三委へ
http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20130615-1142766.html

 記事より発言部分を引用。

「ファン、選手の方々に迷惑をおかけしたことについては大変な失態であったと思い、猛省しております」。顔を真っ赤にして気色ばみ「不祥事ではない」と開き直った12日の会見後、NPBの電話は苦情で“パンク状態”になった。抗議メールはトータルで5000件を超えた。事の重大さに気が付き、観念したのだろう。

 しかしここでも「私はまったく知らなかった」という主張は崩さず、居直ります。

 加藤コミッショナーは直前に行われた12球団代表者会議でも、事情を説明し、騒動について謝罪した。ただ、統一球変更は下田事務局長の独断で「私はまったく知らなかった」という主張は崩さなかった。自身の辞任についても否定した。関係者によれば、会議に出席した代表者から「本当に知らなかったのか?」と質問が出たが「本当に知らなかった」の一点張り。自身の関与については否定し続けたという。

 さてこの日実は重要な決定がなされます、NPBは本件の事実関係を第三者機関を設置して徹底的に問題点を洗い出すことを発表いたします、統一球問題の事実関係のほか、NPBの組織としてのガバナンスの問題点を加藤コミッショナーの発言の真偽も含めて調査するとしたのです。

 で、です。

 時間をおかずに実際には加藤コミッショナーは統一球検査の報告を随時受けていたことがあっさり発覚いたします。

統一球検査、随時報告受けていた 加藤コミッショナー
http://www.asahi.com/sports/update/0614/TKY201306140380.html

 記事より加藤コミッショナー発言部分抜粋。

 加藤コミッショナーは検査結果が出るたびに、報告を受けていた。この日の会見で、今年4月の数値が高かったことに疑問を持たなかったのかと聞かれると、「基準値に収束させていこうという努力が、(製造するミズノ社で)日々払われているだろうと受け止めていた」と答えた。

 うーむ、これはリーダーとしては極めて格好の悪い事態となってしまいましたね、結果的にですがウソまで付いて部下に責任を転嫁して自身への批判を回避しようとした愚かな図式が出来上がってしまったのであります。

 ・・・

 さてこのように加藤コミッショナーにとって極めて困難な状況で推移してきましたが、いよいよ今月27日に統一球問題を調査する第三者委員会の最終報告がされる段になりましたところ、最初の記事に戻りますが、あまりにも唐突に加藤コミッショナーは辞意を表明されました。

 素晴らしいです、おそらく加藤氏自身のウソやその責任回避が赤裸々に報告されるであろう「第三者委員会の最終報告」から、このリーダー・指導者はあろうことか「敵前逃亡」したのであります。

 まさに山積する問題を「丸投げ」にしてスタコラサッサと球界を去ることにしたわけです。
 さすが元外交官です、機を見るに敏であります。
 言葉が悪くて恐縮なのですが、ここまで見事な無責任なクソリーダーを最近見たことがありません。
 誰が選んだか知りませんが、人を見る眼がありませんねと、苦言を呈しておきます、ネ、ナベツネさん

 ふう。



(木走まさみず)