木走日記

場末の時事評論

この局面で「終わったね、この人」と背後から仲間を撃つ石原慎太郎発言の大局観の無さに驚く

19日付けスポーツ報知記事から。

慎太郎氏から“三下り半”の橋下氏、都議選負けたら維新共同代表辞任
 日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長(43)は19日、今月23日投開票の東京都議選について「支持を受けられなかったら共同代表を継続するわけにはいかない」と述べ、選挙結果次第で辞任する考えを明らかにした。自身の従軍慰安婦発言によって党内に反発が広がり、石原慎太郎共同代表(80)との亀裂が表面化。都議選での勝敗ラインは明言しなかったが、自ら進退に踏み込んだ。

 蜜月関係だったはずの石原氏から突き付けられた“三下り半”の宣告に、強気一辺倒だった橋下氏がついに辞任の覚悟をほのめかした。大阪市役所で記者団から参院選の結果と進退について問われ、「都議選の結果次第でもそうじゃないですか」と自ら責任範囲を拡大し、参院選前に辞任する可能性を示唆した。

 石原氏は前日、スポーツ報知の取材に「終わったね、この人」と橋下氏の政治生命が尽きたとの見方を示し、参院選の結果が橋下氏の進退問題に発展するとの認識まで示していた。

(後略)

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20130619-OHT1T00263.htm

 うーん、「石原氏は前日、スポーツ報知の取材に「終わったね、この人」と橋下氏の政治生命が尽きたとの見方を示し、参院選の結果が橋下氏の進退問題に発展するとの認識まで示していた」のであります。

 この石原発言、一部にアントニオ猪木氏直伝のヤラセ発言であり支持率低迷する維新の会に注目を集めるための八百長内乱ではないのか、との疑惑があるわけですが、私はそうは思いません、石原氏のこの一連の発言は本音であると思います。

 石原氏は、お膝元の東京都議会選における維新の会の候補の苦戦振りに、腹を据え兼ねて本気で橋下氏に怒りをぶつけているのだと、私は見ています。

 記事後段で、石原氏は「大迷惑。言わなくてもいいことを言ってタブーに触れた」と橋下批判を始めたそうですが、確かに一連の橋下氏の「従軍慰安婦問題」発言は選挙戦術としてよろしくなかったのではないかと、当ブログでも前回指摘をしました。

2013-06-17
■[政治]完全なる選挙戦術ミスで悲壮感すら漂う橋下維新〜「従軍慰安婦問題」で「正義の袋小路」にはまってしまった
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20130617

 しかしそれをもって、メディアに向かって「終わったね、この人」発言は同一政党の共同代表という「同志」の発言としては、失格です。

 まあ、石原氏は昔から対人関係で我慢が聞かないただのわがままな「お山の大将」でした。

 国会議員を辞めたときも都知事を止めたときも、誰にも相談しませんでしたし、仲間を切ることは平気な人なのです。

 しかし今回の「終わったね、この人」発言には強い違和感を持ったのは私だけじゃないでしょう。

 維新の会に後から合流したのは石原さん達なのであり、合わないならば石原さんたちが出て行くのが筋というものでしょう。

 はっきりしているのは維新がここまで伸びてきたのは橋下さんの個人的人気によるものです。

 橋下さんが辞めてしまえばこの政党は存在しえないでしょう。

 いずれにせよ、この局面で背後から仲間を撃つようなマネをすることは理解できません。

 都議会選、参議院選と続く、この大事な局面で仲間をマスメディアで「終わったね、この人」と批判する、憂さを晴らすため大局観の無いただのわがままな発言をはなっているだけでしょう。

 政治家として終わってしまえばいいのは石原慎太郎さんのほうではないでしょうか。

 こんな人を仲間にしてしまった、その点は橋下さん達は猛省すべきでしょう、今後はもっと人を見る目を養いましょう。

 ふう。



(木走まさみず)