木走日記

場末の時事評論

色々な意味でオカシイ中国人民日報社説〜「日本が歴史問題でずる賢く立ち回ることこそ本当の「自虐」」

 なんだかなあという28日付けの「人民網日本語版」記事です。

日本が歴史問題でずる賢く立ち回ることこそ本当の「自虐」
人民網日本語版」2012年12月28日
http://j.people.com.cn/94474/8074030.html

 安倍さんが歴史問題においてずる賢く立ち回っていることこそ本当の「自虐」なのだそうです。

 一読の価値ありですのでこの中国人民日報の論説に関心のお有りの読者はリンク先をお読みください。

 呼んでいて思わず苦笑した箇所を抜粋しておくに留めておきます。

 まず記事の冒頭。

 その国の歴史教科書に書かれた通りに、その国の国民は歴史を認識する。

 さすが中国共産党機関紙です、自分達の偏向した教科書による反日教育を賛美しているように取れますね。

 ここは重要な点なので再度論説の後半に顕われます(苦笑)。

 周知のように、その国の歴史教科書に書かれた通りに、その国の国民は歴史を認識する。歴史問題においてずる賢く立ち回ることこそが、本当の「自虐」だ。日本が誤った歴史観を固守したまま「普通の国」の列に加わり、アジア諸国の寛大な許しと尊重を得ることは永遠に不可能だ。

 しかしなあ、「アジア諸国の寛大な許しと尊重を得ることは永遠に不可能」っていつまでもどこまでも上から目線なんですよね。

 ふう。

 で、論説は最後にこう結ばれています。

 日本の近代史を振り返り、日本が失敗を重ねて原爆まで投下された原因を分析すると、自分が思い上がって、他者の知能指数と実力を見くびったことが運の尽きだった。こうした小賢しさはどこから来るのか?日本の政治屋達自身が最もよくわかっている。注意を促しておきたいのは、過去の侵略の歴史について徹底的な反省をしなければ、日本が根本的是非に関わる問題で小賢しく立ち回る悪習を捨てることはあり得ないということだ。

 策士策に溺れる。この古訓に含まれる道理が時代後れになることは永遠にない。(編集NA)

 「日本が失敗を重ねて原爆まで投下された原因を分析すると、自分が思い上がって、他者の知能指数と実力を見くびったことが運の尽き」とはすごい分析ですが、日本の敗因はもちろん経済大国「米国」の軍事力・生産力を見くびった点にありますが、「中国」に負けたわけではないのですが。

 全編を通じて、安倍政権が教育改革を通じて子どもたちに「歴史と文化を尊重する姿勢」を身につけさせる点を異常に警戒しているのが分かります。

 行き過ぎた事実を曲げた反日愛国教育の効果のお陰で反日デモの暴徒化をコントロールするのに手を焼いてる、つまり愛国教育の効果をやりすぎたぐらい良く知っている中国共産党機関紙らしい社説であります。

 「自分達と同じことは日本はするな」、私にはこの論説はこのように主張しているように思えてなりません。

 ほんと色々な意味でオカシイですよね。

 ふう。



(木走まさみず)