木走日記

場末の時事評論

わずか一ヶ月余りで17.1%株高と4.9%円安〜驚異のアベノミックス効果

 安倍さんの掲げる経済政策は「アベノミックス」と呼ばれているようです。

アベノミックス

アベノミックスは、自由民主党の政治家・安倍晋三が掲げる経済政策である。語源は安倍とエコノミクスを足したものである。

デフレ経済を克服するために、インフレターゲットを設定し、これが達成されるまで日銀法改正も視野に、大胆な金融緩和措置を講ずるという金融政策[2][3]。ロナルド・レーガンの経済政策であるレーガノミックスにちなんで、アベノミックスと呼ばれるようになった。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%8E%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9

 海外からも「アベノミックス」を警戒する論調が出始めています。

 18日付け朝鮮日報記事から。

「アベノミックス」による円安、韓国に懸念

 16日の衆院選自民党が圧勝したことで、安倍晋三総裁の経済政策に対する期待感から日本の株価が急騰し、円安が進行している。一方、ウォン相場は1年3カ月ぶりの高値水準に上昇した。韓国の輸出企業は円安ウォン高基調が続くのではないかと緊張感を強めている。

 17日の東京株式市場で日経平均は前週末に比べ0.9%高い9828円で引け、8カ月ぶりの高値を付けた。東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=84円48銭まで円安が進み、1年8カ月ぶりの安値水準となった。

 安倍総裁の経済政策はデフレと円高からの脱却に向け、輪転機を回して円を無制限に刷るなどあらゆる政策を使い、景気を浮揚させることが柱だ。選挙期間中、安倍総裁は現在1%の日銀のインフレ目標を2−3%に引き上げ、そのために10年間で200兆円の公共事業を行い、日銀が建設国債を無制限に買い取るなどの手段を総動員すると表明した。

■韓国の輸出に悪材料

 そうなれば、円資金が市中に潤沢に供給されて円安が加速する可能性がある。安倍総裁が示した円相場の目標は90円。1カ月前に79円台だった円相場は、自民党圧勝の可能性が浮上し、「アベノミックス」への期待感から83円台へと5%近く下落した。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)は日本の主要シンクタンクの分析を引用し、来年末には90円まで円安が進むと予想した。東京株式市場では株価が1カ月で10%以上上昇したが、円安で輸出企業の業績が改善するのではないかとする期待感が一因だ。日本の代表的な輸出企業であるトヨタ自動車は、円が対ドルで1円値下がりするたびに営業利益が400億円ずつ増える。

 一方、ウォンは円とは逆の動きを示している。対円でウォンは9月末の100円=1420ウォンから17日には1276.20ウォンまで上昇した。自動車産業研究所は100円当たりでウォンが10%下落するごとに韓国の自動車輸出額が約12%減少すると分析した。韓国貿易協会国際貿易研究院が韓国の輸出企業789社を対象に実施した調査によると、回答企業の41%が円安による輸出競争力の低下を懸念していることが分かった。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/12/18/2012121801006.html

 確かに株価上昇、円下落の動きが止まりません。

 21日付け産経新聞電子版記事から。

東京株、106円高の大幅反発で始まる 寄り付き1万0145円、さらに上昇
2012.12.21 09:15

 21日の東京株式市場は大幅反発で始まった。日経平均株価の寄り付きは、前日比106円25銭高の1万0145円58銭。さらに上昇し、上げ幅を130円超とし、4月2日(高値1万190円35銭)以来8カ月半ぶりの高値水準とした。

 東証株価指数(TOPIX)の始値は、前日比8.25ポイント高の846.86。

 前日の欧州市場はまちまちだったが、米国ニューヨーク株式市場はダウ工業株30種平均が59ドル上昇し、好影響が及んだ。円相場も午前8時ごろから円安の動きが強まり、上げ材料となっている。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121221/fnc12122109040004-n1.htm

 うーむ、株高の動きが止まりません、連動して為替も大きく円安に動いています。

 野田首相衆院解散を意思表示した11月14日から今までの一ヶ月余りの株価と為替の動きをまとめて見ましょう。

■表1:直近の株価と円相場の推移(2012年11月14日〜12月21日)

日付 株価(日経平均 円相場(対ドル)
2012年12月21日 10,145.58 84.20
2012年12月20日 10,039.33 84.36
2012年12月19日 10,160.4 84.40
2012年12月18日 9,923.01 84.20
2012年12月17日 9,828.88 83.88
2012年12月14日 9,737.56 83.47
2012年12月13日 9,742.73 83.63
2012年12月12日 9,581.46 83.25
2012年12月11日 9,525.32 82.51
2012年12月10日 9,533.75 82.33
2012年12月7日 9,527.39 82.46
2012年12月6日 9,545.16 82.39
2012年12月5日 9,468.84 82.46
2012年12月4日 9,432.46 81.89
2012年12月3日 9,458.18 82.23
2012年11月30日 9,446.01 82.45
2012年11月29日 9,400.88 82.12
2012年11月28日 9,308.35 82.05
2012年11月27日 9,423.3 82.13
2012年11月26日 9,388.94 82.06
2012年11月23日 ------- 82.41
2012年11月22日 9,366.8 82.45
2012年11月21日 9,222.52 82.50
2012年11月20日 9,142.64 81.66
2012年11月19日 9,153.2 81.40
2012年11月16日 9,024.16 81.26
2012年11月15日 8,829.72 81.14
2012年11月14日 8,664.73 80.24

※12月21日は始値、それ以外は終値

 この短期間で株価は8,664.73円から10,145.58円と17.1%の株高、円相場は80.24円から84.20円と4.9%の円安となっております。

 グラフ化して重ねると株高と円安が非常に綺麗に連動していることが見て取れます。

■図1:直近の株価と円相場の推移(2012年11月14日〜12月21日)

 わずか一ヶ月余りでここまで相場トレンドが大きく変化するとはちょっと最近記憶にありません、驚異的と表現していいかもしれません。

 すごいです。

 私は自民党の政策を全て支持する立場は取りませんが、この驚異のアベノミックス効果は現在のところですが認めざるを得ません。

 この傾向が後から「あだ花」だったと評価されないよう、安倍さんには是非堅実な経済政策を実施していただきたいものです。



(木走まさみず)