木走日記

場末の時事評論

日本維新の会は政界の「茶坊主ホイホイ」である

 日本維新の会発足や自民党総裁選に比較し、世間の注目をほとんど浴びていない民主党代表選ですが、4人の立候補者の中で、私は個人的に原口一博氏及び氏を推薦した議員諸氏の動向に注目しています。

 理由は原口氏自身の節操のない変わり身の早さが此度の代表選の後にどう発揮(?)されるのか、おおいに関心があるからです。

 実は原口氏を支持するグループは20人に届かず他グループから推薦人を借りているのが実態ですが、彼を支持するコアな議員達は少なからず「民主党離党予備軍」と呼ばれており、タイミングをみて民主党から離脱しその多くが日本維新の会に合流することを目論んでいるとの見方が有力です。

 原口氏自身、地元で「日本維新の会」という政治団体をすでに設立しており、今回団体名がバッティングしていること(総務省の見解では法的問題はないとのこと)で、中国まがいのこっちが先だ論を展開しだすのでは、と一部で冷かされているわけですが、橋下氏と親しい関係であることを公言、また維新の会をことあるごとにべた褒め、賞賛しているのも衆知の事実です。

 この原口グループに代表される民主党離党予備軍たちも、日本維新の会は本当にすべて受け入れるのでしょうか。

 維新の会合流が確実視されている東国原前宮崎県知事も最近維新の会がらみで頻繁にテレビに出ては橋下氏をベタベタに褒めてはその維新「茶坊主」振りを見せ付けているわけですが、あえて挑発的な言い方をさせていただきますが、このままでは、維新の会は、単に勝ち馬に乗らんがだけの、己に何の信念もない「政界茶坊主」たちの吹き溜まりになるのではないか、つまり、維新の会は政界の「茶坊主ホイホイ」になってしまうのではないか、と思えてしまうのです。

 橋下氏は維新八策に従うことを絶対条件にしていますが、東国原氏や原口氏などの政界茶坊主にしてみれば、「従います、支持します」と発言することなど、何の支障もないことです、ずっとそうやって生きてきた人たちです。

 その代わり、いざことに臨むとき、平気で人を裏切り、より自分が有利になる別の強者に擦り寄っていくのも「茶坊主」の特徴なのであります。

 次の総選挙で300〜400の立候補者を擁立するそうですが、私は橋下氏の人物を見る目が心配です。

 自力で選挙資金を用立てられて維新八策に従う者の中から立候補者を選ぶそうですが、その人物の有する信念、過去の政治的信条をしっかりと吟味することはできるのでしょうか。

 ただ選挙資金が用意可能で維新八策を守るというだけで人選すれば、ここでも橋下「茶坊主」たちがわんさか湧き出す予感がしてならないのです。

 私は会社経営を長くしています関係で今まで1000人を越える人たちの面接をしてきましたが、どんなに立派で耳に心地いい入社志望の動機を述べる人がいても、その美辞麗句はまったく信用しません。

 それよりもその人が本来持っている資質、信念、性格、向上心、といったものを、いかに短時間の面接行為で見抜くか、ここが面接の要諦であると思っております。

 ・・・

 日本維新の会の、いや橋下氏個人のと言ったほうが正確でしょう、その行動力、突破力、既存の政治を根本から再構築したいといった気概は、民主や自民など既存政党にはない魅力だと思います。

 ビルを再構築する作業では、まずビルを解体しさら地にしたうえで新たなビルを建設いたします。

 当然ながら解体作業と建築作業では業者は異なります。

 橋下氏の突破力をもってすれば、政界の既存秩序を破壊するスクラップ業者の役割は担えるかもしれません。

 しかし茶坊主ばかりの烏合の集団に陥れば、建設的なビルド業者の役割は人材面で不可能となることでしょう。

 別に純血主義で行けとか閉鎖的な人選をせよと言っているのではないのですが、橋下氏はじめ日本維新の会の幹部諸氏に本当に人を見る目があるのか、今、厳しく問われているのではないでしょうか。

 あえて強烈に風刺しておきます。

 TPPに反対している元民主議員や人格的に問題がある(と私は確信しています)東国原氏など、ただ勝ち馬に乗らんがための、信念も何もない輩をどんどん受け入れるのなら、日本維新の会は政界の「茶坊主ホイホイ」であります。

 このような集団では、何かを壊すことには力になるかもしれませんが、建設的な作業は不可能でしょう。




(木走まさみず)