木走日記

場末の時事評論

何が「この国の明日へのともしび」「世界の常識」だ?〜詭弁弄するマスメディアに正義の鉄槌を!!

 クイズです。

設問:以下の2つの冊子タイトルは社団法人日本新聞販売協会が最近作成したものである。(A)に漢字2文字、(B)に漢字4文字を当てはめてタイトルを完成させなさい。

「(A)の(B)はこの国の明日へのともしび」
「(A)と消費税/(B)は世界の常識」

 うむ、これは難問でしたかね、答えは

「新聞の軽減税率はこの国の明日へのともしび」
「新聞と消費税/軽減税率は世界の常識」

 だそうであります。

新聞の軽減税率はこの国の明日へのともしび
http://www.nippankyo.or.jp/summary/info/pdf/%E6%96%B0%E8%81%9E%E3%81%AE%E8%BB%BD%E6%B8%9B%E7%A8%8E%E7%8E%87%E3%81%AF%E2%80%A63.pdf

 うむ、新聞を消費税軽減することは、「いのちを守り、にんげんを育てる財への消費税の減免」に繋がるのだそうです。

 収入が低いほど?税負担度?が高くなるという性質が現行消費税にあります。
 その弊害を防ぐため、消費税の原型であった売上税案「税制改正大綱」(昭和62 年度)では、44 項目の非課税品目をあげていました。
 食料品/医療/教育・文化/輸送/報道/住宅/金融・保険などの各分野に及びますが、その31に「新聞(一般日刊新聞・購読料)」もあります。(別紙?参照)
 私たち日本新聞販売協会が、かねがね申しのべてきた「いのちを守り、にんげんを育てる財への消費税の減免」という考えと軌を一にするものです。

 そして新聞を消費税軽減することは「つぎの世代、そのまたつぎの世代につながる知的水準の維持のため」なのだそうです。

 複数税率の実現には、いくつかの課題が横たわっており容易でないとしても、いっぽう、この国の活字文化保持のため、つぎの世代、そのまたつぎの世代につながる知的水準の維持のため、いまここで実現へ力をつくさなければ時を失する恐れがあります。

 で、読売世論調査で「生活必需品への軽減税率」について賛成が68%であると示した上で、臆面もなく「衆参両院議員先生をはじめ、日本の指導的立場におられる各位」にお願いしているのであります。

※「生活必需品への軽減税率」について、世論調査での意見。

 衆参両院議員先生をはじめ、日本の指導的立場におられる各位が、以上の趣意をお汲みあげのうえ、いまこそ「いのちを守り、にんげんを育てる財への消費税の減免」複数税率を実現し、もってこの国の明日へ燦然と灯を点じてくだるよう願ってやみません。

 この小冊子「新聞の軽減税率はこの国の明日へのともしび」ですが、今確認いただいたとおり、社団法人日本新聞販売協会が国民にではなく「衆参両院議員先生をはじめ、日本の指導的立場におられる各位」に圧力をかけるためにまいたパンフです。

 自分達がよく報道で批判する密室で政府に懇願するみっともない圧力団体に自らなり下がっているわけです。

 それにしても新聞の軽減税率は「この国の明日へのともしび」だの「世界の常識」だの、よく臆面もなく言えたものです。

 あれほど各紙メディアスクラムで消費税増税の旗振り役をしていたくせに、いざ消費税増税法案が国会通過の見通しになると、自分達だけは例外扱いをしろと、よく主張できますね。

 17日付け産経社説も19日付け読売社説も、いまだ早く新聞の軽減税率を実現しろと吼えております。

一体改革法案 3党合意ベースに議論深めよ(7月19日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120719-OYT1T00027.htm

軽減税率 欧州を参考例に導入図れ
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120717/fnc12071703060000-n1.htm

 産経社説の結びの言葉があきれるほどいい味出しています。

 超党派の国会議員による「活字文化議員連盟」が新聞や書籍に対する税率引き上げに反対し、現行税率の維持を求める声明を出したのも、こうした欧州の事例があるためだ。消費税増税にともなう負担軽減策導入にあたっては、きめ細かな配慮が不可欠だ。

 「きめ細かな配慮が不可欠」って、誰にですか、社団法人日本新聞販売協会さんにですか。

 勝手に、電気・ガス・水道や食品・医療・教育などの真の「生活必需品」に新聞購読料を含めていますが、こんな詭弁じみた主張とおるはずもないのはたった一つの事実ではっきりするものです。

 新聞購読料が「生活必需品」ならばなぜここ10年以上新聞発行部数は減り続けているのですか

 ネットが普及して以来、「生活必需品」どころか新聞など必要なく読まない国民が増え続けているのではないですか。

 軽減税率は、食料品や新聞、書籍などの税率を低くするもので、欧州では、大半の国が導入している。最も分かりやすく、効果的な措置と言えよう(読売社説)。

 勝手に新聞購読を食料品と並べて論じてほしくありません。

 ここにトレンド総研 (東京都渋谷区)が、今後の消費者動向に大きな影響を与え得る、「消費税の税率引き上げ問題」に対する消費者の意識・実態を明らかにするために、20代〜50代の男女1,117名を対象に「消費増税に関する調査」を実施した記事があります。

〜消費増税、軽減税率、給付付き税額控除、…“消費者意識”を徹底調査〜 増税容認37% 「世帯年収」との相関とは!? 支持率7割の「軽減税率」、キーワードは“生活必需品”と“エコ”
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000003448.html

 これは絶対にマスメディアは取り上げない事実なのですが、その中で商品カテゴリー別の軽減税率支持率が実に興味深いです。

 食料費や光熱費に比べれば、新聞や雑誌なんてお酒やタバコみたいに国民にとっては「生活必需品」なんて認識は薄いことが明々白々なんです。

 もし軽減税率を採用するならば、どのカテゴリーが軽減税率にふさわしいか、国民投票を要求します。

 詭弁弄するマスメディアに正義の鉄槌を!!

 

(木走まさみず)