木走日記

場末の時事評論

マクドナルド市とかサムスン市とか北京国瑞昇科技有限公司市とか

 「財政破綻一歩手前の大阪府泉佐野市は新たな歳入確保策として、企業から広告料をもらう代わりに市の名称を企業名や商品名に変更する自治体名の命名権ネーミングライツ)売却に乗り出すことを決めた」そうであります。

泉佐野 市の名前売ります…財政難で苦肉の策
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120321-OYO1T00720.htm

 記事によれば命名権を売却する項目はおもに5つ。

命名権を売却する項目
・市の名称
・市の愛称
・市庁舎等の愛称
市道の通称
・市職員の制服に企業名等を入れる

 うーん、これはどうなんでしょう、例えば日本マクドナルドに売却したと仮定すると、大阪府マクドナルド市が誕生するってことで、市の愛称が「ビックマック市」とか、市庁舎の愛称が「スマイルゼロ円」庁舎とか、市道が「フィレオフィッシュ通り」とか「マックフライポテト(S)通り」とかになってしまうのでしょうか。

 でもって南海本線泉佐野駅」は「マクドナルド駅」に改名、高速の「泉佐野ジャンクション」「泉佐野」「泉佐野北」「泉佐野南」各出口は「マクドナルドジャンクション」「マクドナルド」「マクドナルド北」「マクドナルド南」となるのでしょうか。

 で泉佐野市立第三中学は「マクドナルド第三中学」になり、そうなると校歌も変えざるを得ないのでしょうか。

 市内の全法人は登記簿の変更を余儀なくされ所在地「大阪府マクドナルド市」に変わり、しかし市内にある(あるかしりませんが)ロッテリアモスバーガー店は「ロッテリアマクドナルド店」とか「モスバーガーマクドナルド店」となり、ゴルフ場の泉佐野カントリークラブは「マクドナルドCC」となるのでしょうか。

 記事によれば「契約期間は1〜5年」だそうですが、じゃあ数年後、マクドナルドとの契約が切れて「牛丼の松屋」に売却されたら、大阪府牛丼の松屋市が誕生し、市の愛称が「みんなの食卓でありたい市」とか・・・。

 数年毎にこんなこと繰り返すつもりでしょうか。

 ふう。

 あと記事でもうひとつ気になったのは、売却先ですが「国内外の企業を対象」って、「外」はまずくないんでしょうか。

 アップル市とかグーグル市ならまだかっこいいですが、サムスン市(韓国企業)とかタタ市(インド企業)とか、北京国瑞昇科技有限公司市(中国企業)とかになったらどうするんでしょう。

 年賀状出すのに「大阪府北京国瑞昇科技有限公司市中町2丁目」とか書くのめんどくさいと思うのですが、どうなんでしょう。

 このお馬鹿な企画、ことの顛末に注目していきたいです。



(木走まさみず)