木走日記

場末の時事評論

新成人のみなさんへ〜グローバルな人材を目指すための7つの心得

 新成人のみなさん、成人の日おめでとうございます。

 みなさんの門出を祝って、大新聞の社説も新成人のみなさんになにやら言っていますので、興味のある人は読んでも構いませんが、具体的なことは何も書かれていないから参考程度にね(苦笑)。

【朝日社説】成人の日に―仲間とつながり世の中へ
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
【読売社説】新成人へ 世界に大きくはばたこう
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110109-OYT1T00643.htm
【毎日社説】成人の日 古い船を動かせるのは
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110110k0000m070098000c.html
【産経社説】新成人に 君らの元気が次代を作る
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/110110/trd1101100336003-n1.htm
【日経社説】若者たちがもっと活躍する社会に
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE0E3E1EBE7E0E5E2E3E2E2E3E0E2E3E38297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D

 「君たちの肩には今後、国の抱える膨大な借金と、増え続ける年金や医療費の負担がのしかかる。そのうえ就職難だ。」(朝日社説)なんて、言われたくないよね失われた20年の「斜陽」日本の戦犯の一人でもあるメディア朝日には特にだよね。

 「新成人は、若さと柔らかい感性を持って、明るい未来を築いて行ってほしい」(読売社説)って、暗い現在を作った一人の悪いナベツネていう老害妖怪がすんでるんだよ、この新聞社には。

 「古い船をいま動かせるのは古い水夫じゃないだろう」(毎日社説)って、知らないよねみんなは吉田拓郎さんなんてね、だいたいフォークミュージックって何だよね、この新聞社一番の赤字で大変なんだけどこのセンスじゃ仕方ないかもね。

 「新成人に 君らの元気が次代を作る」(産経社説)って、アントニオ猪木さんみたい(苦笑)でしょ、この新聞社はね、とってもお右なんだよ、若者の道徳には特にうるさいんだけどね、フジ・サンケイグループ自体は捏造番組作ったりして不道徳なんだよ、残念な人たちなんだ、知ってたかな?

 あともう一社社説があるけどいつもどおり硬くて揚げ足取るのもつまらないから今回は取り上げないね、あそこはね、財界と大企業のことしか頭に無いんだよ。

 大新聞の社説はね、編集室のメタボな親父たちが書いているんだけど、彼らはね、世間を余り知らないから、バカみたいに毎年、成人の日になると、新成人たちに「君たち」なんて二人称で偉そうに呼びかけているんだけど、情報強者の若者達がいまどき紙の新聞の社説なんか読むわけがない、って単純な事実すら気付けないでいるんだ。

 「情弱」な残念な気の毒なおじさんたちなんだ。

 ・・・

 大新聞の社説は新成人に、「グローバルな人材を目指せ」とか「世界にはばたけ」とかうるさく書いているけど、じゃグローバルな人材になるにはどうすればいいのか、具体的なアドバイスは全然無いでしょ。

 大新聞の社説っていつもこうなんだよ、上から目線で偉そうなこと言う割には実効性ある具体策は提示できないんだ。

 不肖・木走オヤジは、一応ITの会社を経営していて社員に外国人もいるし、外国との取引もしています、英語もいちおう話せるので、大新聞社説のような偉そうなアドバイスはできないけど、諸君がこれからの「国際人」を目指すんなら、「グローバルな人材を目指すための7つの心得」を伝授しましょう。

一.箸を正しく持てるようになろう。

 まずはこれが肝心でしょう。

 外国でも日本食ブームだけど、寿司バーとかで米粒ひとつぶでもつまんで君の華麗なる箸さばきを外国人に見せ付けて上げなさい。

 彼らは間違いなく君を尊敬し、自分達のナイフとかフォークとかがいかに野蛮でグロテスクな武器まがいの道具であるのか理解するでしょう。

二.武道、華道、書道、何でも構わない、日本の伝統芸をひとつ身につけよう。

 そろばんでもいいんですが、私の個人的経験では特に「書道」は使えますね、外国人の眼にはとても不思議に映るらしいよ。

 あ、あと柔道は少し危険かも、国によってですが最近じゃね、向こうの方が強かったりするから(苦笑)ね。

三.日本の歴史・文化に興味を持とう。

 これもとっても重要。真の国際人を目指すなら、まず自分の国を語れないとだめだよね。

四.日本の政治に関心を持ち、選挙へ必ず行こう。

 これも重要。真のグローバルな人材を目指すならば、まず日本にいる間は「現在の日本」に積極的に関わるべきだね。

 4月に統一地方選があるからみんなも積極的にいこうね。

五.日本人らしい礼儀・礼節を知ろう。

 日本人らしい相手を気遣う思いやり、しっかり身に付けたいよね。

 しってたかい、海外の観光地でどこの国の観光客が一番現地で評判がいいか、ダントツで日本人なんですよ、理由はお金じゃないんだよ、「礼儀正しくマナーを守る」からだってさ。ちなみにビリは「フランス人観光客」、ビリから2番目が「中国人観光客」だとか。

六.IT技術を使いこなそう。

 これは生まれたときからパソコンや携帯が使い慣れているだろう君たちにアドバイスするのもおこがましいけどね。

 まあこれからの世代の必須アイテムだろうし、国際人目指すなら最新技術は押さえないとね。

七.日本語以外の言語をひとつ習得しよう。

 で、最後はまあプライオリティー的にも私から言わせてもらえば一番どうでもいいとこなんだけど、できれば外国語をひとつ身に付けるといいと思います。

 ・・・

 ようするにです、グローバルな人材を目指すならば、まずは自分の国であるこの日本の文化・歴史・経済についてしっかり学び、習得することが一番なのです。

 そして社会人としてしっかりこの国の政治に参加すること。

 自分の国を語ることができない人間が「国際化」などできるはずがないのです。

 グローバルな人材を目指すならば、「会話能力」ではなく「ハート」ですよ、一番たいせつなのはね。

 不肖・木走親父はかつてインド人、香港人、台湾人、マレーシア人と仕事したときありましたが、そのチームの誰一人ネーティブな英語を話す能力がなかったにも関わらず、会話は英語でした。

 全員がブロークンイングリッシュ文法もめちゃくちゃでしたが、これがまったく通じるんですよ。

 グローバルの人材とは会話能力に長けた人材と勘違いしている会社が多いけど、社内公用語を英語にしたってただ「ハート」がない英語はなせる社員が増えるだけ、「仏像作って魂入れず」になっちゃいますよ。

 新成人のみなさん、お役に立ちましたか。

 まずは箸の使い方からですよ、グローバル化は。



(木走まさみず)