上海万博実行委員会と日本国総理大臣に通底する無法性
１９日付け毎日新聞記事から。
岡本真夜：上海万博ＰＲ曲に盗作された疑いの「そのままの君でいて」が正式決定
シンガー・ソングライターの岡本真夜さん（３６）は１９日、所属事務所「ｎｏｉ」を通じ、５月１日に開幕する「上海万博」の「実行委員会」から、ヒット曲「そのままの君でいて」（９７年）の楽曲使用申請があり、これを受諾したと発表した。岡本さんは「世界中が注目するイベントである上海万博に協力させていただける機会をいただき、とてもステキなお話で光栄です。今後も一音楽家として頑張っていきますので、よろしくお願いいたします」とコメントした。
３月３０日に、開幕３０日前イベントに合わせて発表された万博のＰＲ曲は、中国の著名な作曲家の繆森さんが制作し、俳優のジャッキー・チェンさんらが歌ってきた。しかし発表後、ネット上でＰＲ曲と、岡本さんの「そのままの君でいて」が酷似しており、盗作ではないかと非難が広がった。上海万博事務局は１８日までに「ＰＲソングの使用を暫定的に停止する」としていた。【西村綾乃】
http://www.mainichi.jp/enta/music/news/20100419mog00m200023000c.html
中国当局が公募して採用した万博ＰＲ曲（作曲：繆森氏）が岡本さんの「そのままの君でいて」に酷似というかほぼメロディーラインがそのままパクリだった件で、上海万博実行委員会から岡本さんの所属事務所に直接楽曲使用申請があり、岡本さんは「とてもステキなお話で光栄」と受諾したそうです。
パクリの件にはひと言もふれず、さすが岡本さんは大人の対応です。
しかし、中国当局のウルトラＣ対応にはあきれてしまいますな、パクリした作曲家への抗議は無し、そんな無断で著作権侵害違法曲を選んでしまった上海万博実行委員会の責任に対しての岡本さんへの謝罪も無し、使用料については今後の協議ということみたいですが、コトがばれればカネで解決といわんばかりの無礼千万な傲慢さを感じます。
これで一件落着させてはいけません。
そもそも中国では海外ブランド品の模倣品や音楽、映画、ゲームソフトなどを違法にコピーした「海賊版」作りが、ひとつの産業として成立するほど、知的財産権の侵害が日常化している実態を、本件は実に象徴的に物語っているとも言えるからです。
昨年１０月、マイクロソフトが発売した「ウィンドウズ７」は、すぐさま１枚わずか５元（約７０円）の海賊版が出回ったし、「クレヨンしんちゃん」や「キティちゃん」など日本のアニメタリーキャラクターの海賊版商品は町にあふれています。
海外ブランドの社名すらコピーしますことも、日本メーカーに限ってもソニーを模した「ＳＱＮＹ」の製品が堂々と売られていたり、ホンダを真似たロゴのオートバイが売られていたりしてました。
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万博は世界の人々が集う国際的大イベントです。
開催まであと１０日にせまり、上海万博実行委員会はいまさらイメージ曲を差し替える時間もなかったのでしょう、岡本さんご本人に楽曲使用申請したのは他に方法がなかったのだと推測されます。
ここは、お祭り前に大人の応対を見せて上海万博実行委員会の窮地を救い、騒ぎを沈静化させた岡本さんは、アーティストとしてご立派であると評価しましょう。
しかし日本政府としては、断固この国際イベントにおける露骨な中国当局による「知的財産権の侵害」を指弾すべきです。
上海万博は「より良い都市、より良い生活」がテーマだそうです。中国政府は経済発展をアピールし、イメージアップを狙っています。
ならば、良い機会です、日本政府は正しく本件で中国政府に抗議をすべきです、そして知的財産権の保護についても世界の常識に沿うよう、より真剣に取り組ませるべきです。
知的財産権を侵害した作曲家に対する抗議も無しで、そんな違法曲を採用してプロモーションビデオまで作成してしまった上海万博実行委員会側の責任もほおかむり、岡本さんへの謝罪の言葉もなく、コトがばれればカネで解決といわんばかりの無礼千万な傲慢さを放置しては、コピー天国中国の現状を黙認することになりかねません。
ばれなければ問題ない、ばれたからカネで解決する、こんなことは国際的には許されないことを中国当局に認識させなければいけないと思います。
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ここまで記して気づきましたが、鳩山民主党政権は本件で中国には絶対抗議しない、いやできないでしょう。
なぜって「ばれなければ問題ない、ばれたからカネで解決する」って、これ鳩山首相ご自身が、母親からの贈与金１２億円の扱いでつい最近実践されたばかりですものね。
中国の無礼、無法と同レベルの総理大臣を掲げている国民の一人として、ためいきしか出てこないのであります。
ふう。
（木走まさみず）
