木走日記

場末の時事評論

普天間問題で鳩山政権の嘘つき二枚舌を報じる西日本新聞電子版速報記事〜「ゆらぎ」じゃなくてただの「嘘つき」だったのか?

 うーむ。

 あらゆる……この地球もとか、宇宙というものの本質は揺らぎだというふうに思っています。で、人の心も、あるいは人間そのものもですね、さらに言えば民主主義自体も揺らぎだと。一つのものにすべてが何か確信的に決まっているということではなくて、ある意味で、民主主義というのは多くのみなさま方の意見というものを聞かせていただきながら、その思いというものを大事にしていくという過程の中で揺らぎ、まったく人の意見を聞かなければ揺らがないかもしれませんが、いろんな意見を聞きながら、そしてその揺らぎの中で本質を見極めていくというのが、宇宙の真理ではないかなと・・・

 「宇宙というものの本質」は揺らぎなのであり「人の心」も「人間そのもの」もそして「民主主義自体」も揺らぎなのであると、そして「揺らぎの中で本質を見極めていく」それが「宇宙の真理」なのだと。

 なんか哲学的というか宇宙論的(苦笑)というか、わかったようなわからないようなこの発言の主は我らが日本国総理大臣の11日の発言であります。

就任半年「人間も民主主義自体も揺らぎ」 3月11日午後5時20分ごろ〜(4/4ページ)
http://mainichi.jp/select/seiji/primeminister/news/20100311mog00m010028000c4.html

 そうか鳩山政権の「発言」も「政策」もまさに揺らぎっぱなしなのは「宇宙というものの本質」だったわけですね。

 ああ、この調子で日本経済もゆらぎ財政もゆらぎ日本外交もゆらぎ普天間もゆらぐ・・・すべて宇宙というものの本質・・・なんか悲しいッス・・・切ないッス・・・

 ・・・

 で、ちょっと驚きのスクープ気味12日付け西日本新聞電子版速報記事から。

 普天間の現行計画容認を一時明言 首相、米大使に
2010年3月12日 02:10

 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、鳩山由紀夫首相が昨年12月にルース駐日米大使と会談した際、日米で合意したキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)への現行計画を容認していたことが分かった。複数の日米外交筋が11日、明らかにした。

 だが1月の名護市長選での反対派当選で情勢は一変。政府、与党は現行計画以外の検討にかじを切り、調整は大詰めを迎えている。首相の「口約束」が不信感を強め、現行計画の履行を求める米側と日本の溝が拡大する背景になった。

 「しかるべき時期になれば、日米合意に戻したい。任せてほしい」。12月15日午後7時半すぎ、官邸5階の執務室。首相は、急きょ訪れたルース大使に言い切った。この日は鳩山政権の迷走を象徴する1日だった。

 政府は朝、普天間問題の結論を10年に先送りし、現行計画を排除せず移設候補地を検討する方針を決定したが、これを受けて動いた大使は、関係閣僚の見解の大きな隔たりに大使は驚き、首相との会談を要望した。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/157892

 複数の日米外交筋が11日、明らかにしたところでは、鳩山首相は「しかるべき時期になれば、日米合意に戻したい。任せてほしい」と、12月15日午後7時半すぎ、官邸5階の執務室で、急きょ訪れたルース大使に言い切っていたのだそうです。

 「しかるべき時期になれば、日米合意に戻したい。任せてほしい」と昨年12月にルース米大使に密かに言い切っていたのに、その後名護市長選での反対派当選を受けて、政府、与党は現行計画以外の検討にかじを切り、この首相の「口約束」が米側の不信感を強めたのだそうであります。

 この記事が事実だとしたら、これは発言の「揺らぎ」とは言いません、ただの「嘘つき」です。

 だってそうでしょう、普天間問題の結論を10年に先送りし、現行計画を排除せず移設候補地を検討する方針を決定したそのおなじ日の夜に米大使には「日米合意に戻したい。任せてほしい」と二枚舌を使っていたわけです。

 昨年衆院選で鳩山氏自ら県外移設を訴えていた沖縄県民への「大うそつき」、12月に日米合意案を約束したのにそれを反故にした米国側にも「大うそつき」、結果的にですがこの発言が事実なら、我らが鳩山「揺らぎ」首相は、2重にウソをついてしまったことになります。

 記事の続報を見守りたいですが、鳩山さん、のんきに揺らいでいる場合ではなさそうな予感がします。
 


(木走まさみず)



<テキスト補足>3/12 23:40
当該記事は共同通信の配信記事であります。ここに補足いたします。

普天間の現行計画容認を一時明言 首相、米大使に
http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010031101000964.html