どうしてアメリカンスクールは議論しないんだ？〜一人の怒れる在日アメリカ人の話
５日付け朝日新聞電子版記事から
2010年3月5日13時37分
政府が新年度から実施を予定している高校無償化の法案審議が５日、衆院文部科学委員会で本格的に始まった。朝鮮高校を対象にするかどうかについて、川端達夫文部科学相は「排除する立場で検討していることは一切ない。あくまで（高校に類するかどうかという）普遍的客観的基準で判断する」と強調した。自民党の馳浩氏の質問に対する答弁。馳氏は、鳩山由紀夫首相と中井洽拉致担当相が朝鮮高校を対象にしないと示唆していると指摘。「民族教育を差別するのか」ともただしたが、川端氏は「総理はいろいろな論点があるということ、中井氏は所管大臣としての思いを述べたものと思う」とし、「差別は毛頭考えていない」と語った。
http://www.asahi.com/politics/update/0305/TKY201003050264.html
民主党政権の目玉政策である高校無償化で朝鮮高校を対象にするかどうかでもめている国会なのですが、「普遍的客観的基準で判断する」と強調した川端達夫文部科学相なのであります。
高校無償化のこの問題、たしかに朝鮮高校をどう扱うのかは法制化するときの盲点でしたのでしょう、自民党の一部や保守メディアを自認する産経新聞などは朝鮮高校に税金を投入することには反対なのであります、産経新聞はお怒りのようです。
５日付け産経新聞社説。
【主張】朝鮮学校 “北崇拝”に税金出せるか
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100305/plc1003050240005-n1.htm
社説のポイントから。
・・・各教室に故金日成主席・金正日総書記父子の肖像画が掲げられるなど、同校の同胞教育の一端が明らかになった。北朝鮮では、金主席は「首領さま」、金総書記は「将軍さま」と呼ばれている。独裁者への個人崇拝教育が、日本国内でも行われている。
とりわけ、金総書記は韓国閣僚を襲ったラングーン爆弾テロ（１９８３年）や、乗客・乗員１１５人が犠牲になった大韓航空機爆破事件（１９８７年）を計画したとされ、日本人拉致事件にも深くかかわっている疑いが強い。
拉致された日本人のことを考えると、国家テロを主導する独裁者を神聖視する教育は国民感情として受け入れられない。（中略）
無償化が適用されれば、朝鮮学校に生徒１人当たり年額１２万円の「就学支援金」が支払われることになる。それにふさわしい学校だろうか。
要は、拉致された日本人のことも考えれば、独裁者への個人崇拝教育がまかり通っている学校に税金など出せない、という主張であります。
うむ、確かに拉致事件もからみこの問題、民主党内の一部も含めて反対論は根強く尾を引きそうでありますね。
・・・
で、当ブログではまったく別の角度からこの問題でお怒りの外国人の意見をご紹介します。
お怒りの主は私の友人であるアメリカ人のスティーブ氏であります。
私と同業の白人中年デブであります。
スティーブ「日本人はもっと国際人として寛容な精神を持たないとだめだよ」
木走「うん？何を怒っているの？」
ス「高校の授業料無償化の話だ。ニュースによれば朝鮮高校は対象外の方向だというじゃないか」
木「ああ、その件か。これね、例の拉致問題も絡んでいるから日本人にとっては感情的な面もふくめて微妙な問題なんだよ」
ス「そうじゃない。なんで朝鮮高校だけしか議論しないんだ、どうしてアメリカンスクールは議論しないんだ？」
木「ああそういう怒りか（苦笑）」
ス「アメリカンスクールだけじゃないぞ、東京にはインド人のインターナショナルスクールだってあるしフランス語圏のリセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京だってあるし、群馬県にはブラジル人のエスコーラ・パラレロだってある」
木「うーん、なるほど、そういえば横浜中華街には横浜中華学院もあるしな」
ス「そうだ。日本人はこの日本にたくさんの我々外国人が働いていて、日本人と同様、税金だって地方税だっ年金だって支払って義務を果たしていることを忘れてしまってるんじゃないか。その子ども達が通っている学校はすべて無償化するのが国際人としての寛容な精神を示すことになる」
木「うーん、なるほど」
そういえば、スティーブの奥さんは日本人で二人の間にはお子さんがおひとりいますが、東京は調布のアメリカンスクールに通っています。
ス「同盟国として断固日本政府に抗議したい」
木「そんな大げさな・・・」
ス「いやせめてアメリカンスクールだけでもまず無償化すべきだ」
木「・・・（汗」
最後にはわがままヤンキーな暴言で終わったスティーブ氏なのであります（苦笑）。
民主党さん、自民党さん、この問題、国際的な話題になりかねないから、やきもちやかせないためにも国会で、国内の朝鮮以外の国の学校も話題にしてあげてください。
（木走まさみず）
