木走日記

場末の時事評論

道路族の「走狗」東国原宮崎県知事〜「宮崎を土建化(どけんか)せんといかん!」

 まず最初に今回のエントリータイトルですが、今日(3月4日)発売の週刊ポストの記事タイトルのパクリであります。

 記事見出しがあまりにも見事に、東国原知事に対する不肖・木走の心情にマッチしてしまったので、勝手に拝借させていただきました、小学館さんすみません。

<独走!怒りの追及 第3弾>PART1

“改革派の変節”を「どげんかせんといかん!」
「道路の守護神」東国原知事自民党の走狗か

「減税反対」アドバルーン族議員が大喝采
古賀・二階と手を結び、「与党支持が宮崎のため」といい切った

「しがらみのなさ」が売りだった。「利権政治との決別」を謳っていた。「地方の時代」を訴えていた。
が、それから1年経った今、東国原英夫・宮崎県知事は「宮崎には道路が足りない。ガソリン税は下げるな」と、自民党道路族と国交省の言い分を丸呑みしたかのような主張を繰り返している。ずり落ちた眼鏡越しに見えているのは、鼻先にぶら下げられた「道路特定財源」という果実でしかないのだろうか。
http://www.weeklypost.com/080314jp/index.html

 まあポストとしても国民の圧倒的支持を受けている人気者政治家を批判することは勇気のいることでありましょう、2月26日の産経・FNN合同世論調査結果では、居並ぶ政治家の中でダントツの支持率85%をほこる東国原英夫宮崎県知事なのであります。

<<東国原英夫宮崎県知事>>

・評価する                    85.2%

・評価しない                    7.9%

・わからない、どちらとも言えない          6.9%

■[政治]さきに辞任すべきは冬柴鉄三国交相じゃないのか〜産経・FNN合同世論調査結果から「民意」を考えてみる より抜粋
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20080226

 しかしながら、当ブログとしては、このポスト記事にある「「道路の守護神」東国原知事自民党の走狗か」という形容は事実を実にうまく表現していると評価します。

 より正確に言えば彼は自民党のというよりも自民党道路族の「走狗」でありましょう。

 ここに今週号ポスト記事をトレースしつつ東国原知事の「走狗」ぶりを検証いたしましょう。

 ・・・

 宮崎で起きた公共事業をめぐる談合事件で安藤前知事が逮捕され、「利権政治との決別」を謳ってさっそうと知事選で勝利した彼が、すっかり「利権政治の走狗」と変節してしまったのは、いったいいつ頃からなのか。

 その鍵を握るあるターニングポイントが実は東国原知事自身の言葉で語られているのであります。

 ここに氏のオフィシャルプログ『そのまんま日記』の昨年7月6日のエントリーの当該部分をご紹介いたしましょう。

(前略)

  ソウルで、昨日、総務省の菅大臣から直接電話があった。内容は、地方交付税交付金の算定の見直しをするというお知らせであった。
 これまで国に要望していた要件である。
 
 交付基準額(財政不足額)というのは、基準財政需要額から基準財政収入額を差し引いたものである。
 この基準財政需要額というのは、単位費用×測定単位×補正係数で算出される。
 この補正係数の中のある数値を変更する。つまり算定方法を見直すと交付税値が変わる。
 
 本県は高規格道路(高速道路・東九州自動車道)の新直轄方式における県負担が80億である。この80億を負担無しにして頂けるそうなのである。大変有難いことである。菅総務相には心から感謝申し上げたい。
 先日、ふるさと納税総務省研究会で、宮崎としての意見を発言させて頂いたことにも重ねて感謝したい。

(後略)

http://ameblo.jp/higashi-blog/archive3-1-200707.html

 昨年7月に東国原知事は政府から『東九州自動車道』の財源80億円をプレゼントされたわけです。

 補足すれば、『東九州自動車道』の宮崎県内の一部区間(約1800億円)は国土交通省の直轄事業として道路特定財源で建設される方針が決まっていましたが、それ以外に宮崎県は建設費の80億円を負担しなければいけませんでした。

 そこに、総務省菅義偉大臣から直接電話が入り、総務省地方交付税交付金で面倒をみると伝えたのであります。

 80億を負担無しにして頂けるそうなのである。大変有難いことである。菅総務相には心から感謝申し上げたい。

 この日記と同じ昨年7月はじめには民主党宮崎県連の大会で「時代は民主党です!」とエールを送っていた氏が、このエピソードを境に大きく政府・自民党になびいていくことになります。

 前述の週刊ポスト記事によれば、最近の東国原氏の「大活躍」に自民党道路族は喝采をしているのだそうです。

 自民党国土交通部会の幹部は東国原氏の「大活躍」に喝采を送る。
「古賀さんやわれわれがガソリン税値下げ反対を唱えれば批判されるが、庶民の味方イメージの東が”減税反対”と叫んでも悪者にはならない。道路の守護神を引き受けてくれている。古賀さんは国交省に、暫定税率引き下げを阻止すれば、東を最大功労者として宮崎県の道路予算を大幅アップさせるように指示している」

 週刊ポスト 3月14日号 26ページより抜粋

 国から80億プレゼントされ、おまけにこんな「最大功労者として宮崎県の道路予算を大幅アップ」という「ご褒美」まで用意されているというのです。

 これでは、誰とはいいませんが国から研究費を受けている”御用学者”が盛んに「道路建設推進」を唱えているのと同様、東国原知事の道路推進旗振り役は止まらないのでしょう。

 道路族の「走狗」と言わずなんと表現できましょう。

 ・・・

 「日本と宮崎を土建化(どけんか)せんといかん!」

 こんな言葉がぴったりのすっかり変節した東国原宮崎県知事なのであります。



(木走まさみず)