予言しましょう、朝日の思惑とは逆に、自民支持率は当面回復に向かうでしょう〜突然の安部辞任で困ったのは自民党ではなく民主党
●安倍首相辞任会見〜しかしです、それにしてもナゼ今なのか?
あまりにも突然の辞任表明で戸惑っていますが・・・
朝日新聞電子版速報記事から。
「局面を打開したい」「党首会談断られ」 首相辞任会見
2007年09月12日14時22分
安倍首相は12日午後2時、首相官邸で緊急記者会見を開き、正式に辞意を表明した。
首相の主な発言は、以下の通り。
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本日、総理の職を辞するべきと決意いたしました。参議院の選挙の結果が厳しいものとなったが、改革を止めてはいけないと続投を決意し、全力で取り組んできました。テロとの戦いの活動についても国際的に高い評価を得ており、継続していかなければならないと思ってきました。なんとしてもやり遂げていく責任がある、との思いで全力を尽くし、職を賭していく、と発言しました。
あらゆる努力をし、一身をなげうつ覚悟で全力を傾けて参りました。
小沢党首に会談を申し入れ、率直な思いと考えを伝えようとしましたが、残念ながら実質的に断られました。
今後、テロとの戦いを継続させるうえで、私はどうすればいいか。むしろ、局面を転換しなければならない、新たな総理のもとでテロとの戦いの継続を目指すべきではないか。来る国連総会にも新しい総理が行くべきではないか。
改革を進めていく決意で続投し、内閣改造も行いましたが、今の状況ではなかなか国民の支持、信頼のうえに力強く政策を進めていくのは困難な状況である。自らけじめをつけることで局面を打開しなければいけない、と判断するにいたったわけでございます。
党の5役に考えを伝えました。政治の空白を生まないように、なるべく早く次の総裁を決めてもらいたいと指示しました。決断が先に延びることで、国会の混乱が大きくなるという判断から、私の決断を早く行わなければならないと判断しました。
http://www.asahi.com/politics/update/0912/TKY200709120181.html
うーん、よくわかりませんが昨日から風邪をめされてお元気がないように見えたのでしたが、心身ともにお疲れになってしまったのでしょうか、「自らけじめをつけることで局面を打開しなければいけない、と判断するにいたった」のはまだ理解できるとして、「小沢党首に会談を申し入れ、率直な思いと考えを伝えようとしましたが、残念ながら実質的に断られました」とは一国の首相としては辞意理由にまったくなっていないですよねえ、いじめられっこじゃないんだから野党の頭領なんぞに振り回されちゃそもそもダメでしょ。
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しかしです、それにしてもナゼ今なのか?
シドニーで「職を賭す」と決意表明したじゃないですか、それに国会にて所信表明をした直後の辞任は過去にもあまり例がないのではないでしょうか。
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●今回の突然の安倍辞任で困ったのは自民党ではなく民主党のほうだ
今回の安倍首相の辞任は、世論の流れを変える可能性があります。
政治の空白は許されないので、自民党は早急にあたらしい総裁を選出しなければなりません。
そしてこの突然の辞任は、民主党執行部にとっても決して良い知らせではないでしょう。
組みやすしと本音では思っていたはずの安倍首相のこの突然の辞職で、当面の政局は極めて流動的になるわけでしょうが、テロ特措法を通じて参院を主戦場に徹底して安倍自民党と対峙する戦術であった小沢執行部にとっても、次の首相が誰になるにしろここは戦術の見直しも含めて再検討を余儀なくされる可能性があります。
民主党に取り安倍氏を現段階で追い落とすことは解散・総選挙を連動しない限り得策ではないことは、前回エントリーでも民主党関係者の情報を紹介しながら指摘したとおりです。
■[政治]安倍「職を賭す」発言は実は民主への恫喝だという見方
(前略)
民主党の本音としては 安倍政権組みやすしということなんであって、できるなら不人気の安倍政権のままだらだらと来年当たりまで政権を続けてもらい安倍政権による解散総選挙をしてほしいのだと思います。
この論で言えば、民主党にとってうまくないのは、解散総選挙まで安倍政権が持たず、自民党内で安倍降ろしが本格化して新しい政権が誕生し自民支持率が回復基調に転じる中で新政権が解散・総選挙を打って出ることです。
そこで、今回安倍さんはそんな民主の本音を見透かして、その民主党関係者によれば、もし今回のテロ特措法延長で民主が協力しないならば、私は解散・総選挙はせずに政権を放棄するぞ、と民主党へ警告を発したというのです。
なるほど、今回の発言は国民に対する決意表明というポーズであるだけでなく、穿って見れば、小沢民主党に対する恫喝だというのですね。
(後略)
前回エントリーでは、安倍さんの「職を賭す」発言は民主に対する「おどかし」ではないのかと、当ブログでは推測したしたわけですが、一日明けてまさか安倍さんが本当に辞意表明するとは、まさに「晴天の霹靂」なのであります。
安倍さんに対しても、なぜ辞意表明が今なのか、まだぜんぜん国政で「職を賭」して戦っていないじゃないか、という強い不満はあります、正直さあこれからというこのタイミングでは、これは「職責」の放棄ととられてもやむを得ないことでしょう。
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しかしながら、政局的には、今回の突然の安倍辞任で困ったのは自民党ではなく民主党のほうでしょう。
民主がひそかに避けたがっていた「解散総選挙まで安倍政権が持たず、自民党内で安倍降ろしが本格化して新しい政権が誕生し自民支持率が回復基調に転じる中で新政権が解散・総選挙を打って出ること」が現実と化したからです。
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●当ブログで予言しましょう〜朝日の思惑とは逆に自民支持率は当面回復に向かうでしょう
さてこうなると日本のマスメディア、なかでも安倍辞任を強く主張してきた朝日新聞の明日からの論説が見物です。
朝日を初めとしたマスメディアのここ一連の安倍批判の主張が今回の安倍さんの決断にどこまで影響を与えたのか知る由もありませんが、少なくとも安倍辞任という果実を朝日は自らの主張のとおり得たわけです。
さて、次は朝日は何を主張するのか?
解散・総選挙か。
現実には解散・総選挙はまだまだ先でしょう。
今の悲惨な支持率のもとで政府・自民党が総選挙をするはずはありません。
自民の戦略は新政権で支持率を回復した上で有利な条件のときを見計らって解散に打って出ることでしょう。
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私が思うに、日本の民意はおそらく朝日の主張(ある意味で180度逆の産経の主張も含めていいでしょう)よりももう少し中庸で、朝日が主張するほどには政府・自民党を見限ってはいないことでしょう。
もちろん民意もぶれます。
2005年郵政選挙で小泉自民を圧勝させたのも、今回年金問題や「政治とカネ」の問題で安倍自民を惨敗させたのも同じ日本の民意なのであります。
しかし、ただでさえ傾向として日本の民意は「参院選」では与党を追い込むことが多いですが、首班指名権のある「衆院選」では慎重な行動(政権側に投票する比率が高い)をとる傾向にあります。
今回の安倍首相の辞任は、世論の流れを自民党「懲らしめ」から自民党「がんばれ」に変える可能性があります。
当ブログで予言しましょう、新政権は間違いなくご祝儀相場もあいまって安倍政権より内閣支持率を底上げすることでしょう。
朝日の思惑とは逆に自民支持率は新政権のもとで当面回復に向かうでしょう。
そして衆議院選挙をいつ行うのか、そのタイミングにもよりますが、おそらく過去もそうでしたがサミットなどの外交日程をこなした直後(外交成果が上がった直後に内閣支持率が上昇する傾向があるため)が選ばれることでしょう。
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朝日の宿敵安倍政権は倒れました。
しかし、朝日の思惑とは逆に、自民支持率は当面回復に向かうことでしょう。
(木走まさみず)