市民新聞JANJAN28日付け記事は許されるのか?〜「新築の赤坂の議員宿舎で大きな一歩」
昨日のエントリーで私はこう指摘いたしました。
いかなる事態が起ろうとも、政治権力に対する批判言論はひるむことがあってはなりません。
今回の農相自殺を持って、政治への批判言論を慎めというようなことがあってはならないと考えております。
故人への哀悼の気持ちと、公人として彼のした行為に対する評価・批判は、まったく別の問題であると考えております。
ただ、朝日社説の表現の稚拙さを例に出し、批判するときの表現には気をつけなければならないと結びました。
他者を批判するときの表現には気をつけなければならないのだと一連の朝日社説を読んで、改めて考えさせられた次第です・・・自戒を込めて。
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私の古巣の市民新聞JANJANの28日付け記事から。
新築の赤坂の議員宿舎で大きな一歩 2007/05/28
無着地顔
農水大臣
無着地運動を実施して成功したそうな(5/28)。
無着地運動は本人の運動量は極めて小さいわりに、
周囲に与える影響量が大きいことで知られる。
特に松岡氏の場合、現役閣僚が
はじめて行った無着地運動になるので、
周囲から解任を求められていたのにもかかわらず、
閣僚に留め置いた
内閣総理大臣に最も責任があり、
これから大きな激震が伝わると予想される。
さらに今回、無着地運動が実施されたのは
赤坂に建てられたばかりの
議員宿舎の11階の自室だったとか。
都内の一等地でありながら格安家賃ということで
批判を浴び、ただでさえ入居者が少ない建物での
無着地運動は、ますます議員の入居を遠ざけるだろう。
あるいは、さきごろ入居した杉村太蔵くんなんかに
夜トイレに行けなくなるといった影響が出るかもしれない。
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「無着地運動を実施して成功」
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これは正統な風刺なのか?
許される批判記事なのでしょうか?
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なんたる悪趣味、なんたる醜悪・・・
この記事は批判にも風刺にもなっていません。
ただ故人を揶揄し冒涜しているだけです。
私は松岡農相の自殺という選択には批判的ですし、松岡農相の数々の疑惑は彼の悲惨な死を持っても関係なく追及すべきであると強く考えている者の一人です。
がしかし、このJANJAN記事は、「風刺」だとしてもあまりにも社会通念から逸脱した「死者への冒涜」だと考えます。
このような悪趣味な記事を死の翌日に平気で掲載するJANJAN編集部の良識を疑います。
・・・
国家権力に批判的に対峙することはメディアの持つ大切な使命であります。
その意味でいかなる状況に置いてもタブー無く権力への批判言論を展開する「言論の自由」は担保されるべきです。
しかしただいたずらに故人の名誉を毀損することを「言論の自由」が許しているモノではありません。
このような名誉毀損記事はかえって「言論の自由」を危険にさらさせることになりませんでしょうか。
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「新築の赤坂の議員宿舎で大きな一歩」
この市民新聞JANJAN28日付け記事は、「言論の自由」の元で許される範疇なのでしょうか?
読者のみなさまはこのJANJAN記事をいかが評価されますでしょうか?
(木走まさみず)
<関連テキスト>
■慚愧(ざんき)に堪えない24日朝日新聞社説
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20070529/1180429190