ダブスタ毎日新聞に学力テストを語る資格無し!〜 新聞では「序列化の具にしてはいけない」などキレイ事を述べ、雑誌においては見事に「序列化」して商売をしている恥知らずメディア
小学6年、中学3年を対象とした文部科学省の全国学力調査が昨日(24日)大きな混乱なく終わったようです。
原則全員が対象のテストとしては43年ぶりで、約3万3千の小・中学校で約233万人が受け、結果は早ければ今夏にも公表される予定で、「学力低下」をめぐる議論にも大きな影響を与えそうです。
文科省の23日の集計では、参加したのは全国の小・中学校の約99%。公立では全国調査に反対する愛知県犬山市の14校が不参加で、私立の参加は約6割にとどまったようです。
調査は小6が国語と算数、中3が国語と数学の各2教科でした。
さて、全国学力テストの実施を受け今日(25日)の朝日社説が取り上げていますが、これで本件についての主要紙の社説がこの一週間で出そろいました。
【朝日社説4月25日付け】全国学力調査―格差を広げないように
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
【読売社説4月22日付け】全国学力テスト 結果を教育改善にどう生かすか
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070421ig90.htm
【毎日社説4月23日付け】学力テスト 序列化の具にしてはいけない
http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070423ddm005070134000c.html
【産経社説4月23日付け】全国学力テスト 学力の向上につなげたい
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070423/shc070423001.htm
【日経社説4月21日付け】学習改革に学力テスト生かせ(4/21)
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20070420MS3M2000F20042007.html
うん、これまでの論説で予想の通り、朝日・毎日が全国学力テストの実施に反対、読売・産経・日経が賛成のようですが、例によって各紙社説の結語をまとめておきましょう。
【朝日社説4月25日付け】全国学力調査―格差を広げないように
安倍首相肝いりの教育再生会議は、学校選択制を拡大し、子どもをたくさん集めた学校には予算を手厚くすることを提言する方針だ。
競争が学校の工夫や努力を引き出す面はある。しかし、学校を競い合わせ、成績のいい学校に予算を配分すれば、それで問題が解決するほど学校や子どもの置かれている状況は生やさしくない。
まず、成績の振るわない学校の原因をきちんと探る必要がある。そのうえで、格差を縮めるために、手を打つことが大切だ。たとえば、優秀な教師を投入したり、教員を増やしたりすることが考えられる。それは各地の教育委員会の仕事だが、本当にできるかどうか。
文科省は毎年、全国で学力調査をする方針だ。だが、2度目の調査は、功罪を見きわめてからでも遅くはない
【読売社説4月22日付け】全国学力テスト 結果を教育改善にどう生かすか
結果の分析も国が行う。児童生徒の学習上の弱点を探って、改善方法を地域ごとに、具体的に示してやるべきだ。
採点や集計、発送・回収などは民間企業に委託される。同時に実施される勉強時間やテレビ視聴時間といった学習・生活状況調査の結果も民間の手に渡る。
プライバシー、個人情報管理の徹底は当たり前だ。万が一、外部への漏洩(ろうえい)や不適切利用などがあれば、テスト実施そのものへの批判も強まるだろう。
愛知県の犬山市教委は今回、全国で唯一、不参加を決めた。競争激化などを懸念してのことというが、全国との比較で地域の現状を検証するのも、教育行政の役割のひとつではないだろうか。
テストは来年以降も続く。調査する教科や対象学年の拡大が検討課題となる。まず、注目したいのは初回の結果だ。
【毎日社説4月23日付け】学力テスト 序列化の具にしてはいけない
79〜89年に国公立大学受験生に対して行われた5教科の共通1次学力試験は、広く基礎学力を見ることを目的とした。ところが、受験生の自己採点とその後の合格大学の分析から「偏差値ランキング」を生み出し、大学の「序列化」を進める皮肉な結果になった。
今回のテストをそんな物差しに化けさせてはならない。
学力に今ほど関心や論議が高まったことはない。教科知識の量の問題だけではない。学習意欲の低下や短絡的な言動などに不安な目が向いている。そうした意味で、今回のテストに併せて行われる子供たちの生活習慣や学習環境に関する質問調査は重要だ。教科学力と子供の日常がどうかかわり合っているか、深い分析を望みたい。
【産経社説4月23日付け】全国学力テスト 学力の向上につなげたい
相変わらず一部からは反対が出ている。しかし、全国学力テストでは全国平均と比べて各学校、クラス、自分の学力がどういう状況にあるのかなど、抽出方式では知ることができない点が把握できる。
東京都では独自の学力テストを行い、区市町村別の成績を公表し、小金井市など上位の学力向上策は他校の参考になっている。文科省は今回の結果の公表を都道府県別成績にとどめるが、成績の良い学校の取り組みなど大いに参考にすべきだろう。
ペーパーテストと合わせて早寝早起きなど子供の生活や学習環境などの調査も行われ分析される。結果の評価を躊躇(ちゅうちょ)せずに行い、成績が悪ければ授業方法を見直すなど、各学校はこれを学力向上の好機とすべきだ。
【日経社説4月21日付け】学習改革に学力テスト生かせ(4/21)
問題は、現場が詳細をどこまで明らかにするかだ。文科省は学校名を明示した公表は避けるように求めているが、国が統制しすぎるのも地方の教育行政の幅を狭めることになろう。市町村や学校は、「学校ランキング」などが独り歩きしないように配慮しつつ、保護者への説明責任を果たす工夫をしてもらいたい。
テストは来年度以降も行われるが、今回は私立校の参加は約6割にとどまり、公立も愛知県犬山市が不参加だ。無理強いはせず、趣旨を理解してもらう努力を続けるべきだ。
残念なのは、一部でテスト向けのにわか勉強をさせているケースがあることだ。こうした傾向が強まれば、ようやく復活した大規模調査への反発が強まる恐れがある。関係者にはくれぐれも自重を求めたい。
各紙の主張をまじめに検証する以前に、本件に関してどうしてもその無責任な二重論説・ダブルスタンダードを許すことができないメディアがあります。
毎日新聞であります。
毎日社説のここがポイント。
ところが、受験生の自己採点とその後の合格大学の分析から「偏差値ランキング」を生み出し、大学の「序列化」を進める皮肉な結果になった。
今回のテストをそんな物差しに化けさせてはならない。
ほほう、かつての共通1次学力試験が本来の目的とは別に、「偏差値ランキング」を生み出し、大学の「序列化」を進める皮肉な結果になったことから「今回のテストをそんな物差しに化けさせてはならない。」ですか?
「偏差値ランキング」を生み出し、大学の「序列化」を進める皮肉な結果
・・・
・・・
毎日新聞編集部よ、これは何かの冗談でしょうか?
「偏差値ランキング」を生み出し、大学の「序列化」を進める皮肉な結果を毎年メディア上再生産してそれを商売にしてきたのは、あなた方自身でしょう。
・・・
毎日新聞社が直接出版している直営週刊誌『サンデー毎日』が、もう何十年も毎年受験シーズンに特集している名物企画、『大学学部別偏差値ランキング』表や『合格者出身校一覧』速報など学歴・受験ネタを非常に多く取り扱い、「学力」による学校の「序列化」に積極的に関与しそれを商売にしてきたことはどう説明するのですか?
新聞本体編集部の社説ではこのような「学力テスト」を「序列化の具にしてはいけない」など所謂キレイ事を述べて、新聞本体編集部と同じビルの雑誌編集部においては、学歴・偏差値を見事に「序列化」して商売をしている、このダブルスタンダードをどう説明するのですか?
最新の『サンデー毎日』5月6・13日号誌上では、性懲りもなく学歴・偏差値を見事に「序列化」したドロドロの「■本誌独占10年調査 難関大合格者が増えた400高校」というタイトルの特集記事をうって商売しているのに、まさに同じタイミングで、新聞ではこの「序列化の具にしてはいけない」というキレイな社説を掲げるその恥知らずな神経がまったく理解できません。
『サンデー毎日』5月6・13日号
■本誌独占10年調査
難関大合格者が増えた400高校
▼難関国立大 10年で伸びた50校
▼公立・難関私立大 10年で伸びた350校毎日新聞社 サンデー毎日公式サイト より
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/
そういえば、直近の4月22日号では「全国2000高校 主要大学合格者数 ▼10年でグンと伸びた「中高一貫校」「公立校」」という特集号まで出していましたね。
『サンデー毎日』4月22日号
◆ 一挙82ページ
全国2000高校 主要大学合格者数
▼10年でグンと伸びた「中高一貫校」「公立校」
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/news/20070407-172142.html
「一挙82ページ」ですか・・・
・・・
新聞では「序列化の具にしてはいけない」などキレイ事を述べ、雑誌においては見事に「序列化」して商売をしている恥知らずメディアである、ダブスタ毎日新聞に学力テストを語る資格はありません。
(木走まさみず)