木走日記

場末の時事評論

呪いのパチンコ『リング』の恐怖〜貞子よりあんたのほうがよっぽど怖いわい!!

kibashiri2007-04-20


 今回は与太話であります、笑って読み流して下さいまし。

 最近ちょっと個人的に驚いたことがあります。

 この前なにげにぶらりと覗いたパチンコ屋で並んでいる台を見てビックリ。

 パチンコ『アタックNO1』だのパチンコ『ウルトラマン』だのパチンコ『エヴァンゲリオン』だのに並んでパチンコ『リング』があるじゃないですか。

 そう、あの日本の近代ホラー映画の先駆けとなった呪いのビデオモノでありますよ、ロンゲで目がとってもおっかない貞子が画面の中からでてくるやつです。

 うーん、パチンコなど滅多にしない私ですが、この『リング』台のところで、固まってしまいました。

 遊んでいる人の後方から台の様子を見ていたのでありますが、これがね本当にすごい迫力ある恐怖の演出がてんこもりって感じで、音響もアクションもこれまでに私が見聞きしてきたパチンコ台とは格違いって感じなのでありますよ。

 うーむ、やりたい。

 なかなか人気があるようで待つこと10分、やっと1台空いたのですかさず座っていざ勝負とあいなったのであります。

 パチンコに詳しい方には常識でしょうが、最近のパチンコ台は本当に良くできていて、大当たりする前にいろいろなアクションの予告があるのですが、この『リング』、本当におっかないのであります。

 画面中央下にはなぜか「ビデオデッキ」(もちろん小さなおもちゃのですが)があって、ときどきビデオ「予告」になると、そこにビデオテープが再生されたり、台右上には、貞子の手が両手で目を隠すように配置されていまして、最初これなんだ?って意味解らなかったのですが、やっているとまれにプルルルルと携帯着信音が鳴り、それが3回ぐらい連続すると台全体が激しく明滅し、その手が開かれ中からおぞましい貞子の目がでてくる、といった演出なのであります。

 この予告になると激アツなのであります。

 リーチアクションもおっかないシーンの連続なのでありますが、全体的に予告時でもリーチアクション途中でもとにかく貞子が出てくると大当たりの確率が高まる、って趣向になっておりますので、打っているとやがて、最初のころの恐怖心はどこへやら、「貞子ちゃん、早く出てきてね」って、貞子登場を心待ちにしてしまうように心理状態が屈折してくるところも、いとをかし、なのであります(苦笑

 2,30分も遊んだ頃でしょうか、私の左隣の台が空きまして、すかさず小太りのおそらく60ぐらいのおばちゃんが鎮座したのでございます。

 どうも私と同じで初心者のようで台をいろいろ珍しそうに見て、おそるおそるお遊び始めたのでございます。

 やがてプルルルウ、プルルルルウと例の激アツの携帯着信音予告がおばちゃんの台で起こりました。

 画面中央の主人公の娘が「誰??」「まさか??」と恐怖の声を上げます。

 そして突如貞子さんが画面左よりバアーと登場、画面の女の子は恐怖の「きゃー」という雄叫びをあげ、台右上の貞子の手のフィギアが開き、おぞましい貞子の目が出てきたのであります。

 うらやましくも打ち始めてすぐにこのおばちゃんは、大当たりの前兆である最高の激アツ予告が起こったのであります。

 そのときです。

 おばちゃん、驚きのあまり「ギヨエエ!!」というガマガエルを踏んだときのような嬌声を上げ、なんと恐怖で右隣の私の腕をおもいっきしつかんだのであります。

 ぐええええー(驚

 こっちが心臓が止まりそうになりました。

 な、なんなんだ、このおばさんの異様な力強いつかみ方は?!

 ビックリしたのは私の方なのですが、このおばちゃん、よっぽど恐がりなんでしょうか、私の腕を放そうとしないのであります。

 おばちゃんの台の画面では呪いのビデオ「井戸」リーチが展開されています。

 そして大当たり!!

 大当たりを確認してようやくおばちゃんは「あら、ごめんなさいね、もうびっくりしちゃって」とか謝りながら嬉しそうに打ち始めたのでございます。

 くそーーー、私には、貞子よりあんたのほうがよっぽど怖いわい!!

 その後、そのおばちゃんの台は大爆発、連続して11連ちゃんも大当たりを繰り返すことになるのでした。

 そして貞子が登場するたびに、このおばちゃん、「ギヨエエ!!」という不気味な声をあげ、私や向こう隣の人の肩に手を掛けたり、そりゃもう大騒ぎをするのであります。

 なんなんだ、ちっとは慣れろよな、まったくはた迷惑なおばちゃんだわい(怒

 こっちはちっとも出ないので、このおばちゃんの一人大騒ぎは、ただのはた迷惑以外なにものでもなかったのであります。

 その後も私の台の貞子ちゃんはいっこうにあらわれてくれないのであります。

 「おーい、私の貞子ちゃんはどこにいっちゃったのよ」てな感じで、貞子出まくりのおばちゃん台の横で、元気のない私の台。

 で、私は、もんもんといっこうに出てきてくれない私の貞子ちゃんを待ち続け、隣の台ではおばちゃんの貞子ちゃんはでまくり状態で出るたびにその嬌声と大騒ぎにこっちの心臓が止まりそうになるのを耐えつつ、そうこうするうちに大枚をすってしまったのでありました。

 とうとう私の貞子ちゃんはその後出てきてくれなかったのであります。

 ・・・

 トホホホ、呪いのパチンコ『リング』の恐怖よりも、おばちゃんに急にとりつかれた恐怖のほうがトラウマになりそうな夜でありました。



 ジャンジャン。



(木走まさみず)