木走日記

場末の時事評論

朝日社説と産経社説の鬱陶しい相思相愛関係〜朝日の「バッチ来い」に照れる産経の「一部」「一部」「一部」(爆笑)

 あー、暑い、暑い、暑い。

 なんなんだ、この気温は。

 不肖・木走の事務所は東京の練馬にありますが、さっき(1日PM16:00)室温を見てみれば31度じゃないですか。

 うーん、これじゃ仕事にならんわい。

 あー、ビールが飲みたい、あー、冷たい中生が飲みたいなあ(苦笑)。

 ・・・

 しょうがないから今年初めて冷房を入れましたがな。

 なんだかなあ、5月は梅雨のようにうっとおしい雨の日が続いたし、6月に入ったらこの暑さでしょ、今年の練馬は例年より一月ぐらい季節が先行しているんじゃないかなあ。
 ・・・

 さてさて読者のみなさんは、このエントリーをどのような環境で御覧になっておられるのでしょうか。

 冷房の良く効いた快適な部屋からでしょうか?

 それとも会社のパソコンからこそりとでしょうか?

 ・・・(思案中

 そんなこと、どうでもいいや(爆笑

 ・・・

 失礼しました。

 よーし、それじゃうっとおしい暑さを吹き飛ばすように、爽やかなエントリーをとも思ったのですが、当ブログのお馴染みのネタがタイムリーに提供されたみたいなので、よけい鬱陶しくなるエントリーを投入してみましょうかねえ(苦笑)



君が代判決 教育に刑罰は似合わぬ〜朝日社説

 でました、名物「君が代朝日社説」ですヨ(爆

 昨日(31)日の朝日新聞社説から・・・

君が代判決 教育に刑罰は似合わぬ

 都立高校を定年退職した62歳の元教師が、最後に受け持った教え子たちの卒業式に来賓として出席した。2年前のことだ。そのときの振る舞いが威力業務妨害の罪にあたる、との判決を東京地裁から言い渡された。

 彼は何をしたのか。判決は次のように認定した。

 式が始まる前の会場で、保護者にビラを配って、「国歌斉唱のときに、教職員は立って歌わないと戒告処分になります。国歌斉唱のときは、できたらご着席をお願いします」などと大声で呼びかけた。教頭や校長が止めようとしたところ、「触るんじゃないよ」「なんで教員を追い出すんだよ、お前」などと怒号し、会場を騒がせ、式の始まりを2分遅らせた。

 この背景には、全国でも突出している東京都教委の国旗掲揚と国歌斉唱への徹底ぶりがある。こうした動きに疑問を持った元教師は「都教委が度を越していることを知ってほしかっただけだ」と話していた。

 判決は元教師の言動について「威力にあたり、相当な手段とはいえない。現実に業務妨害の結果を生じた」と判断した。そのうえで、卒業式の妨害を直接の目的としておらず、妨害は短時間で、式はほぼ支障なく実施されたことを考え、罰金20万円という刑を選んだ。

 検察の求刑は懲役8カ月だった。その落差は大きい。裁判所もさすがに検察の求刑は度外れていると考えたのだろう。

 元教師は「『大声で騒いだ』などということはない」として控訴した。

 元教師の行為は批判されてしかるべきだ。式の前とはいえ、式場で保護者に呼びかければ、混乱が起きるのは目に見えている。保護者が式場に入る前に声をかけるといった方法をとれなかったのか。

 しかし、だからといって、暴力を振るったわけではなく、起訴して刑事罰を科さなければならないほどの悪質な行為だったとは思えない。まして、懲役刑を求めた検察の見識を疑う。

 この問題は、卒業式に出席していた地元の都議が都議会で取り上げたのがきっかけだ。都教委が法的措置をとることを表明し、高校が警察に被害届を出した。これを受けて警察が元教師宅を捜索し、東京地検公安部が在宅で起訴した。

 外からやって来て卒業式を妨害する者はただちに警察に突き出すしかない。それが都教委や高校の論理だろう。

 しかし、教育のプロである教育委員会や高校が、学校で起こった問題をすぐに捜査機関に委ねようというのは安易ではないか。そうした教える側の態度は、生徒の目にはどう映るだろう。

 元教師のような行為を二度と許さないというのなら、相手とじっくり話し合って解決の道を探ることもできるはずだ。

 本来、教育にかかわる問題が刑事裁判の法廷に持ち込まれることは望ましいことではない。今回の判決で、その思いを新たにした。

http://www.asahi.com/paper/editorial20060531.html

 朝日社説の主張は次の部分が核心ですね。

 元教師の行為は批判されてしかるべきだ。式の前とはいえ、式場で保護者に呼びかければ、混乱が起きるのは目に見えている。保護者が式場に入る前に声をかけるといった方法をとれなかったのか。

 しかし、だからといって、暴力を振るったわけではなく、起訴して刑事罰を科さなければならないほどの悪質な行為だったとは思えない。まして、懲役刑を求めた検察の見識を疑う。

 ポイントは「起訴して刑事罰を科さなければならないほどの悪質な行為だったとは思えない」ですね。

 ・・・

 いやあ、ひさしぶりに来ましたね、朝日の「バッチ来い」社説が(苦笑)

 ここの読者のみなさまはよくご承知でしょうが、なにがってこの社説自体もう完全に朝日読者を対象にしているふうに見せかけながら、「産経さん、どうだい、こんなん書いたけどどっからでもバッチこいよ!」という、呼びかけになっているんですよね(苦笑

 ・・・

 ふう。



君が代判決 妨害行為に刑罰は当然だ〜産経社説

 よ、まってました(爆

 今日(1日)の産経新聞社説から・・・

■【主張】君が代判決 妨害行為に刑罰は当然だ

 都立高校の卒業式で2年前、元教諭が「この卒業式は異常だ」などと騒いで式典を妨害した事件で、東京地裁は元教諭に罰金刑の有罪判決を言い渡した。

 判決によれば、元教諭は校長や教頭の制止に従わず、「触るんじゃない。おれは一般市民だ」「何で(元)教員を追い出すんだ」などと怒号を発し、卒業式を遅らせたことが威力業務妨害にあたると認定された。教職経験者とは思えない言動だ。同地裁が「厳粛であるべき式典の進行を停滞させ、いくら言論の自由としても認められない」としたのは当然である。

 この事件は、高校からの被害届を受けた警察が捜査し、東京地検が起訴した。教育現場で起きたことであり、刑事罰を科すほどの悪質な行為ではないとする一部新聞の論調がある。

 しかし、元教諭が行ったことは、常軌を逸脱している。学校だからといって、許される行為ではない。安易に警察沙汰(ざた)にすべきでないということは、児童生徒の問題行動などに対しては言えても、大人である元教諭にはあてはまらない。

 一部知識人は、今回の判決が教育現場を萎縮(いしゅく)させることになりはしないかと心配している。元教諭は国旗・国歌の実施を求めた都教委の通達を批判した週刊誌のコピーも配り、卒業生の9割が国歌斉唱時に着席してしまった。元教諭の妨害行為によって萎縮させられたのはどちらの方か、よく考えてもらいたい。

 この年の都内の卒業式では、国歌斉唱時に起立しないなど不適切な行動をとった200人近い教職員が都教委の処分を受けた。一部マスコミはこの処分を「日の丸・君が代の強制」「内心の自由の侵害」などととらえ、都教委を批判した。同じように、大人と子供への対応を混同した批判だった。

 学校は、子供たちが社会へ巣立つために必要な知識やマナーを身につけさせる公教育の場だ。卒業式や入学式では、国旗を掲揚し、国歌を斉唱することが求められている。

 ふだんの授業で、日の丸や君が代の意義や由来を含めてきちんと指導していれば、式典で強制しなくても、子供たちが自然な気持ちで日の丸を仰ぎ、君が代を歌うことができる。それが教育というものである。

http://www.sankei.co.jp/news/editoria.htm

 もうね、ここまで息が合ってくるとウオッチしているこっちが照れちゃうんですが、タイトルからして朝日の「君が代判決 教育に刑罰は似合わぬ」に対して産経の「君が代判決 妨害行為に刑罰は当然だ」ですよ(爆笑

 スバラシイ。

 タイトルだけでもう会話になってるじゃないですか。

 朝日の「君が代判決 教育に刑罰は似合わぬ」に対して、産経は「教育? これってただの妨害行為だろが」、「刑罰は似合わぬ? こんな妨害行為、刑罰は当然だろが」って、ツッコミ入れて「君が代判決 妨害行為に刑罰は当然だ」なわけですね。

 で、今回の産経社説で木走的におやおや変だぞと気付いた部分は以下の記述。

 この事件は、高校からの被害届を受けた警察が捜査し、東京地検が起訴した。教育現場で起きたことであり、刑事罰を科すほどの悪質な行為ではないとする一部新聞の論調がある。

 「一部新聞の論調」って、もちろんこれ昨日の「朝日新聞の社説」のことですから(爆)

 あと、ここ。

 一部知識人は、今回の判決が教育現場を萎縮(いしゅく)させることになりはしないかと心配している。

 「一部知識人」って、「朝日新聞論説委員」のことですから。

 あれ? あと、ここも。

 一部マスコミはこの処分を「日の丸・君が代の強制」「内心の自由の侵害」などととらえ、都教委を批判した。

 なんだかなあ、やだなあ産経さんも「一部マスコミ」だなんてよそよそしいなあ、どうしていつものようにはっきり「朝日新聞」と書かないんだろう(苦笑)

 今回はなぜに産経社説は、「一部新聞」とか「一部知識人」とか「一部マスコミ」とか「朝日」と明記せずに「一部」ばっかり使用したのでしょうか?

 仮にも全国新聞の社説の文章をおこす産経編集部さんが、このような小論で無造作に「一部」「一部」「一部」と幼稚に連続して記述するなど考えられないのでありますが・・・

 うーん・・・

 ・・・

 ん!

 もしかして、そうかこれって産経のテレツッコミ??

 恥じらい?

 ・・・

 ふう。

 もうね、これね。間違いありませんよ。

 この両紙の社説はね、鬱陶しい読者不在の相思相愛なのでございます、ハイ(爆笑)

 朝日さん、産経さん、乙でございます。



(木走まさみず)



<関連テキスト>
●問ひたまうこそこひしけれ〜産経が朝日を想いて詠める詩(うた)
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060405
●朝日社説と産経社説〜君たちは実は好き合ってるんじゃないのか?
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20051028