木走日記

場末の時事評論

『森喜朗の法則』〜森先生が反対する政策は100%に近い確率で実現する(爆笑)

 読者のみなさん、政界の重鎮と言えばみなさんは誰を思い浮かべるでしょうか。

 中曽根大勲位

 いやいやあのお方はもう引退された御身でありますよ、妖怪じみた生命力は万人が認めるものでありますが(苦笑)。

 え? 青木参議院議員会長?

 最近じゃすっかり影響力も無くしつつあるそうですよ。

 ・・・

 ほら、もう一人おられるでしょ。

 ほら、我らが森喜朗(もりよしろうですよ、シンキロウじゃないですよ(苦笑))先生でありますよ。

 今ポスト小泉がいろいろと取りざたされていますが、我らが森喜朗先生の発言から目を離せないのであります。

 なぜって?

 ・・・

 ふう。

 不肖・木走は発見したのでございます。

 きっと誰も注目しないだろう(爆笑)政界の大法則『森喜朗の法則』を!

 ちょっとご披露いたしましょう。



●復習しておきましょ〜日本国中忘れていますが、森喜朗先生は前内閣総理大臣だったのです(苦笑)

 もう日本国中誰も覚えていない(笑)と思いますので復習しておきますが、我らが森喜朗先生は小泉首相の前任者、前の日本国総理大臣であったのであります。

 え? 今考えても森内閣は何の実績を残したのか記憶にないって?

 ・・・

 なんてことを(汗

 ほら、内閣発足時、自民党役員室の密室で決まったって国民から怒られたじゃないですか?

 あと、斬新な「日本は神の国発言」だってあったでしょう。

 そりゃあ、辞めさせられるときの支持率は悲惨だったです(苦笑)が、実は先生は総理大臣時代はあまり失政はなかったことは有名な話であります。

 え? 失敗がなかったのは、ほとんど何も総理らしい政策をしなかったからじゃないかって?

 ・・・(汗

 そりゃ当時マスコミからは「理念がない」「政策がない」「節操がない」とないないずくしの森首相、なんて悪口(陰口じゃなかったです、堂々と報道されてました(苦笑))ばかり言われていましたけれどね。

 うーん、政策はほとんど実現できなかったけど、昔から国民の関心を政治に向かわせるために、先生は数々の金言(大失言ともいう?)を放ってきたのです。

 こんなサイトだって残っていますから・・・

森失言ハイライトシーン
http://kodansha.cplaza.ne.jp/hot/politics/2000_05_24/bougen.html

●見よ! 森喜朗先生の数々の「名言」を!

 ちょっと上記サイトから引用させていただいて主だった森先生の「名言」をピックアップしておきましょうか。

■「大阪はタンツボだ」発言(1988年4月)

「大阪人は金儲けばかりに走り、公共心も選挙への関心もなくした。低俗な風俗産業も必ず大阪から生まれる。言葉は悪いがたんつぼだ」
(4月23日 京都市内で開かれた自民党京都府連主催の政経文化懇談会で)

 他ならぬ関西での発言が先生らしいでしょう(爆)

■「韓国労働者軍事暴動」発言(1992年6月)

「横浜の寿警察署管内には1500人くらいの韓国から来た労働者がいる。ベトナム戦争に参加しているから銃を撃つことに不慣れではない。1000人くらいまとまれば、大変な軍事行動ができるといわれる」
(6月 早稲田大学での講演会で、直前に米国、ロサンゼルスで起こった暴動に触れ)

 先生ならではの警鐘でございました。

■「重油は九州の方に流れていけばいい」発言(1997年1月)

重油は九州の方に流れていけばいい」
(1月24日 ナホトカ号から流出した重油に対して)

 えっと、ノーコメントということで(しかし、フォローできんな、これは(苦笑))

■「エイズが来た」発言(2000年1月)

「選挙運動で行くと農家の皆さんが家の中に入っちゃうんです。なんかエイズが来たように思われて」
(1月13日 福井県敦賀市で行われた講演で。'97年7月、遊説先の神戸市内でも同様の発言をしている)

 エイズ感染拡大防止への国民へのダイレクトな啓蒙発言でございました。

■「アメリカ人なんてギャングや殺し屋」発言(同年2月)

「(2000年問題に絡んで)日本は水やカップラーメンを買ったが、米国はピストルと銃を買った。仮に停電などが起きたら、必ずギャングや殺し屋がやってくる。(米国は)そういう社会だ」
(2月27日 埼玉県所沢市で行われた講演会で)

 アメリカの悪化する治安を憂いての先生ならではの発言でした。

■「沖縄は日教組共産党が支配している」発言(同年3月)

「沖縄は学校で君が代を教わっていなかった。日教組共産党が支配していて、なんでも反対する。沖縄の2つの新聞もそう。なんでも政府に反対、国に反対です」
(3月20日 石川県加賀市での講演で)

 沖縄以外の県で発言しちゃったのがお茶目でしょ(苦笑

■ご存知「日本は神の国」発言(同年5月)

「日本の国、まさに天皇を中心にしている神の国であるぞ、ということを国民の皆さんにしっかりと承知をしていただくこと」
(5月15日 神道政治連盟国会議員懇談会にて)

 堂々とした正論でございます。

■「無党派層は寝ててね」発言(同年6月)

「(衆院選に関心のない有権者は)寝てしまってくれればいいが、そうはいかない」
(6月21日 総選挙の遊説中、大分県三重町での記者会見で)

 卓越した先生の選挙分析がこの発言に見事にあらわれていますよね。

■「森政権私生児」発言(同年9月)

「(政権の成立過程が)私生児のように言われるのは不愉快だ
(9月28日の衆院予算委員会で)

 国会で堂々と発言されているのが先生らしくてステキです(汗

 ・・・

 どうですか、いかに先生が国民のために他の国会議員が間違っても言えないような直言をしてきたのか、おわかりいただけましたか。

 ・・・

 しかし、こうして復習してみると、先生の場合余計な発言が一言多いのですが、たしかに総理大臣の仕事としては、これといった政策を実現していないのは否めないのであります。

 ・・・

 つまり先生の発言した提案・政策は、昔からかなりの高い確率で実現されてはこなかったのであります。

 そして、この傾向は小泉政権となり、先生が政権のご意見番になった今、見事な政界の大法則『森喜朗の法則』となっていくのであります。



●徹底実証! 世にも不思議な『森喜朗の法則』〜彼が反対する政策は100%に近い確率で実現する(爆笑)

 私が最初にこの世にも不思議な『森喜朗の法則』に気付いたのは、去年の衆議院解散時であります。

■『森喜朗の法則』実証1:衆議院を解散するな(発言)===>(結果)小泉首相電撃解散
 郵政改革法案が参議院で否決される前日、森先生は衆議院を解散しては断じていけないと、小泉説得直談判をします。

 しかし先生は説得に失敗いたします。
 缶ビール片手に報道陣の前で怒りをぶちまける森先生の様子は、当ブログでもエントリーしました。

●オレをなめるな、ジュンイチロー! 硬くてかめないんだよ〜森前首相怒りの報道リーク!
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050807

■『森喜朗の法則』実証2:解散したら俺は会長を辞める(発言)===>(結果)そっと発言を撤回

 解散したら派閥会長を辞めると啖呵(たんか)をきった森先生ですが、実際小泉首相衆議院解散に踏み切ったなら、そっと発言を撤回なさいます。

●ああ、愛しき森前首相、木走は最後まであなたを愛し続けます。(笑)

 まずはどうでもいいマクラ話です。が木走的にはどうしても読者のみなさまに報告したい愛おしい話です。今朝の新聞各紙は紙面もWeb板も小泉解散一色なのですが、そんな中で産経の地味な記事から・・・

森喜朗氏が派閥会長の辞意撤回 慰留受け

 自民党森派森喜朗会長(前首相)は8日夜の派閥総会で、「衆院解散になれば会長を辞める」としていた方針を、派内の慰留を受けて撤回する考えを示した。

 (後略)

(08/09 00:20) 産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/050809/sei001.htm

 ・・・

 解散当日にはやくも前言撤回ですか? 森さん、すばらしいです、感動した(爆笑

8月9日当ブログエントリーより抜粋
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050809/1123555531

 このころから不肖・木走は森先生の発言とその後政界に起こることを徹底的にウオッチしてまいりました。

 するとどういうことでしょう。

 摩訶不思議なことに、先生が発言された提案がことごとく実現されないばかりでなく、先生が反対する政策は100%に近い確率で次々に実現していくではないですか。(爆笑)

 時系列で列挙いたします。(めんどうなので記事は付けませんですが)

■『森喜朗の法則』実証3:(選挙前)選挙では郵政反対派には配慮すべきだ(発言)===>(結果)執行部は郵政反対派の選挙区に全て刺客候補を配置

■『森喜朗の法則』実証4:(選挙後)郵政反対派当選議員には復党の道をもうけるべきだ(発言)===>(結果)執行部は郵政反対派議員を全て除名・除籍処分

 昨年の選挙がらみでも先生の進言はことごとく無視されるだけでなく、まったく反対の政策が実現していったのであります。

 ・・・

 最近でも『森喜朗の法則』は健在なのです。

■『森喜朗の法則』実証5:ポスト小泉で森派としては候補者を一本化すべきだ(発言)===>(結果)小泉首相が「自由に誰でも立候補すればいい」との発言を受け「俺は(一本化しろとは)一回も言っていない」と軌道修正発言

 つまり、いま実証したとおり、小泉政権下、政権のご意見番森派会長森喜朗先生の発言には、きっと誰も注目しないだろう(爆笑)政界の大法則があったのでございます。

森喜朗の法則』
 その1・森先生が賛成する政策は100%に近い確率で実現しない
 その2・森先生が反対する政策は100%に近い確率で実現する

 うーむ、いかかですか読者のみなさん、素晴らしい発見でしょう?

 え? どうでもいい?

 ・・・(大汗

 この法則を応用すれば最近の森先生の発言からこの後の政局を占うことができるはずなのです。



●今後の政局を『森喜朗の法則』で占ってみましょう

 まず、今国会の会期延長はどうでしょうか。

森氏、重要法案成立へ会期延長求める

 自民党森前首相は27日、富山市で開かれた党富山県連大会で講演し、今国会の会期について、「6月18日まででは(成立は)どう考えても難しい。こういう問題をしっかりやることが、改革の一番いい着地点になる」と述べ、延長して重要法案の成立を図るべきだとする考えを示した。

(2006年5月27日22時16分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060527ia22.htm

 うーん、先生は「会期延長求める」お考えなのですね。

 ・・・

 はい、会期延長はありません、決定です(爆

 次に気になる安倍さんと福田さんの動向、森派の今後の動向はどうでしょうか。

森元首相「後継指名は前時代的」と批判

 自民党森喜朗元首相は26日、TBS番組の収録で、小泉純一郎首相が自民党総裁選の候補者が出そろった段階で支持候補を明らかにする考えを示していることについて「それはよくないことだと思う。かなり前時代的なやり方だ」と述べた。
 小泉首相がポスト小泉の有力候補になっている安倍晋三官房長官福田康夫官房長官の一本化に否定的なことについて「自分がいた仲間(森派)が一番大きくなっちゃっている。割れればいいと思っているのではないか」と指摘。「安倍さんも福田さんも出ればきっと(森派が)両方に分かれる。それで終わったらいいと思ってるのではないか」と語った。

 森氏は各種世論調査で支持率が安倍氏を急追している福田氏について「訪米後に話をしたが、『本当に迷惑なことだね』と言っていた。しかし、だんだんそういう空気が出てくれば分からない」と述べた。

(05/26 19:38)
http://www.sankei.co.jp/news/060526/sei113.htm

 うーん、先生は「安倍さんも福田さんも出ればきっと(森派が)両方に分かれる。それで終わったらいいと思ってるのではないか」と発言されているのですね。

 ・・・(思案中

 これは応用問題ですが、『森喜朗の法則』を信じれば、先生の御発言「安倍さんも福田さんも出ればきっと(森派が)両方に分かれる。」、これだけは実際には絶対おこらないわけですね。

 おそらく『森喜朗の法則』によれば、「どちらかが辞退して森派は分裂しない」パターンが想定できるのではないでしょうか。

 ところで、森先生はこんなことも言ってますが・・・

郵政造反組の復党を 森元首相参院選対策で

 自民党森喜朗前首相は27日、富山市内で講演し、昨年の郵政民営化関連法案の採決で反対して離党した「造反組」について「もう一度党の中でどう活躍してもらえるかをしっかり考えないといけない。それができないのならば参院選は負ける」と述べ、来年の参院選前に復党させるべきだとの考えを示した。
 参院選では国民新党が3―4議席を獲得するとの見通しを示し「(同党が)キャスチングボートを握る。ここにブリッジを掛けて与党と野党ができる」と指摘。「小泉純一郎首相の逆鱗に触れて切り捨てられるのでは、かつての暗いソ連中国共産党と一緒だ」と強調した。

 9月の自民党総裁選の有力候補に森派から安倍晋三官房長官福田康夫官房長官の名前が上がっていることについては「要は本人自身で決めるべきことだ。2人がしっかり話し合って協力してくれればいいし、2人とも出たかったら出ればいい」と述べた。

http://www.sankei.co.jp/news/060527/sei110.htm
(05/27 20:34)

 うーん、「郵政造反組を来年の参院選前に復党させるべき」ですか。

 ・・・

 残念ですがこれで当分造反組の復党の目はなくなりましたねえ(苦笑

 あと、「要は本人自身で決めるべきことだ。2人がしっかり話し合って協力してくれればいいし、2人とも出たかったら出ればいい」なんてことも言ってますねえ。

 ・・・(長考中

 まずいなあ、「2人とも出たかったら出ればいい」ってことは、やはり「候補は一本化」されるかも知れませんねえ。

ポスト小泉は靖国「参拝すべきでない」 森前首相

2006年05月28日19時01分

 森前首相は28日のテレビ朝日の番組で、靖国神社参拝問題について「今の(日中)関係を修復することが大事だったら、行かない方がいいだろう」と述べ、小泉首相の後継首相は参拝すべきではないと明言した。自民党内の一部が求めているA級戦犯分祀(ぶんし)に対しては「靖国のみなさんも考えて、(A級戦犯の合祀(ごうし)で)大きく国益を損なっているのなら、どうするべきかと判断すべきだ」と述べ、靖国神社が自発的に問題解決に動くよう求めた。

 森氏は「首相は(靖国参拝は)心の問題だと言うが、政治問題になってしまった。日本の国益にとってプラスではない。大局的に考えるべきだ」と強調。一方、福田康夫氏の官房長官当時の私的諮問機関が打ち出した国立戦没者追悼施設構想については「私は出来ないと思っている。靖国神社に対する日本人の気持ちがある」と述べ、否定的な考えを示した。

http://www.asahi.com/politics/update/0528/003.html

 あいたた、ポスト小泉は靖国「参拝すべきでない」ですか。

 ・・・

 また余計な一言を・・・

森喜朗の法則』
 その1・森先生が賛成する政策は100%に近い確率で実現しない
 その2・森先生が反対する政策は100%に近い確率で実現する

 『森喜朗の法則』に従えば、次の総理は森派内で候補は統一され、その候補は靖国「参拝すべき」人と、占いの結果が出ましたです。

 ・・・

 安倍さんじゃないですか。

 ・・・

 参拝凍結派の不肖・木走としては、残念な予測になってしまいました。

 うーむ、

 『森喜朗の法則』、当たるかなあ。



(木走まさみず)